スタッフ
製作・監督  ジョージ・スチーブンス
原作      ジャック・シェーファー
脚色      A・B・ガズリー・Jr
追加台詞   ジャック・シャー
撮影監督   ロイヤル グリグス
編集      ウィリアム・ホーンベック
音楽      ビクター・ヤング

キャスト
シェーン        アラン・ラッド
ジョー・スターレッド バン・ヘフリン
マリアン        ジーン・アーサー
ジョーイ        ブランドン・デ・ワイルド
ウィルスン      ジャック・パランス
クリス         ベン・ジョンスン
ルイス    エドガー・ブキャナン
ライカー   エミール・メイヤー 

   

   


ストーリー
 はるか向うにそびえ立つ青い山々の姿が残っている雪の白さと共に鮮やかに眼にうつる。
ワイオミングの高原も今は夏、草木の緑のいよいよ爽やかな季節である。
 この草原の とある川のほとりで遊んでる鹿を 至近距離の銃口が狙っていた。
といっても 実はジョーイという小さな男の子が持たされていた 弾の入っていない猟銃である。
子供は撃ってみたくてしかたがなかったのだろう・・・。
 一見のどかな、そんな風景の裏には、然し 住人同士の争いが続けられていた。
東部から移住してくる開拓民が増えるにつれ、古くからこの土地に住んでいる牧場主ライカーは、
牛を放し飼いにする場所に窮して、彼らを追い立てにかかったからだ。1890年の事である。
 不意に鹿が飛び跳ねた。と、とのむこうから 馬に乗った男がやってくるので 少年はその事を
父親のジョー・スターレッドに告げた。
北へ行く途中だと言うその男は、いちぎんに一杯の水をもとめた。
一分のすきもないいでたちで 態度も落ち着いていたが 子供がカチリと銃を鳴らすと さっと身をかがめて
ピストルを構えたりする、不思議な鋭さを秘めたその男は シェーンと名乗った。
 晩の食事にひきとめられ ジョーに事情を聞かされたシェーンは 妻のマリアンと3人暮らしの開拓民ジョー
の小屋に足を留める事にした。
 けれど 町の酒場でライカーの子分クリスに喧嘩を売られた時 彼は敢えて取り合わなかったので
逆にライカー一味からつけこまれる結果となった。
移住民たちはますますひどくなるいやがらせに対して策を講じる為ジョーの家に集まったが
なかにはジョーがシェーンをおいておくことを責める者まで出る始末であった。
 ある日 ジョーの一家と共に町に出かけたシェーンは みんなが買い物をしている間に 酒場に入った。
すると 居合わせ入ったクリスがまたもからんで来た。シェーンを百姓だと思い込んで あいつは豚臭いから
追い出せと酒場の親父に言いつけたのである。
今度はシェーンも引き下がらなかった。2杯のウィスキーを両手に持つや クリスの胸から顔へとぶっかけ、
すかさず鉄拳を加えた。すさまじい乱闘が始まった。
ライカーの一味が総がかりでシェーンを倒そうとしたとき ジョーが加勢に入って群がる相手を叩きのめした。

 ところで ライカー一味も そのまま黙っていなかった。ウィルソンという名うての殺し屋を雇ったのである。
早撃ちで知られている彼は 拳銃を抜く前に 静かに黒い手袋をはめ 
あっという間に一人の農民を血祭りにあげてみせた。
このことを 聞くに及んで 開拓者たちは 他の土地に移ろうと慌てるのであった。
 この土地は もともと俺たちが拓いたのだ。農場を開け渡して 俺のところで働いたらどうだ?
というライナーの挑戦に対し 今こそ立ち向かわねばならぬと覚悟をきめたジョーは単身、敵地に乗り込もうとした。
しかし 殺されるに決まっていると 妻のマリアンが止めた。シェーンも止めた。
遂には言い争いが殴り合いになり シェーンはジョーを気絶させて マリアンに別れをつげて 馬を走らせた。
替わりに対決に向かった・・・
 夜道を走り続けて シェーンの後を追ってきたジョーイは 戸口で成り行きを見守っていた。
シェーンとウィルスンが向かい合った。
二言三言 言い合うと ウィルスンの黒い手がピストルを抜いた。
しかし シェーンのピストルは既に火を吹いた。
ほとんど同時に部屋の隅からシェーンを撃とうとしたライカーも 素早く放ったシェーンの2発目で倒れた。
一瞬にして 勝負は決した。
悠々と引き上げようとするシェーンの背後を バルコニーの上からライカーの弟が狙っていた。
「あぶない!」
ジョーイの叫びに 身をかがめたシェーンが振り向きざま、射ち込んだ1弾で あえなくライカーの弟も欄干もろとも
転落した。 すべてが終った。
 シェーンは事も無げに馬にのると「シェーン!カムバック」と呼び続けるジョーイの声のこだまする、
夜明け前の山間の薄明かりの中に姿を消して行った・・・・・・