山行の記録[近畿地方(2)] (五十音順)

 阿弥陀岳 
  (876m)
 2004/5/22
滋賀県と岐阜県の県境に近く、霊仙山と丹生川を挟んで北に向かい合う山。醒ヶ井駅から丹生川沿いに南下すると、
下丹生やがて上丹生の集落に入る。養鱒場への道と別れ、「霊仙山登山口」の標識に従って丹生川沿いに上丹生の
集落を過ぎ600mほど行くと浄水場がある。霊仙山へはまっすぐ行くが、北へ向かう林道に入る。車は2kmほど先の
林道終点まで行け、駐車スペースもあるが、山を汚さぬため林道入り口付近に車は置こう。約40分で林道終点に。
「阿弥陀岳山道」と標識がある。 丸木橋を渡り狭い沢筋を2〜30mほど行くとすぐ左に欅の大木がある。踏み跡はさ
らに沢筋を進むが、この道はやがて消えてしまうので、欅の裏側の尾根に進むこと。そして尾根伝いに頂上へ向かう。
時に見失う不明瞭なルートだが、尾根から外れないように行けば問題はない。ただ蛭にやられる。標高600m辺りで
急斜面が続く。それを乗り切ると右手からくる尾根に出る。さらに400mほど行くと典型的なカルスト地形が現れ、「霊
仙寺阿弥陀堂跡」と書かれた標柱がある。阿弥陀岳という山名の由来であろう。頂上はここからさらに400mほど。
ずっと筒鳥・不如帰の声を聴き続けたが、頂上では何とカッコウの声を聴くことができた。4年ぶりくらいか。他に、アオ
バト・赤ゲラの声。また鹿の群れ。山中に桐の木が薄紫の花を咲かせていた。山頂付近には蘭の仲間エビネが見られ
たが、乱獲で激減しているそうだ。採らないようにしよう。
 安蔵山  
    (900m)
  1998/3/17
湖北の清流高時川は、国境の要衝栃の木峠から山々を縫うように木ノ本町に至る。そしてその流れに寄り添うように、
古くからの人々の暮らしもある。ひっそりと僅かな戸数の集落が、下流から「大見」・「下丹生」・「上丹生」・「菅並」・「田
戸」・「鷲見」とあったが、今は菅並の先は全て廃村となった。聞くところによると、「丹生ダム」の建設が計画され、いま
また中止になるようだが、菅並はどうなっているだろうか。廃村「鷲見」の3km先に尾羽梨川との合流点がある。その
橋の手前から尾根に取り付く。積雪期が最適。尾根をたどって容易に山頂へ。下山は北尾根をたどって、尾羽梨川の
尾羽梨ダム下流に出たが、幅8mくらいの川を渡渉せざるを得なかった。
 イハイガ岳
   (964m)
  2008/4/29
鈴鹿山脈南部、雨乞岳と綿向岳の中間に位置する。イブネと同様に甲津畑から渋川の谷に入るが、現在杉峠へ向かう
林道は車両進入禁止になっている。約1時間半でツルベ谷出合いに着く。増水していなければ渡渉に問題はない。ここ
からツルベ谷を大峠に向かって沢登り。約1時間20分で峠に着く。山桜があちこちに咲き、沢も危険はない。峠からは痩
せ尾根を頂上へ向かうが、頂上直下の東側はすぱっと200mほど切れ落ちた断崖になっていて、鈴鹿では珍しいアル
ペン的風景。また稜線上にしゃくなげが非常に多いので5月中旬にはさぞかし美しかろうと思う。さらに頂上付近には
ヤシオツツジも多い。この日は満開の馬酔木とヤマツツジが迎えてくれたが、以外に魅力的な山である。
 イブネ   
   (1160m)
 2002/2/23
永源寺の南に甲津畑という静かな村がある。村を過ぎさらに進んで愛知川支流の渋川の谷へ入る。道はしっかりしてい
るが、雪のため車を捨て歩く。杉峠まで2時間半ほど、蓮如上人遺跡とかかつての御池鉱山(?)の遺跡とかが点在し
ている。杉峠から雨乞岳と逆方向の北に登ると、1121m峰。北東に約1kmで頂上。山頂はだだっぴろいグランドのよ
う。鈴鹿山脈の主脈の向こうに伊勢湾が望める。
 上谷山 
   (1197m)
1998/3/22
積雪期が良いと思う。安蔵山の項と同様に、高時川と尾羽梨川の合流点から、林道を東へ行ける所まで入る。尾羽梨
ダムの約5km先に、左手から尾根が張り出し右からは沢が合流している場所があり、そこから取り付く。尾根を北へ標
高差600mほども登ると約2時間で頂上。三国岳や三周ヶ岳など奥美濃の山々が目の前。下りは尾根を南西に
たどり、尾羽梨ダムの約1km先に出た。
 大御影山
   (950m)
  2008/6/1
旧今津町の酒波(さなみ)集落を通り抜けて、「家族旅行村ビラデスト今津」まで立派な舗装道路を登るのだが酒波集落
への入り方が、分りにくく迷った。ビラデスト今津には料金所があり、環境保全料として一人300円徴収される。
約300m歩くと平池という池があり、驚いたことに杜若の群落を初め、様々な花が咲き乱れる別天地。多くの愛好家が
カメラを手に集まっていた。登山道はその平池の北端から東に100mほど林道を進み、左へ曲がり山道に入る。
1.5kmほど行くとやや平坦な場所がある。そこには小さな池があり、モリアオガエルの大きな泡のかたまりが一杯
ある。池にはイモリが多くいて、おたまじゃくしがすぐ食べられてしまわないか心配になる。タニウツギやナナカマドの
花が咲く尾根道を2時間近く行くと河内谷林道と出会う。この先は美しいぶなの純林が続く。頂上付近からは日本海が
間近に見られる。もちろん琵琶湖もコース前半にはよく見える。この日はホトトギス・カッコウ・ツツドリの声も聴かれた。
登山道はよく踏まれ全く問題はない。
 
