飴色についてねちねち

 知り合いの方のサイトをみていたら、その方のスタンスによる飴色についての考察があって、おもしろかったので、ぼくもまねしてぼくのスタンスで語ってみることにします。この問題は、ゼロ戦のプラモを作る人にとって、とても悩ましい問題ですね。


「飴色」という字面からわれわれはいろいろな飴を思いだしますが、ぼくは当時の「飴」といったらベッコウ飴の色だと思います。または飴湯(生姜湯)。たばこの脂がかかったみたいな色。というわけで、ニスのような色のかかった色。
 有名な野原茂先生の飴色説のもとになったレポートは学研の零戦の本にでましたが、あれを見るまではレポートの作成者が見本の一機の状態を指して「飴色がかりたる灰色」という描写的表現をしたのを、先生が公式なカラー名であるかのように見せかけようと作為をもって引用、固執してるのかとおもってたらおおまちがいで、本当にその機体の色を「現用飴色」(「飴色がかりたる」と書いてあるのは最初の1回だけ)と呼んじゃっていて、びっくりさせられます。J3は灰色と書いてあるです。 零戦て、ホントにあんな色なんだろうか・・・
などとおもっていたら、匿名ですがヤフーの掲示板におもしろい投稿(ホビー > 模型 > 零戦の色が飴色だと思う人、手を挙げて >の119番の投稿)があって、これがまた妙にリアルだったのです。(もうご存知かもしれませんが・・)
 ツートンカラーの11型の前半分は滑り止めのために炭を混ぜた塗料を塗っていたが命令でやめたという証言もすばらしいけれど、「妙にリアル」なのは『「ワニスじゃと?、あぁ・・たしかに、各部隊や、海軍の徴収所で、なにやら亜麻仁油や、酒油を塗ってた機体も幾つかおったな」』というくだりで、亜麻仁油は木材にしみこませて乾かしての防水に使う黄褐色の油で、これは今まで木製機整備用に前線にはストックがたくさんあったと思われ、とりあえず防水/ツヤ出しに使ってしまっていたのかもしれないと思わせる説得力があって、かりにこれがマニアの人の推理による仮説を証言にしたてた「ネタ」であるにしても充分説得力があると思いました。つづきでは一部の機体は青磁のような灰色になったという証言もされていて・・・この色は「爆下に描く」のスケッチに近い・・・で、それらを前提に、ぼくは一部の暗い色の機体については喫煙室に置き去りにされた灰色の零戦みたいのを連想して、これが暗い色のゼロ戦の色だと思っているわけです。

 さらにこないだ学研からでた一式陸攻の本の34ページにおもしろい記述がありました。陸攻には機体外板保護のために透明塗料がかけられていたが、この『ち-四九』第2種は変色するので使うなということが書いてあるそうで、この塗料の変色というのが赤黄色系であれば、文字通り、「飴色がかりたる」になるかもしれませんね。 で、この塗料もストックが多かったようで、ずっと使用は継続されたようです。
 というわけで、いろいろな経過によっていろいろな「飴色」がかってしまった零戦があったのではと思っているので、これからいろんな色のゼロ戦を作ってみたいです。

 また、「ワニス」というと、「そんな木に使うような塗料を金属機に塗るわけがない」と拒絶される方もいらっしゃいますが、たぶん、現場では透明ならなんでも「ニス」と呼んでとりあえず補修の際に塗ったり表面ツヤ出しに使ったたんではないでしょうか。

以上、半分妄想交じりにとりとめもなく書いてしまいました。

 零戦、いろんな色で塗って作ってみたいです。でも、あんまり濃い「飴色」はイヤ。


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