山行の記録[ 長野県地方](五十音順)

  阿寺山
     (1558m)
    1997/6/29
大桑村の阿寺渓谷を遡る。8kmほど行くと対岸にわるさわ山荘がある。その裏手にある沢を登る。標高1200m辺
りで二手に分かれるが、左の沢をなおも詰める。稜線に出ると猛烈な熊笹の藪。道は全く無い。山頂も深い藪に没
している。下りは元の沢を下る。
   飯盛山
    (1074m)
    2004/11/6
木曽の柿其渓谷の入り口を守るように左岸に聳える。恋路峠の展望台から登山道が尾根に沿ってあり、容易に登
れる。登り80分。中腹から山頂にかけて大木が多く、『日本山名事典』によると「樹齢300年程度の桧の大木」とあ
るが、桧でなくサワラだと思う。山名はイイモリヤマ。
  池口岳
     (2392m)
    2000/11/4
南信濃村の池口という集落の先まで車で行ける。標高900mあたりで車を捨て、東へ長大な尾根を登る。山頂まで
7〜8時間かかるので、テント必須。道はしっかりしている。また途中水場は無い。池口岳と鶏冠山の間には水場が
ある。池口岳から鶏冠山へは往復5時間、加加森山へは往復4時間半。
  伊勢山
     (1373m)
    1994/5/21
道は無いので沢を登る。JR南木曽駅から桃介橋により木曾川をわたる。1km上流に伊勢山から大きな沢が合流し
ている。沢はおおむね西に向かって標高差900m登っている。堰が四箇所あるが大して困難は無い。標高1300m
で鞍部にでる。北に藪を漕いで500mほど行くと頂上。車でなければ下りは田立側にしてはどうだろう。頂上台地の
西端から北西に下り、沢に入る。そのまま沢をどんどん下ると、摺鉢山の北側に出る。田立駅まで3km。
  糸瀬山
    (1867m)
    1990/10/28
JR中央線須原駅下車。駅のすぐ裏から登るが標高差1300m、登り4時間、下り3時間は最低みておきたい。タクシ
ーで林道をまわり、登山道の途中まで稼ぐ手もある。秋の紅葉が大変美しい山。
  入山
    (2186m)
    2008/7/6
別掲の笹山から南南東へ稜線を縦走する。踏み跡があり、笹の丈もひざ下ほどなのでたいした苦労はない。それど
ころか笹原が広がり切れ切れに樹林帯があって実に美しい景観を造っている。お薦めしたいコース。山頂は針葉樹
の中で展望はない。

  氏乗山
     (1818m)
    1996/3/31
道は無いが何とか登れる。飯田から天竜川を渡り、喬木村へ向かう。三遠南信道の矢筈トンネルのすぐ手前にルー
プがある。ループに入る前で車を置く。そこは北東から来る「きはち洞」と、南東から来る沢の合流点になっている。
道路から北側に降り、二つの沢の間にあり南東から降りてくる尾根に取り付く。非常に急な尾根だが踏み跡らしい
ものがある。登るにつれ尾根は反時計周りに向きを変え、北に向かう頃には曽山から来る稜線に出る。稜線を北上
すると又兵(1667m)を経て、厳しい藪漕ぎの末山頂に至る。所要5〜6時間。下山は西へ1km稜線を下り、次いで
南西に尾根を下る。1328m地点を経てもとの場所に戻る。こちらのコースにも道はないが、ずっと容易なので、登り
にも使うほうが良いかも知れない。
  牛牧山
     (1481m)
    2001/12/9
中央アルプス奥念丈岳より南に伸びる支脈上の山。飯田市牛牧より登山道がある。5万分の1地形図にある道は、
荒れているが今も十分通行できる。山頂は尾根上のこぶのようなもので、展望も無くつまらない。登り2時間。
    大鈴山
    (1386m)
   2011/11/20
木曽谷の赤沢自然休養林の 東南にある。JR中央線の大桑駅から木曽川を挟んで北側に、木曽川支流の小川が
流れ込んでいる。この小川に沿って6kmほど遡ると、かもしか温泉がある。その300mほど先に営林署のゲートが
ある。そこから林道を1時間20分ほど歩くと、沢に沿って作業道があり、それを西につめ赤沢峠に出る。そこまで2
時間。峠から稜線を南東に向かうが道はなく、多少の藪こぎが必要。1時間で頂上。三角点も展望もなくつまらない
