保育について
【 保育目標 】
『カトリック(キリスト教)の精神に基づいて幼児の発達を助長する。』
【 マリア幼稚園の保育理念 】
(マリア幼稚園の人間観・宗教観・世界観)
・
マリア幼稚園では子ども達一人一人に神様と出会って欲しいと願い、出会いのための援助に力をいれています。
・
神様はお造りになられた人も動物も植物も、分け隔てなく愛して(大切にして)くださっています。私たちは、このことをみなさんに伝えたいと願っています。
・
子ども達一人一人に必要なものは、神様から全て与えられています。それをよりよく助け伸ばして行きたいと願っています。そして神様への感謝の気持ちを育み、自分も人も大切にする人間として生きて行って欲しいとも願っています。・教育は共に育つことと考えています。子ども達と共に関わり合いながら、保育者も保護者も互いに育ち合いたいと願っています。お互いに神様への感謝の気持ちを育み、子ども達と同じように、自分も人も大切にする人間として生きて行きたいと願っています。
Q.カトリック(キリスト教)の精神って?
A.わたしたちはみんな分け隔てなく神様から愛(大切に)されています。例え神様なんて信じないと言ったとしても、神様はわたしたちみんなを大切にしてくださっているのです。
そんな神様の気持ちに気づいて欲しいのです。そして一緒にありがとうとお祈りしたいのです。神様の気持ちに気づくと、この世界が本当に恵みに満ちていることがわかるはずです。それに気づいたらきっと神様に感謝したくなるはずです。そして、自分だけが愛されているのではなく、周りにいるみんなが同じように大切にされていることに気づいたら、神様から大切にされている者同士、お互いを大切にし合えるはずだと気づくはずです。
自己中心や利己的な考えから抜け出して、神様を大切にし自分を大切にするのと同じように、周りのみんなを大切にしようという考え方(隣人愛)が、すな わちカトリックの精神なのです。
マリア幼稚園ではイエス・キリストの教えとその生涯を手本にしながら、神様への感謝と神様との出会いという宗教的環境に、純粋な感受性をもった幼児期 に接する事は、人として生きていく上でとても大きな大切なお恵みとなると考えているのです。本当の意味での豊かな心や良心が育まれて行くと考えているのです。
【 マリア幼稚園の幼児観 】
・
幼児は幼児期を幼児として伸び伸びと過ごすことが、何よりも大切だと考えています。
・
幼児期の幼児を未完成な大人ではなく、未成熟ながらその時その時を生きている大切な存在と捉えています。
・
幼児期は人間として不可欠な基礎を培う時期だと考えています。幼児期にしか身につけられない調整力・リズム感・秩序感等などの基礎や、幼児期に培っておかなければならない様々な事、例えば、友愛・基本的人間関係能力・意欲・目的意識・基本的生活習慣やしつけ等を、幼稚園での集団生活や、自主的自発的な伸び伸びとした活動や体験を通して身につけ、人間性豊かな人に育って欲しいと願っているのです。
Q.伸び伸びってどう言うこと?どうして伸び伸びと言えるの?
A.子ども達が、先生の指示や大人の指示を求めて行動するのではなく、自らの興味や関心によって、自主的自発的に活動し生き生きと行動している姿を伸び伸びと言います。「先生、次なにするんですか?」と、6才を前にして、すでに指示を待つ子どもなどにはなって欲しくないと思っていますし、そのような子ども達のことを決して伸び伸びしているとは言いたくはありません。
マリア幼稚園は、子ども達の成長や発達に見通しを持って援助しているとの自負があります。簡単に「あっちに行っちゃダメ」「それを使っちゃダメ」なんでも「ダメ」という環境ではなく、「いっていいよ」「やっていいよ」「どうぞどうぞ」という園と保育者の「いいよ」の姿勢によって、子ども達は常に肯定的にその活動や行動を見守ってもらえているから、当然のこととして伸び伸びとした姿が見られるのです。
また、伸び伸びは決して野放しではありません。園生活の中で積み重ねられていくお祈りやしつけを通して、自己発揮だけではなく、感謝や自己抑制も当然の事として身につけ、正しいことを自分で考え自分で判断し自分で行動する力が身につくよう援助しています。ですから伸び伸びと言えるのです。
Q.未完成な大人って?未成熟な人間って?