 錫杖ヶ岳

  (676m)
 1989/ 1/2
JR関西線を亀山あたりまで来ると、南西にまるで穂高連峰のように峨々たる山並みが見える。関西線の加太駅下車。
加太川を渡り南へ。名阪国道の下をくぐり車道を約2km登る。左の山道に入り30分で柚之木峠。ここから急登40分で
槍の穂先のような頂上へ。伊勢湾も知多半島も伊勢平野の向こうに丸見え。頂上のポストのノートに記帳すると、年賀
状が届くのも嬉しい。東に下ってすぐ右への下山道がある。30分ほどで下ノ垣内の村に出る。北畑から山道に入り、柚
之木峠を越え加太駅へ。健脚な方には縦走をお勧めする。頂上から小雀の頭を経て山並み東端の400m峰まで約2
時間。そこから北へ下山でき、関駅まで。
 比婆之 山
   (669m)
 2012/2/28
彦根の市街地から東へ10キロも行かぬ山塊の一つのピーク。多賀大社近くを流れる芹川は霊仙山に源を発し、西行し
て近江平野に出る。その芹川に沿って山間に入って約8km程行くと一軒の民家がある。背後に北方へ向かう荒れた道
路があり、それを登る。約40分で廃村の甲頭倉(なんと読むのか)に着く。道路は管理されておらず車で入るのは難しい。
村は約10戸ほどから成り、立派な寺もあるが少なくとも10年前には全戸離村したように思われた。村の最奥には砂防
ダムがあり、それを超えて100mほど進んだら右側の支沢に入る。約40分ほどで稜線にでる。稜線を北西に600mほ
ど登れば頂上。山頂から東を望むと、深く広い谷を隔てて霊仙山の雪を戴いた美しい姿。西には琵琶湖と雪の比良が
望めた。下山は同じコース。登り2時間半、下り1時間40分。
  道方山
   (661m)
 2012/2/12
三重県南部、熊野灘に近い山。宮川支流の一之瀬川に沿って南下すると道路は南中村の集落にさしかかる。往時南
島町へは、 この先の海抜400mの能見坂峠を越えていたのだろうが今は峠下にトンネルがある。それも旧トンネルに
代わって新トンネルが出来た。登山口は旧トンネルの南側入り口の左側にある。「道方山登山口」との道しるべもある。
そこから急登20分で尾根にでる。尾根には林道があるので車でも登れるのかもしれない。とにかく西へ稜線をたどるこ
と約2時間で山頂。展望は遮るものなく絶景。