が、赤沢峠からの中央アルプスの景観は素晴らしい。

  大平山
     (1711m)
    2002/11/23
中央アルプス前衛の山。中央道駒ヶ根インターより見ると、北西に壁のようにそそり立つ。インターから一旦東に下
り、北に回りこみ大田切川を渡る。新田から西進し山麓へ。地図上の785.6mの水準点辺りから登るのだが、道らし
い道は無い。とにかく1550.8mの三角点から南東に伸びる尾根に取り付くように登る。道は無くても十分登れる。地
形図には1550.8m地点から道があるようになっているが、無い。やはり尾根をたどって登るとやがて頂上に達する。
山頂一帯はかつて「宮田高原スキー場」だったようだが、今は荒れ果てている。下りは同じコースを引き返すが、日
没が心配されるときは少し北の車道を利用するとよい。登り2時間半。
 奥茶臼山
     (2474m)
    1997/9/28
尾高山からルートがあるようだが、私は前茶臼山から登った。大鹿村の下市場から小渋川を渡り、車で台地をのぼ
り大河原地区の北の原という集落を目指す。林道はさらに奥に延びている。非常な悪路だが青田山(せいださん)
を巻き、標高1700m位まで行ける。車を捨て、林道の終点まで行くと栂村山から落ちてくる沢がある。道はこの先
無いから、その沢を標高差200mほど登る。すると平坦な場所に出る。東に進路を変え、また200mほど登れば山
頂。奥茶臼山まではさらに3kmほど。道は無くても歩行は容易。下山の際、栂村山あたりで非常に迷いやすい。何
か目印を残しておいた方が良い。
  鬼ヶ城山
     (1483m)
   2003/10/26
喬木村の上氏乗から鬼ヶ城沢川に沿った林道に入る。なぜ是ほどと思う高規格の林道で、3km先は工事中であっ
た。その林道により、昔からの参道(頂上に神社がある)は破壊され、取り付きが全く分からなくなっている。惜しい
ことだ。工事現場手前に車を置き、工事中の林道を行くと800mほどで終わる。そこは二つの沢の合流点で、右の
大きな沢に入り、すぐ右斜面をがむしゃらに登る。40mほど登ると登山道がある。一部荒れているが、全体として道
は良好ではっきりしている。左下に渓流を見ながら800mほど進むと、打ち捨てられた作業小屋があり、そのすぐ先
に素朴な造りの小さな鳥居が、両側に大杉を従えている。ここで沢と別れ、あとは尾根を山頂まで辿ることになる。
100mも行かぬ所に山の神が祀られ、『十丁』と書かれた丁石を見る。山頂には『五十丁』の丁石がある。九丁まで
の丁石は気づかなかった。頂上手前150mほどは急登の連続だが、2時間20分で山頂に。瓦葺の神社がある。丁
石と言い、こんな重いものをよく運び上げたものと感心する。神社には「文化」・「文政」の奉納額があり少なくとも
200年前の建造であることが分かる。「元治元年」銘の札もあった。ただ最近はほとんど参拝されていないようだ。
山頂には4等三角点がある。谷を挟んで東の尾根の紅葉が真っ盛りで、最高の秋の一日であった。帰途松茸と宮
川農園でりんごを求める。この農園の前からの中央アルプスの眺めは一級品です。ぜひ一度ご覧あれ。
  風巻峠
     (1995m)
    2004/9/25
名前は峠だが立派な独立峰で三等三角点もある。長谷村の市野瀬集落の南はずれで、分杭峠へ向かう国道152
号線と別れ、三峰川沿いに進む。やがて杉島の里。里はずれに「落石・崩落の危険のためこの先全面通行止め」と
あり、ぎょっとするが大曲(ここにゲートがある)まで道路状況に問題は無い。ただ大雨の後など土石流により寸断さ
れる可能性は大きい。三峰川第二発電所前が登山口になる。発電所の北30mくらいに登り口があるが、分かりに
くい。特に初めのうち道は東風巻谷に沿って上流へ向かうので不安になるが、「滑落危険」との札が下がっていれば
正しい道なので安心して進めばよい。登り口がどうしても分からなければ導水管の横を登ればよい。導水管の最上
部は山をぶち抜いた水路のトンネルの出口に当たる。ここから尾根沿いに5〜600mほど登る。赤や桃のテープが
