銭湯帰りにふと夜空を見上げると、東京だけど満天の星空。「なんてキレイなんだろう♪」

二輪中型免許をとってまだそんなにたっていなかった頃であった事も手伝って、「よし、いくか!!」。
RZ-250Rに火を入れて、夜のミニツーリングに出かけました。夜とはいっても、もうすぐ12時になる頃でした。

よく走りに行っていた湾岸線R357を千葉方面に。本当は船橋あたりで引き返そうと思っていました。
でも、「館山まで1**Km」の道路標識を見るや、「この調子で道路が空いてれば、時速1**Km/hで行けば1時間♪」みたいなアホな調子で予定を変更しました。

途中、R357にて背後よりバイクの灯火が近づいてきます。こっちも負けじと、追いつかれないようにスロットルをひねります。
でも、夜で道が暗いし、路面もそんなに良くないし、なによりRZ250R限界付近の速度域での安定感、自分のテクとも相談すると、本当の全開はとても出来ず、あっという間に抜き去られてしまいました。「あいつ、何キロだしてんだ??」

でも、離されっぱなしもシャクなのでビームをハイにし、少しでも先の路面情報を得ながら涙ながらに追跡しました。そして信号で引っかかって両者並んだとき、「にいさん!!遠目にしてねえか?」と奴に話しかけられました。
その時点で、明らかに相手のが速いわけで、そんな奴に文句を言われたら素直に従わざるを得ず、再びロービームに変更しました。「少しでも先の路面状況」を得られなくなった私は素直に負けを認め、信号が青に変わってロケットのように飛び出していく奴を後ろから目で追うことだけしか出来ませんでした。

その後、気を取り直して、でも少なくとも時速1**Km/hで走らねば予定が変わってしまうという変な焦りもあって、それなりのペースで走り続けました。

ふとガソリンの残量を気にしてみると、とても行って帰るだけの量は残っていませんでしたが、なんだか入れるために止まる事がおっくうで出来ず、「なんとかなるっしょ」って感じでひたすら走りました。

房総半島の内房ラインを走り、金谷あたりの海岸線で、「この先道路崩落により迂回」の看板が出ていました。
ただでさえこの方面はそんなに道に詳しくないし、当然地図なんて持ってきてないし、やっぱり予定を変えて家に帰ろうかとも思いましたが、なんだか自分に負けるようで悔しく、バカな意地で続けて走る事にしました。当然、迂回路の次なる標識が出てくるでしょうから、きょろきょろしながら走りました。でも、いつまでたっても出てこなかった(気付かなかった)のです。
Uターンは意地でもしたくなかったので、そこから先はもう半分ヤケでした。

だんだん山深くなってきて、途中、ラブホ街がありました。
ちょっと街灯があったかと思うと、犬が出てきたりしてビビリました。
「ガソリン、大丈夫かな?」急に不安になってきました。
少なくとも、自分のヘッドライトで見えるもの意外は何も見えない山道を走っていました。
結構、そんなときに「死亡事故発生現場」や、「警察官の形の蛍光版」とかってビビリますね。気分は最高潮に達しました。そんなとき、

「ん? んんん?!  !!!!!  ひ、人だ (ToT)/~~~」

ヘッドライトで照らされた数十メートル先の道路沿いの斜面に、灰色の作業着を着てこちらを見て手を上げている白髪混じりのおじいさんが、まちがいなく!! 立っていました。

道は完全に山の中と思われるし、時間は2時だったか3時だったか、そんな時間でした。
私は、狭い幅の道ながらに、なるべくおじいさんから離れたラインで通り過ぎました。

バックミラーは見れませんでした。見ても真っ暗で何も映らないだろうけど。
後ろのシートにも乗られてはいないようでしたので、心臓バクバクながらにも少し安心しました。

「あれって、人間?それともおばけ??」
とにかく、一刻も早くその場から立ち去る為、文字通り一目散に走りました。

ふと気がつくと、山道は終わり、少し開けた道に出ました。
そして標識を見てビックリ。「鴨川。。。」

房総半島を横断してしまったのね。。。

もうヤケでした。とにかく館山を目指し、走りました。
そして、館山の砂浜に立ったときには、もうあたりは明るくなっていました。

帰ってから、友人Nに事の次第を話しました。彼は、友人仲間でも「霊感」が強い事で通っている人です。
彼:「なぜ、館山に行こうと思った?」
私:「なんとなく。。。キレイな夜空で気持ちよかったから。でも、最初は船橋のつもりだった。」
彼:「なぜ船橋から館山に?」
私:「なんとなく。。。」
彼:「予定していた道が崩落。で、迂回。」
私:「そう。」
彼:「呼ばれてたね。おじいさんに会ったのは呼ばれていたから。目的が無く、不自然になんとなくなんとなくで事を運ぶのはそういうケースが多い。気をつけてね。」
私:「!!」

みなさんも、目的が無くなんとなくが続くときは、呼ばれている過程かもしれません。気をつけましょう。




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