A.未完成な大人とは、大人を基準にして、大人の出来ることを同じようにするのが当たり前と捉える考え方です。その場合幼児や児童のする事への評価は、「子どもは大人に比べて何もできない。これもできない、あれもできない、ダメな子だ」になります。子どもですから、大人と同じように出来ないのが当たり前なのですが、常に早くしなさいとせかされ、否定的に評価されてしまう捉え方なのです。
それに比べて未成熟な人間と捉えることは、その時々の発達の特性や発達段階を考慮し、成長する見通しをもって評価し援助する捉え方ですから、「これもできるようになった、あれもできるようになった、いいねすごいね」と、一つ一つの成長発達を一緒に喜び合えるのです。
かけがえのない大切な幼児期の子ども達を、どのように考え捉えるかによって、子ども達への指導援助は根本的に異なってきます。
【 マリア幼稚園の発達観 】
・
マリア幼稚園には3才から6才にいたる幼児に対する明確な発達観があります。
Q.どうして幼稚園では文字や数の学習をさせないのですか?
A.文字や数に関する学習に代表される、五十音のように記号化されたものだったり、単純な数字で構成される教育は、確かに知的好奇心として幼児にとっては甘い甘い蜜のようなもので、一度その情報の量と伝達のスピードに接すると、虜になってしまうものなのです。そして困ったことにそれらは成果が出やすく見た目に評価がしやすいので、周囲の大人たちまでも巻き込んでその虜になってしまいがちなのです。
しかし、実は大きな落とし穴がそこにはあるのです。そのような学習は早く学んだほうがいいとは限らないものなのです。次の児童期を前にした幼児期は、日常的な生活の中での実際の体験や、自分でやってみた活動によって、自分がこれから歩む人生の、最も根本的な概念を培うのに必要不可欠な時期なのです。この時期をどれほど丁寧にそして豊かに過ごせるかによって、その後の人生が大きく豊かな広がりをもって行くかが、左右されてしまう時期なのです。逆に言えば、小学校で習える文字や数などに時間をとっていられないのです。感受性の強い純粋な好奇心にあふれた幼児期に、直接本物を見たり触ったり感じたりすることが、人としての大きさを増す土台作りには欠かせない事なのです。
私たちは、絵本を見たときその綺麗な絵を見て先ず「きれい!」と言って欲しいのです。絵本を見てその絵ではなく「ちょうちょ」や「とんぼ」とかかれた文字をとんとんと読んで「どう、わたし字が読めるのよ、すごいでしょ」と言うような子どもにはなって欲しくないのです。
誤解のないようにつけくわえておきますが、「自分のなまえがわかり(読める)、1から10程度までは数えられる」を一応の目安として、主に視聴覚的に日常生活の中で文字や数に関する概念には接してはいますから、当たり前のことですが、全く知らないとか絶対に接しさせないという事はありません。
【マリア幼稚園の保育指標(4つの柱)】
マリア幼稚園では具体的な保育を構成する時、次のような4っの姿を理想として思い描いています。これは子ども達にどんな子になって欲しいと願いながら、保育を計画し、環境を構成しようとしているかと言うことです。
@ 心身ともに健康な子 (みんなで歓声をあげながら、元気に伸び伸びと遊ぼう。)
A 協調性のある子 (自己発揮しつつ、自己抑制も学び、お友達と仲良く楽しく遊ぼう。)
B 自立心のある子 (自分で考え自分で判断し自分で行動できるようになろう。けじめを身につけよう。)
C 他者を大切にする子 (心から神様に感謝しよう。相手の気持ちを考えられる優しい心を持とう。)
【マリア幼稚園の指導上の留意点】
・ 恵まれた環境を十分に活かし、人間関係を大切にしながら、伸び伸びと園生活を送れるよう保育課程を設け、常に一人一人の成長発達に即した指導援助を心掛けています。
・ 静的な活動と動的な活動をバランス良く配置し、落ち着きや集中。活発さや忍耐等の育成に配慮しています。
・ 幼児の成長発達のはっきりとした見通しに立ち、それぞれの個人差、成長や発達の過程を理解し、一人一人の幼児が直面する発達課題を全教職員の共通の理解のもとで丁寧に見守り、適切な指導や援助をすることを心掛けています。
・ クラスは年齢ごとの横割りで設定していますが、子ども達が自主的自発的な遊びを展開する自由遊びの時間などには異年齢児とも関わり、年齢に関係なく縦割り的にも遊べる環境を設定しています。