随所にあるので迷うことは無い。尾根の南は美しい広葉樹林。北は落葉松などの人工林。やがて樅や栂などの針
葉樹林に変わり、頂上が近づくと樺の大木が現れる。頂上まで3時間。頂上には1995年(標高の年)8月に登られ
たその名も風巻氏が置かれた山名表示がある。頂上から少し反対側に下ると開けたところがあり、三峰岳が望める。
下り1時間30分。
   傘山
     (1542m)
   2003/12/14
中央アルプス前衛の山。飯島町の春日平というところから中央道を陸橋でまたぎ、渓流に沿った舗装道路をどんど
ん登って、林道終点から尾根に取り付くと楽なのだが、その林道が発見できず、違う林道に入ってしまった。その為
山頂から東に降りる尾根の末端に取り付くことになった。尾根上はかすかな踏み跡が続き、多少藪漕ぎが必要だが、
段々道は良くなる。だが全体的にほとんど人が入っていないので、荒れている。南アルプスの絶好の展望台。背後
には空木岳や仙崖嶺、遠く八ヶ岳。標高1230m辺りに大きなキレットがある。初めに述べた林道終点からは、多分
ここへつながると思う。標高1300m辺りからは亜高山帯となり、落葉松に代り、ぶな・もみ・つがが多くなる。標高
1150m辺りで不思議なものを見た。大量の笹を縦2m横1.5mほどに隙間無く並べた「寝床」である。真新しいもので
今しがた抜け出したかのように、その下は空洞になっている。どう考えても大型哺乳動物の寝床としか思えない。そ
の発見の直前大型の動物が逃げ去る音を聴いた。熊は冬眠の間、大木の洞などに寝ると思っていたが、こんな寝床
を作ることがあるのだろうか。ご存知の方があったら教えて欲しい。
  金森山
     (1703m)
   2008/10/19
飯田市上久堅から遠山郷へ向かう秋葉街道を使って登ってみた。このルートは国道256号線と重なるが、256号線は
伊那山脈越えの部分だけ存在しない。越久保を経て車で登ると、卯月山から来る林道と合流する地点で国道は途切
れる。そこには真新しいゲートが出来ている。鍵は掛かっていなかったが、いづれ掛けられて車では入れなくなるかも
知れない。車を捨ててそこから歩くことにする。小川路峠まで2時間40分。97年12月に挑戦した時は藪がひどくて金森
山頂上まであと三分の一くらいまで行ったが諦めた。今回は割りに楽に頂上に着いた。小川路峠から35分。尾根には
ブナが多い。山頂の展望はよくない。下りは山頂からゲートまで2時間30分。
  上烏帽子山
    (1840m)
   2008/8/1
伊那山脈、鬼面山の北2kmの山。伊那谷側から下烏帽子山までは何とか踏み跡があるが、その先登山道はなく
僅かに獣道があるのみ。飯田市から天竜川を渡って北上すると豊丘村に入る。天竜川支流の虻川を東へ山中深く
遡行すると鬼面山登山口ルートと分かれてすぐ、野田平キャンプ場に至る。さらに4km弱で林道は行き止まりで、『
新九郎の滝』の案内板がある。この滝へは往復約1時間。落差30mほどの滝である。烏帽子山へは滝と逆に廃道
化した林道を西へ進む。崩落した土砂に半ば埋もれた林道は、反時計回りに尾根を南に回りこんでいる。そこで林
道は消えているので適当に尾根に取り付く。尾根には踏み跡がある。大木も多い。じき急な登りになり、それが標高
差300mほど続いて、やっと下烏帽子山頂上に至る。所要1時間30分。山名表示はなく三角点もないので、三つほ
ど頂上らしいコブがあるがどれが真の頂上か分らない。いったん20mほど下ってさらに300m以上の標高差を登る。
道はないが獣道を行けば大した困難はない。傾斜も下烏帽子までよりゆるい。ただ徐々に蝿や虻がまとわりつき、
実に不快。下烏帽子から1時間30分で伊那山脈主稜線上の1820mピークに到着。ここまで赤テープなど一切ない。
北500mにさらに高いピークが見えたので、そちらが上烏帽子頂上かと思い行く。虻が10匹以上まとわりつき、ゆっ
くり休むこともできなかった。山名表示らしいものも三角点もないので、どれが真の頂上かよく分らずじまい。ただ稜線
には赤テープが点々とあった。

 下りは非常に迷いやすく、充分な注意が必要である。まずおりるべき尾根が分りにくい。その尾根が分っても途中
