ミッドナイト・エスクプレス

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ストーリー
   

1970年イスタンブール空港。アメリカの青年ビリー・ヘイズは、麻薬であるハシシ密輸の罪で官憲に逮捕された。
以来4年間、想像を絶する刑務所生活が続く事になった。

当時 中東ではゲリラによる爆弾テロが相次ぎ、国際情勢は緊張の度を増していた。
ニクソン政情下のアメリカは、中東諸国との関係を悪化させ、ためにトルコは、麻薬取締りを強化し 汚名挽回につとめようとしていた。
そうした険悪な政治情勢の中で、たまたまビリーは、2キロのハシシを身に付け、アメリカへ運び出そうとしたのである。

言葉も通じぬ係員たちの前で、全裸にされて拷問をうけるビリー
売人逮捕の協力を依頼され、売人逮捕のスキに逃亡を企てるが 捕まってしまう。

やがてビリーは、セイガミルカー刑務所に移された。
看守長の体罰、辱め この時から ビリーは、事態が容易ない事を悟った。
単なるハシシ密輸の罪なのに 重罪人のように扱われる自分、きわめて厳しい刑務所の掟。
欧米人の理解を超えるどす黒い狂気のようなものが渦巻いている。途方もない恐怖と孤独感がビリーを襲った。

   

傷ついたビリーを看病してくれたジミーとエリック。
ジミーは言った。「この刑務所に入れられたら、半病人になるか、ミッドナイト・エクスプレスに乗るかのどちらかだ」
ミッドナイト・エクスプレス=脱獄の事である。

合衆国領事館の手を借りて ビリーの父親が当局に掛け合い裁判が行われた。
緊迫した国際情勢の中、検察側の求刑は終身刑、結果 4年の刑となった。
4年足らずの刑であっても、たえられそうもない年月であった。

ある時 ジミーが刑務所の屋根伝いに脱獄をはかり 捕らえられ拷問を受け、ヘルニアにかかり 睾丸までつぶされてしまう。

3年余の月日、耐えがたい苦痛と孤独と屈辱の日々。
しかし 刑期が終るのを心待ちに、ひたすら模範囚としてつとめあげた。
刑期もあと53日と迫ったある日、ついにビリーに呼び出しがかかった。
やっと この地獄から抜け出せる!!と喜んだのも束の間、裁判のやり直しのニュース。
結果 刑期30年という判決を言い渡された。
祖国アメリカにも見放された。国際政治の駆け引きという、目に見えぬ糸であやつられた最初のいけにえであった。

ついにビリーは 脱獄を決意。ビリーとジミー、マックスで地下壕の入り口を発見したのだか
密告屋のよって 告げ口され ジミーは、1人で脱獄計画の責めを負った。
今回は 彼も生きて戻れない、ビリーとマックスは 密告屋の隠し金を灰にしてしまった。
密告屋のワナにかかり マックスも拷問の為に連れ去られた。。
怒りと絶望で発狂状態になったビリーは 密告屋におどりかかり その口に自らの口をねじ込み、
密告屋の舌を食いちぎった。

 精神病棟に放り込まれたビリーは、いまや廃人と化したマックスと再会した。





そして ある日、恋人のスーザンがビリーを訪れた。
伸び放題の髪が やつれた顔を被い、両眼だけギラギラとひからせているビリー。
そんな彼が 面会所で自分を裸にさせ オナニーに熱中するのを見て、スーザンは、熱い涙を流した。
「もう、自分以外の誰も信じては、ダメよ。何としてもココから出るのよ!」


その言葉通りに 1975年のある日、ついにビリーは ミッドナイト・エクスプレスに乗った。

マルタ島ロケ
実存する刑務所での撮影は もちろん不可能。
セント・エルモ城砦の兵営を 当時2万五千ドルをかけて 刑務所風の小部屋(独房)が作られた。
映画のほとんどの部分は そこで撮影された。