2006年はじめ、世間をにぎわせたニュースといえばライブドアスキャンダル。

マスコミでは中心人物の堀江氏を叩くことがブーム化し、投機テクニックを虚業と言い切るすごいひとまであらわれて(あれが虚業ならテレビ広告業界なんて超虚業だっての。はっきしいって、自分に無い智慧と度胸を使って「合法的に」勝負して大儲けしてる人への妬みだよね。)、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い状態。ブームだからとりあえず叩いとけみたいな。その熱狂ぶりは実際に堀江氏が犯した法律上の罪が見えなくなってしまうほど。(有価証券報告書の虚偽記載?罪の重さ重大さで言えば、細川内閣ができるきっかけの選挙のときに55年体制打破とかいってテレビ朝日が倒閣のための世論誘導偏向報道・・・当時の野党のためのプロパガンダ・・・を組織ぐるみでやったことの方が日本民主主義社会への直接的な脅威だと思うんですが、それ以上に叩いてますね。まるで彼がすべての人類の敵であるかのよう。)

この堀江叩きブームに乗って、野党は前年堀江氏が自民党から立候補していたために与党叩きの絶好の材料として利用しようとしました。無能で揚げ足取りしかできない民主党にとっては絶好のチャンスに見えたのでしょう。

そんな中で衆院予算委員会に民主党の永田寿康衆議院議員が持ちだしたのが「@堀江」名の謎の送金指示メール。これは賄賂であると。しかしこれが全く裏付けのとれていない、証拠として不完全なシロモノであるといいます。人の人生を左右しかねないスキャンダル疑惑の、こういった重要な証拠は、本当に慎重に裏付けをとらなければ公表していいものではない。疑わしきは罰せずという原則を守るのがタテマエの我が社会を代表する国会議員のしていいことではない。これと同じことを検察がやったならまさしく罪のでっちあげ、冤罪、戦時の思想警察への逆もどり、ファシズムと非難されるような性質のもので、このような不完全な疑惑追及を第二政党の民主党が公に認めていたのであるから民主主義の危機であります。拉致事件並に恐ろしいことです。

民主党は政権をとるためには与党をひたすら貶め、架空の罪をでっちあげ被せることもいとわないという姿勢を表明したようなもの。そんな政党が政権をとったなら、政権維持のためには野党に対してかつて与党に対してやったことをまた実行するでしょう。政権を脅かすものにはでっちあげた罪を着せてでも貶め排除する。これはまさしくあの恐怖政治の図式ではありませんか。

永田代議士の普段の行動を見ると、どうも彼は辻正信のような、名声欲は強いけど芯はなくハッタリで誤魔化すタイプで、こういった人物は目上に調子いいこと言ってゴマをすり、目下には厳しい。そして自称有能な自分象を演出することに酔っていて、そのイメージに都合のいい情報にしか聞く耳もたないという特徴があるように思えます。ぼくがそうなりがちだからその心理は良くわかる。これは権力もたすと危険なタイプ。管理職にすると会社を潰します。少なくとも潰す芽を作ります。

民主党は、こういった「党のために一生懸命頑張ってる若者」の失敗を叱ると萎縮して質問できなくなるとかいう理由で永田代議士の議員辞職を止めましたが、これはとんでもない。人の人生を左右するような告発をするときは、自分の議員生命を賭けるべきです。そのくらいの気魄と覚悟がなくて、目立っていい気持ちになろうという軽薄な下心だけで他人を貶めようというその姿勢は、国民の代表として国を経営する国会議員として税金で喰っていく器ではありません。党の名と信用を傷付けたのだから断固とした処分をくだすべきです。内輪で傷の舐めあいやっても印象は良くなりません。政権とってもそういう内輪に甘いダラダラをやるつもりでしょうか。かつての日本陸海軍のように。

民主党は政権をとりたいなら自浄すべきです。するべきことは揚げ足取りではなく、未来の見える国家経営の方針を立て、広報し、国民に確実な選択肢が一個ではないという安心感をもたせることです。中国に媚びることじゃない。日本じゃなく中国で議席とりたいんでしょうか?

国会の質問も、たとえば与党の政策に対して「ウチならこうするだろうし、国民のためならそうすべきじゃないの?」という意見ならわかる。それならたとえ方向のちがう意見でも「ああ民主も真剣に政権獲ること考えてるな。」とか思うわけですが、彼らの追求は政策には全く関係ない汚職とか中国サマが怒ってらっしゃるとか政敵の人格のこき下ろしくらいで非常にレベルが低く、自民党の独裁が続くことを祈ってるんじゃないか、万年野党で給料と年金だけもらえるほうがラクとか思ってんじゃないだろうかと感じられるくらいです。こうかくと、さっき恐怖政治も辞さないくらい政権とりたがってるって書いてたじゃないかといわれるかもしれませんが、恐怖政治を行なうような政権は実は無気力無能経済オンチで、国民の支持を受けられないから恐怖政治じゃないと治まらないんだと申し上げておきましょう。

国民の税金をどう使うかの予算委員会で予算と関係ないことをあげつらって得意になるのはほんと勘弁してほしい。突っつくとこは予算案自体の中にいっぱいあると思うのに、そういう地道な勉強はつまらないからやらない、不勉強でみてもわかんないから、自分の頭でもわかるスキャンダルばかりあげつらう、予算案には実質ノータッチ。官僚はそれを薄ら笑いしてやり過ごせば実質ノーチェックで税金使い放題。それで増税とか、ほんと勘弁です。増税反対っていってるくせに、その内心はちっとも反対するつもりがない。エエカッコしいで口先で言ってるだけ。ほんと勘弁です。

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