で何度か分かれるので、違った尾根に入り込みやすい。
 下りは1時間40分で下りたが、全体として厳しい登山だった。また非常に涼風を満喫したが、虻が多く真夏は避けた
方がよさそう。
  亀沢山
     (1359m)
   2003/10/19
1996年4月に浪合村側から登ったが、今回下條村側から登った。これが実に素晴らしいコースなので是非お勧め
したい。入登山神社(にゅうとうざんじんじゃ)という立派な神社がある。神社の北側に割りに大きな沢がある。神社
と沢に挟まれた道路を100mほど行くと舗装が終わるが、さらに200mほど行くと『牛ヶ爪林道支線起点』と書かれ
た標識がある。そこを左に折れ、さらに300mほど行くと『亀沢山登山口1時間45分』との標識がある。登山道はよ
く手入れされ、迷うところは全く無い。中腹からは落葉広葉樹林で実に気持ちが良い。リスを見た。頂上手前が急
坂だが前亀沢山からの展望の素晴らしさに、来て良かったと思うこと請け合い。亀沢山へはさらに5分。
  汗馬山
     (1255m)
   2003/10/19
前掲の前亀沢山から東へ下る道を20分も行けば、山頂に達する。道ははっきりしている。山名表示はない。下山は
元に戻ったほうが無難。私は道なき斜面を沢に下った。
  北沢山
    (1969m)
   2008/11/23
中央アルプス北部、権兵衛峠と経ヶ岳の間に有る山。伊那市から権兵衛峠を経て木曽へ向かう旧国道は、権兵衛
トンネルの開通に伴いゲートにより閉鎖され途中までしか行けない。標高1200mのゲートで車を捨て、旧道を約1
時間20分歩く。標高1420m地点で山頂から東南に伸びる尾根に取り付く。かすかな踏み跡と赤テープがところど
ころにあるが、胸の高さの笹が茂りきびしい藪漕ぎの連続。1時間30分で巨大な電波塔の有る山頂に着く。4等三
角点がある。今年は雪が早く、3cmほどの積雪があった。御岳や木曽駒が岳が見えるが、展望はそれほど良くな
い。このあたりの山は全山カラマツの植林でつまらない。だいたいカラマツは売れるのだろうか。下りは来た道をも
どる。なお頂上稜線もルートははっきりせず、多少の藪漕ぎは必要と見えた。
  黒石岳
     (1377m)
   1999/11/28
南信濃村の役場のある本町で遠山川を渡る。対岸の夜川瀬から山原へ車を走らせる。廃村の底稲までも車で行け
るが、途中で車を捨てる。山原で道を尋ねたおばあさんは、小学校の遠足でこの山に登ったと言っていた。その後
お元気だろうか。4〜5kmで底稲に着く。廃屋がある。こんな山の上に、最近まで人が暮らしていたということが信
じられない。推測だが、南信濃村は「満蒙開拓義勇団」に多くの人を送った村。そして多くの残留孤児を出した村。
それもこれも貧しさが生んだこと。敗戦後、身一つで村に戻った人は、こんな山の上を開墾して暮らすしかなかった
のではなかろうか。廃村の背後に300mほども登れば山頂。
  黒覆山
     (1906m)
   2001/11/24
中央アルプス前衛の山。道は全く無い。中央道の松川インターから北上し、与田切川の峡谷に車で入る。やがて水
力発電用の大きな導水管をまたぐ。それから1.5kmほど行くと対岸にイド沢が見える。大きな沢で、少し手前の小
さな沢と間違えないように。また車道が左へ大きく曲がりだすと、行過ぎているから注意。そのイド沢を2kmほど詰
める。別に困難はない。そして山頂から真東に落ちる支流の沢に入るのだが、読図能力が無いと中々難しい。私も
一度目は失敗した。沢は上部でブッシュとなり、山頂まで藪漕ぎとなる。登り3時間半。
  黒川山
     (2244m)
   2001/12/2
中央アルプス宝剣岳より伊那前岳を経て東へ伸びる尾根上の山。比較的容易に登れる。駒ヶ根インターを出て大
田切川を渡り、大平山(旧宮田高原スキー場跡)に登る車道に入る。道は良い。海抜1600m余の高原に車を止め
林道を北へ進むとオッ越という鞍部から次第に黒川の川沿いに下る。再び登りとなり、川沿いに高原から7kmほど
も行くと右手に「伊勢滝」という表示がある。やがて道は細く登山道らしくなる。伊勢滝から1km余進んでから沢を