・ 活動に応じた机や椅子の出し方、発達段階に応じた保育室の環境設定、季節や時期ごとに配慮された園庭遊具やその配置等々、常に教育的配慮をした様々な環境の構成に力を入れています。子ども達が自分たちで環境に関わり遊び込める環境作りを目指し、日々工夫検討に努めています。
・ 指導や援助においては、一斉やグループでの指導、個別の指導、異年齢児と合同の指導等の常に工夫検討を行って、適切な指導援助に努めています。
・ 知育に偏ったような保育は行いません。文字や数をドリルやワークを使って国語や算数等のように扱う教科教育のようなものは実施しません。文字の認識や数値的な理解の基礎、音楽的素養や様々な表現活動等は、日常的な園生活の中でバランスよく自然なかたちで経験したり培ったり出来るように配慮しています。
・ 特に色紙や様々な製作素材は、園児一人一人が自分なりの製作を楽しんだり、満足いくまで繰り返し作りこみ、達成感や充実感を味わえるよう十分に準備し使えるように配慮しています。
保育環境・施設設備等について
・ クラス編成:年少3クラス・年中及び年長各2クラスの計7クラス。毎年10月から満三歳児も受け入れ1クラス増の合計8クラスとなります。
※年中組から3年保育と2年保育の混合クラスとなります。
・ 教職員数:20名。(園長・主任・教員13名・補佐4名・事務1名・運転手2名。)
・ 人的環境:クラス担任は1名ですが、どのクラスにも副担任的に補佐や主任等が入り、個別指導等も可能な保育体制を採っています。
・ 保育時間:10時〜14時(但し、登園開始は8時40分・降園終了15時)
・ 土曜休園日:土曜日は休園となります。
・ 昼食:月曜及び水曜は給食。火・木・金曜はお弁当持参。
・ 通園方法:通園バス。徒歩及び自家用車等。バス通園以外は8時40分から登園可能。降園終了は15時
・ 通園バス:3台合計6コース。1コース平均1時間。(園児乗車時間最長50分程度)
・ 預かり保育:15時〜17時(平日月曜〜金曜・一日500円・ひと月16日以上利用の場合は月額8,000円・専用保育室・おやつ付き)
・ 保育室:全面床暖房。集まる最低限のスペースの他に、園児が自主的に遊び込めるコーナーを設けて、自主性や自発性を育てる工夫をしています。
・ 遊戯室:週一回の全体朝礼や学年や組毎のリトミックやゲームは勿論、雨天時の自由遊び等や、各種セレモニー(入園式・卒園式)行事等に使用しています。
・ トイレ:園児用には子ども用洋式トイレを設置し、明るく安心感の持てるよう配慮しています。
・ 保健室:原則的には具合の悪くなった園児は、保護者に迎えにきていただいています。必要に応じて学園の養護教諭も対応。
・ 砂場:60〜70名が同時に遊べる広さが確保されています。砂場は、その感触を楽しみ解放感を味わうことで、情緒の安定をもたらし、自主性や自発性を培い、人間関係をも深めるのに最適の場と考えています。裸足になり水を使って十分に砂場遊びを楽しむ園児の姿は、当園の特徴の一つとも言えるものです。
・ 園庭:園庭は遊び場であって小学校や中学校のような校庭ではないとの発想から、遊具を園庭の真ん中に配置し、園児の自主的で活発な活動を援助しています。また、園舎の東側及び裏側は、野原感覚で自由に草花を摘み虫採りを楽しむ場になっています。年少から年長まで冒険心をかき立てるスペースとなっています。畑もあり秋には芋掘りを実施しています。
・ 学園:同一敷地内(別棟)に宇都宮海星女子学院中学校と同高等学校があります。中高の学生との交流や、体育館や小ホールの利用なども随時おこなっております。特に校庭にはよく散歩等にでかけています。勿論園外保育も行っていますが、わざわざ園外にいかなくても、広々とした校庭でたっぷり自然に接し、自由に伸び伸びと遊ぶことができます。また、園外保育と違って、担任一人でクラス全員を、特別な準備をせずに連れていける利点もあり、園児のニーズに即応できるともいえます。
・ 保護者会:幼稚園と連携して、より良い環境と保育を構成し、園児の健全な育成に寄与していただいている保護者会にあたる組織です。入園式、母の日、父の日、運動会、バザー、遊戯会、卒園式等の行事を中心に支援いただいています。参加行事類は月1回程度ですが、園としては担任や園との連携のためにも、最低でも行事以外に月に1〜2回は園に足を運んでいただければと考えています。
百聞は一見にしかず!
どうぞご見学にきてください
![]() |