ヘンシェル129の防弾板はリクライニングするのですが、その機構を教えてくれる資料はあまりありません。で、手持ちの資料から当て推量してみました。
参考文献:1)「ХЕНШЕЛЬ Hs129」(ВОЁНА В ВОЗДУХЕ No.17)、2)「Henschel Hs129」(MBI)、3)「Samolot szturmowy Henschel Hs129」(ベネディクト・ケムプスキ著/TYPY BRONI i UZBROJENIA 214)、4)「ヘンシェル Hs129の検証#5」(国江隆夫著/航空ファン2000年7月号)、5)「COCKPIT Profile#6」(FLUGZEUG Publikations) コックピットの基本構成はこんな↓感じ。 機首のパイロット後部の防弾板より前の部分は鋼鉄板金のカプセルとなっていて、20ミリ機関砲のチューブなどで機体本体と結合されています。図中(?)とついてる部分はぼくの頭に突如デンパが来て役割を啓示された部分です。また、床板はたぶん座席直前で上方に折り曲げられた半円形の板として終わっていると思われます。「金隠しアーマー」に見えないこともないですが、装甲カプセルの中でここだけダブって防御というのも不自然ですし・・・ で、キャノピーが開いたあと、パイロットは頭の後の防弾板右後に手を回してそこにあるレバー(図示してません)を押し下げるとロックが外れて防弾板が後ろに倒れます。座席の上についた背もたれも後ろに倒れます。防弾板の中ほどを胴体にあるたぶんバネで常時上に力のかかったラッチ=防弾板くわえ-がくわえていますがこれはあくまで位置決めと見ました。 国江氏の解説ではこのラッチもなんらかの装置の操作で動作すると書かれていますが、ぼくはあえてロックは防弾板背後のレバーとカンヌキのみで行なっていると見ました。 防弾板可動部のヒンジは、座席の高さを変更するための上部補助アームの胴体側ヒンジと共通の金具で、この金具はコックピットカプセルの後部バルクヘッドを兼ねる下部防弾板にネジ止めされているようです。1)〜3)の資料の側面からの内部図解では、座席位置決めアームが主胴体の前端に取り付けられているよう描かれていますが、これは間違いでしょう。同じ資料の座席のイラストと国江氏の記事の「図16」から見ればこれは明らかです。 防弾板背後の2本のワイヤーですが、これは不時着時とか被弾時に防弾板が前に倒れてパイロットをつぶさないためのストッパーと見ました。どことも連動はしないんじゃないんでしょうか。なぜなら、防弾板に肩バンドがついているので、意図ぜずどこかの動きと連動して防弾板が後に倒れた場合にパイロットの肩と腰が危ないんじゃないかなと思うので。 座席の高さ調節機構はちょっとよくわかりませんでした。座席といえば、写真とかをよく見るとなんか継ぎ目みたいのが見えるので、ここも曲がるのかなと思って作図してみたけど意味ありませんでした。↓やっぱり2分割でいいみたい・・・トホホ・・・ ついでに、デンパがきたのでキャノピの緊急解放システムを当て推量してみました。3)の資料にコックピットのキャノピ左下のレバーについて、「23- uchwyt dzwigni odsuwanej osゥony kabiny,」(「ゥ」は「l」に横棒の「エウ」、意味は前から:ハンドル・てこ・スライド・覆う+キャビン=キャノピ)で、キャノピレール前方の筒について「18- blokada odsuwanej do tyゥu osゥony kabiny,」(封鎖・スライド・〜へ・後・キャノピ」と説明してあり、これの後端はキャノピのスライドレールに結合されてます。2)の資料のp39の上の不時着したと思われる残骸状態のコックピットの写真の件の筒は後が脱落してほんとにただの筒になっちゃってます。スポッと外れたみたいに。その後のレールはどこかに消えています。筒自体はしっかりと食いついて残っています。ので、ひょっとしてこれらがキャノピ緊急解放システムなのかなと思ったわけで、まあ、素人の無謀なデンパだと思っておつきあいくださいね。 5)の資料の19ページの写真では、筒の前方に作動ケーブルとおぼしき物が伸びているのが見えます。筒前方の台形の二枚の板金の間にはなにかの金具とそれを後下方に押さえるような向きの巻ヒゲバネのらしきものが見えます。件のレバーはキャノピが開いた状態ですが上位置になってます。2)の資料のp39の上の写真では下に引き下げられています。 ので、レバーを引っ張り下ろすと左右舷のパイプの頭のケーブルを引っ張って、なんらかのロックが外れ、パイプ内に圧縮されていた空気または機械のバネ(火薬は位置的に危険な気がします)が解放され、キャノピの胴体側スライドレールを後に引きはがしてキャノピがとれるという構造を考えてみました。 ううん、やっぱりウソ臭い。ほんとはどーなんでしょ・・・ |
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