渡り急斜面を200mほど登ると尾根に出る。右へ行くと伊那前岳だが左へ1kmほど行くと山頂。尾根上に道は無い
が特に困難は無い。
   黒河山
    (2127m)
   2007/9/22
南アルプス三伏峠北の本谷山から北西に伸びる稜線上の山。別掲の笹山頂上から北へ向かう。鬱蒼とした針葉樹
林の中を約1時間。道らしいものはないが、歩行に問題はない。山頂の展望は全くない。山頂からは北西に下れば
自然に黒川牧場に出て下山できる。
  黒沢山
     (2127m)
   1999/6/13
箕輪町に上古田という集落がある。そこから深沢川の渓谷をどんどん車で入って行くと、谷の最奥部で道はつづら
折れとなり、急な斜面を登りだす。400mほど登ると、稜線に出るがなおも立派な林道が続く。林道は稜線と共に
南西に3kmほど続くが、やがて無くなる。そこからは道が無く、しかも途中からかなりきつい藪漕ぎになる。林道が
消えてから約2.5kmで頂上。頂上から南に道があった。ひょっとして経ヶ岳から道がついているかも知れない。
  桑沢山
     (1538m)
   1999/5/31
伊北ICからすぐ南に桑沢川が流れている。これに沿って遡ると、約3.5kmほど行った所で林道が終わる。車を捨
て、左手(南西)の沢に入る。分かりにくいが沢の西側を注意しながら進むと、じきに右手に登っていく道がある。あ
とはその道を行けば頂上。
  権現山
     (1749m)
    2003/11/23
伊那市街から見ると南西に堂々と聳える、中央アルプス前衛の山。しっかりした登山道があり、容易に登れる。ウェ
ストンは明治24年、木曽上松から駒ケ岳に登り、12時間を掛けて将棊頭山を経てこの権現山を通り、伊那市に投
宿したという。天明年間には登山道が開かれていたというから古くから知られていたろうに、地形図に道が無いの
は不思議。山麓の小出一区に常輪寺という曹洞宗の禅寺がある。その東300mにも、この寺の前にも「駒ケ岳権
現山登山口」という案内がある。寺のすぐ南で中央道をくぐると、50mほど先にまた標識があり林道に入る。この標
識から歩いたが頂上まで3時間半かかった。下りは2時間。標高1300mあたりの「二合目」まで標識もしっかりして
いて、車で行ける。その場合は登り1時間半、下り40分位か。頂上には西山権現が鎮座している。延命水という水
場もある。眺望は南アルプスも八ヶ岳連峰も一望。
  笹山
    (2121m)
   2007/9/22

   2008/7/6
南アルプス三伏峠北の本谷山から北西二児山(ふたごやま)へと伸びる長大な稜線上の山。大鹿村の鹿塩から二児
山の項にも記したように、入沢井の集落を経て標高で900m程登ると、大池を経て笹山から西へ伸びる尾根の末端
に出る。車道はさらに黒川牧場へと通ずるが車はここへ置く。この地点は標高1650mほどで、すぐ西に聳える1750
m峰との鞍部に当たる。なお200mほど牧場側に、真夏でも10秒と手をつけてはおれぬ清冽な水場がある。明瞭で
はないが踏み跡程度とテープの目印がある。また笹が茂っているがひざ下くらいの丈なので藪漕ぎの苦労はない。約
1時間で1960mの肩に着き、さらに40分で頂上。山頂は開けているが扁平で特徴はない。
  下烏帽子山
    (1496m)
    2008/8/1
伊那谷天竜川左岸の山。上烏帽子山の項を参照。
 簫ノ笛山
    (1761m)
   2004/10/2
空木岳東尾根の末端に位置する山。駒ヶ根の大沼湖の裏手に別荘地が広がり、その奥に古城公園がある。道路は
公園下でまず篭ヶ沢を渡り、じき今椰沢を渡る。渡ってすぐ右手の尾根に取り付く。分かりにくいが、とにかく1240m
の標高点を目指して尾根を登る。踏み跡程度だが道が現れたり消えたりする。1240mからは1600mまでまあ踏み
跡がある。その後は急登でしかも笹を漕ぐことになるが、丈が低く大したことは無い。頂上稜線上の三等三角点は最
高点にはなく分かりずらい。山名表示はなく眺望もない。
  白岩岳
    (2267m)
   2007/9/23
