
通勤帰りの電車の中、品川から新聞を手に座席に座り、その日の仕事の疲れを癒す楽しみを満喫していたとき、目の前に立っていたそのオヤジはちょっかいを出してきた。
「おい、半分にたたんで読め!!」
ん? 何のことか分からなかった次の瞬間、手に持った新聞が大きく揺さぶられて事の次第に気がついた。
「にいさん、迷惑だから、半分にたたんで読めよ!!」
しかーし、通勤で新聞を読みなれている私はそれを半分にたたんで読むことに慣れており、当然そのときも自分の肩幅をも超えない幅に折りたたんで読んでいた。
ちらっと顔を見ると、40から45くらいの中肉中背のやや日焼けしたおやじだった。
あとで分かったことだが、そのオヤジは明治大学の土木工事で出かけていたが、行きに乗っていったバイクが、帰りは雨のために使えず、軽く一杯引っ掛けてからの電車帰りだった。
私は、混雑する電車の中でそのオヤジに関わりを持たれることを嫌い、無視することに決めた。と、
「おい、無視してるのかよ、おい、若いの!!」
そのうち、周辺にいる人に「最近の日本はこうなっちゃったんですかねー。あー、情けない。」
「いやね、このサラリーマンが新聞を広げて迷惑だから、注意してるんですよ。それなのにね、こいつは無視しやがる。」
「おい、おまえだよ、おまえ!!」
「サラリーマンでお前、頭だって良いんだろ!?」(←いやー、それほどでも(^^♪)
そしてまた新聞をつかみ、揺さぶってくる。
ふと、そのオヤジの顔を見上げた。(当然、この野郎、という表情で)
すると、「おい、なんだ、その顔は。何か文句でもあるなら言ってみろ!!」
繰り返しになるが、こんな状態が15分くらい続いていたのです。
オヤジが私に終始罵詈雑言を浴びせ、楽しいはずの新聞タイムを奪われ、記事も頭には入ってこず。私は怒りが頂点に上りつつも。。。
この最中、いろいろ考えていた。
(ここで反論したら、混雑した車内でかなり目立つし嫌だな。)
(あまり目も合わせないほうが良いな。)
(揉めると、雨だからと駅まで車で迎えに来てくれている嫁を待たせることになるな。)
(でも、すげえむかつくな、このオヤジ。)
(市川で乗り換えるから、その時にこのオヤジを連れ出すか。)
(市川駅前には、交番があるから、その反対側の自転車置き場なら暗くて誰もいなさそうだな。)
市川に着いたときも尚、そのオヤジは私に対していろいろ文句を言っていたようだが、私も下りたいので席を立ち、「一緒に下りろ」。
「おう、いいよ。」とオヤジ。
「ホームだと危ないから駅出るぞ」。
「危ないってどういうことだよ?」。
「いいから付いて来い」。
そういって、目的の自転車置き場までオヤジを先導すると、その目前でオヤジは「こりゃ、やくざもんか。あぶねえ」といって逃げようとした。
「おい!!」。そういうと、そのオヤジは一瞬立ち止まったので、手首をつかんで自転車置場へ。
暗がりの中、いきなりナニするのも何かと思い、オヤジを問い詰めた。
結局、新聞を広げていたことに関しては、最初にそれにかこつけてちょっかい(私に対する注意)を始めたので自分で収集がつかなくなり、ちょっかいを出し続けたとのこと。
新聞の読み方に関し、私に対する理不尽な注意だけで、ここまで人(私)に不快な思いをさせたことを、なぜそうしたのか理屈立てて説明してみろと問うても出来ないとのこと。
それを聞いてさらに頭に来、持っていた新聞で力いっぱいオヤジの腕をたたいた。
すると、「たすけてくれー!!暴力男だぁー。みんな、聞いてクレー!!」
続いて、「警察へ行こう」。おいおい、こんな下らん喧嘩、あきれられて、なだめられて終わるワイ。そうじゃなかったらこっちから警察に行ってるぞ。
このオヤジをなにする手段はないものかと考えた結果、このオヤジに先に手を出させよう。と考え、こちらがオヤジの人格を奪うような発言を繰り返した。(ああ、私も子供)
さらに、「ちょっと先にな○ってみろよ!!」とも。オヤジは出来ないと言い、結局相手にしていた自分や、な○り倒せなかった現実や、色々なものに腹が立ち、これ以上雨にぬれ続けるのもあほらしくなったため、オヤジをそこに置いて帰ることにした。
帰宅してからも、しばらく頭に来ていたが、今は楽しく振り返っています♪
どうするのが正解だったのでしょう?
戻る