南アルプス鋸岳から北西さらに北へ伸びる長大な山並みは北端の入笠山まで続く。その中間に聳える厳しい山。
高遠から三峰川(みぶかわ)に沿って南下。支流黒川に沿って東へ。仙流荘前を通って、戸台へ。スーパー林道が
出来る前はこの戸台が南アルプスの重要な登山・下山基地で、バスも発着していたし大変賑わっていた。44年前に
赤石岳から仙丈ヶ岳まで縦走して下山してきた戸台は、今は鬱蒼とした森となり全く昔の名残はない。戸台から戸台
川を遡り、丹渓山荘を経て仙丈や甲斐駒に登るコースはもう廃道なのだろう。小黒川に沿って5〜6km北上する。白
岩谷を見過ごさないようにする。対岸に営林署の小屋跡があるところで渡渉する。尾根をひたすら登るが、高度を上
げるに従い急勾配で厳しくなる。頂上尾根は穏やかな山稜が続き、ハイマツも見られた。天保五年銘の五穀豊穣を
祈る石碑が山頂にある。「伊那谷の山」氏は、是を「昔の人の自然を敬う崇高な行為」としているが、そうではなかろ
う。地元の黒河内村の村人が建立したものだが、この頃は日本中が長年続く飢饉に苦しみ、死者も多かった。特に
天保五年はひどかった。とにかく生きる為に祈った、そのための石碑であろう。それにしてもよくぞ険しい山頂に運び
上げたものよ。
 砂小屋山
     (1471m)
   1999/9/26
木曽大桑村の阿寺渓谷の半ばに、西から注ぎ込む樽ヶ沢という沢がある。ゲートがあって入れないので、車をゲー
ト前に置き、沢沿いの林道を3.5kmほど行く。そこで林道は沢を北に渡り、右に左に大きく曲がりつつ高度を稼い
でいく。山頂からほぼ真南に小さな沢が落ちているので、その沢の右側の尾根筋にとりついてしゃにむに300mほ
ど登ると東峰に出る。山頂は西峰。この山は奥三界岳の東尾根の末端に当たる。
 卒塔婆山
     (1541m)
    2002/7/28
森林浴発祥の地、赤沢自然休養林を流れる赤沢は、黒沢と合して小川となり、上松にて木曽川に流れ込む。その
黒沢の奥にある山。赤沢との合流点から最奥の西股山まで林道が延びているが、ゲートがあって入れない。ゲー
ト前に車を置き、5〜6km歩く。ゲートから3回橋を渡るが、その3回目、北へ渡ると道は右へ次いで左へ大きく曲
がる。その左へ曲がるヘアピンカーブの根元(橋から300mくらい)のところから、北西から落ちてくる沢に取り付く。
250mほど登るといったん林道へでる(標高1400mあたり)。少し北へ回り込むと道らしいものがある。150m、距
離にして700mほど登れば頂上。
  高烏谷山
    (1331m)
   2008/6/22
山名はタカズヤサンと読み、高鳥谷山とも書くようだ。陣馬形山や小八郎山と並び、伊那谷の絶好の展望台。また
木曽山脈の良き展望台でもある。駒ヶ根から天竜川を渡り、北東の火山という集落を目指す。「高烏谷神社」という
標識に従っていけば自然に参道に入る。神社までは車で行けるが火山から歩いて30分で、赤松や樅の大木が立ち
並ぶ立派な境内に着く。神社は立派なもので、古くから伊那谷の人々の崇敬を受けていたことが窺える。神社の裏手
からいよいよ登山道になる。頂上まで1時間から1時間半もあればよい。山頂付近にはあざみ、なでしこ、卯の花、谷
うつぎ、やまぼうしなどが咲いていた。山頂には高烏谷神社の奥宮や避難小屋がある。
  高山
   (1243m)
   2008/11/2
中央アルプス摺古木山と安平路山の中間から北西に出る長大な尾根の末端に位置する。中央線大桑駅の北方2
kmで国道19号線と別れ、木曽川の大きな支流伊奈川に沿って東へ向かう。4kmほど行った田光で伊奈川を渡り、
今度は浦川に沿って3kmほど行く。林道を進むと、大きな堰にせき止められて大正池のようになったところがある。
山側を注意深く見ると赤テープがある。そこが登山口である。登山口といっても道は無い。急な尾根を役400m登る
と三角点の有る頂上稜線の北端にでる。1km南下すると頂上である。紅葉が実に見事だった。
  辰ヶ峰
     (1817m)
    1999/11/7
開田村の役場のある入江で国道から別れ、把之沢川(たばのさわかわ)に沿って遡る。人家の無くなる辺りで車を
捨て、林道を2.5kmほど詰めると林道が終わる。そこから左手の小尾根に取り付き、200mも登れば山頂より南
西に延びる尾根に出る。あとは尾根に沿って登ればよい。容易に山頂に達する。
  地蔵岳
     (2371m)
    2002/10/12
南アルプス仙丈ケ岳の西尾根上の山。長谷村の市野瀬から三峰川を渡り急斜面を250mほど登ると、柏木という
数軒の集落がある。集落の背後から林道が延びていて、距離にして4km、高度1800mあたりまで車で行ける。
ただし道は相当に悪い。5万分の1地形図では1983m峰を通る道があるようになっているが、実際は1983m峰
の南斜面の樹林帯をトラバースし、さらに松峰の南側を回りこむように登山道がある。やがて松峰小屋を経て頂上
に至るまで、道はしっかりしている。柏木からなら4時間、林道最奥部から2時間半。
  栂立山
     (1769m)
   2008/10/12
伊那山脈、鬼面山北方の山。下烏帽子山・上烏帽子山と同じく、豊丘村の野田平キャンプ場よりさらに3kmほど先
の林道終点まで車で入る。ここから渓流に沿って新九郎の滝へ向かう。滝の手前150mほどに東から合流してくる
比較的小さな沢がある。道は無いがこの沢を登る。10分ほど行くと沢は三つに分かれているが、右の最も水量の多
い沢へ進む。さらに10分ほど行くと今度は二つに分かれている。右の沢は東南に向かい、5〜6mの高さの滝があり
水量も多い。左の方は北東に向かい水量はごく少ない。本当は右を選ぶべきだったのだが、左の沢を30分ほど詰め
ると1541mピーク東の鞍部に出た。ここから尾根を登ってゆくと、登山口から2時間40分で三等三角点の頂上に着
いた。道は無いがそれほど困難は無い。下りは沢を避け、1541mピークを越えて、尾根伝いに下りた。所要1時間
40分。
    鶴ヶ峰
     (1291m)
    2003/9/23
辰野町北部の山。車で頂上まで行けるが、歩いて登ってはいかが。辰野の北、横川川に小横川川が注ぐ1kmほ
ど先で横川川を渡り中央本線の踏切も渡り、線路に沿って800m行くと沢の入り口があり、「塩釜神社・七蔵寺」と
いう標柱が立っている。そこに駐車もできる。沢に沿った林道を2.5kmほど登ると、無住だが立派な古刹「七蔵寺」
がある。1200年前の創建という。やがて舗装が終わるがかまわず登ると立派な車道に出る。あとはその道を行け
ば山頂に達する。展望台があり、眺望も素晴らしいが、真の山頂は500mほど北東にある。
 南木曽岳
     (1677m)
    1988/5/31
木曽谷の秀峰。双耳峰で遠くからも見分けやすい。JR中央線南木曽駅下車。タクシーで駅北2km弱の登山口ま
で。急登2.5〜3時間で頂上へ。駅が眼下に見える。下山は東峰を経て、蘭(あららぎ)へ。かつて斉藤茂吉が訪
れ歌を詠んでいる。このコースには木曽五木の一つ、高野槙の巨木が多い。尾越からのバスがないときはタクシー
で妻籠へ。そしてバスで南木曽へ。
  鍋冠山
     (2194m)
    2002/8/31
北アルプス大滝山から東へ延びる尾根上の山。三郷村の北小倉から車道が標高1400mまである。その先は悪路
の林道となるので、車はそこに置く。林道を4kmほど行くと鞍部に達するので、そこで林道と別れ、北に向かう登山
道を進む。大きく反時計周りに更に4kmほど行くと山頂。
    袴越
    (1052m)
    2009/11/23
伊那谷の最南端、熊伏山の西尾根の末端に位置する天竜川左岸の山。地図に記載はないが登山道はある。飯田
線の平岡駅から南へ3〜400m行くと所蛇川という小さな川を渡る。さらに2〜300m行くと左側に送電線の巡視路
が見える。是を利用して1時間半から2時間登ると、703m鞍部に着く。かつてここに三軒ほどの集落があった跡で
ある。ここから山頂までもまあ道はある。下りの際、この703m鞍部から所蛇川の谷へ降りる道があったので利用し
てみた。谷に出ると立派な舗装道路があり、容易に平岡駅に着くことができた。要するに駅の裏側の道路を右手へ
向かえば、1kmも行かず703m鞍部へ向かう登山口に到達できる。
  二児山
     (2243m)
    1997/10/7
伊那谷のあちこちから望める双耳峰。特に戸倉山(伊那富士)から姿良く望める。道は無いがそれほど困難は無
い。大鹿村鹿塩の小学校の横から登る車道へ入り、いくつかの集落を経て進むと標高1700m辺りに、黒川牧場が
広がる。春から秋にかけて牛を放牧している。牧場内の車道を1.3kmほど行くと、大きな沢にかかるコンクリート橋
がある。この手前に車を置き、橋の手前から沢に降り対岸の尾根に取り付く。ひたすら尾根を登ると西峰次いで東
峰に達する。下山は南に尾根を縦走し、牧場内を下って元に戻る。
  坊主岳  
     (1961m)
    2003/9/7
権兵衛峠または奈良井宿より奈良井ダムを目指す。ダム湖が終わる辺りに、東からイノコ沢が流れ込んでいる。沢
に掛かる橋のすぐ北側に、沢沿いに延びている林道を10mも進むと左に登山口がある。標識などは無い。数十m
登ると山の神が祀ってある。その先は明瞭な道は無く、とにかく尾根から外れないように踏み跡を探して登る。
1500m辺りから1時間ほど熊笹の藪漕ぎを強いられるが、藪の中にもルートはあるのでよく探しながら行くと良い。
山頂は草原ですばらしい眺望。辰野町役場の若手職員が立てた山名表示があるほか、古い石仏がある。登り2時
間半。下り1時間半。
 前茶臼山
     (2331m)
    1997/9/28
南アルプス大沢岳より北西に延びる長大な尾根上の山。大河原から見れば奥茶臼山の手前にある。大鹿村の下
市場から小渋川を渡り、車で台地をのぼり大河原地区の北の原という集落を目指す。林道はさらに奥に延びてい
る。非常な悪路だが青田山(せいださん)を巻き、標高1700m位まで行ける。車を捨て、林道の終点まで行くと栂
村山から落ちてくる沢がある。道はこの先無いから、その沢を標高差200mほど登る。すると平坦な場所に出る。東
に進路を変え、また200mほど登れば山頂。奥茶臼山まではさらに3kmほど。
  水沢山
     (2004m)
   2003/11/2
木曽駒高原の中央を流れる正沢川は、水沢山の南西麓をかすめるように流れる。そこに架かる馬寄橋の北、「大
阪 田中土建工業別荘」との間から尾根に取り付く。道の無い急な登りが続くが、広葉樹の喬木林で下草も無く、
尾根から外れないように行けば全く問題は無い。1700mくらいから栂や樅の針葉樹林になる。風倒木が多く斜面
は苔に覆われている。突然ウォーという唸り声に驚く。40mほど上に黒い大型の動物。こちらを見据え向かってくる
気配。一瞬熊と思い後ずさりするが、逃げてはかえっていかんと、視線をそらさぬようにする。よく見ると200キロは
あろうという大きな猪。しかもうりんぼうを3〜4匹連れている。どうやら母猪で、これ以上近づくなと警告したのだろ
う。山頂には何と昨日の日付の書かれた赤テープがあった。三角点はかなり下にあり、標高は実際は2015mくら
いと思う。北西側の展望はよく、御岳や乗鞍岳が望める。登り3時間20分、下り1時間10分。
    夜烏山
     (1319m)
   1996/4/21
中央道園原ICから清内路村へ向かうと、阿知川支流の黒川に沿って平瀬という集落がある。この平瀬の背後の尾
根に取り付くのだが、非常に分かりにくい。左手のほうを探してみること。ところが尾根に取り付くと、とたんに道はは
っきりしてくる。とても気持ちの良い山である。頂上まで1時間半くらい。
   若神子山
   (1508m)
  2013/10/27
中山道贄川宿 の北にある。国道19号から贄川沢に入るのだが、なかなか分かりにくい。沢沿いの林道を3km余
行くとチェーンが張ってあるので、車はここに置く。さらに1km沢沿いの林道を行くと、対岸に送電線巡視道が見え
るので沢を渡渉する。この日は何とか飛んで渡れたが、増水時はじゃぶじゃぶ渡るしかない。道はしっかりしている。
1時間半ほどで頂上1520mに達するが、三角点はここではない。頂上からは八ヶ岳もよく見えた。三角点は500m
ほど引き返した南に伸びる小尾根上にある。