上州山の旅 2つの名山

 

秋も深まり、後一ヶ月も経つと雪のシーズンの季節となる。秋を楽しむ山行はこの一ヶ月が最後となるかもしれない、今年は少し紅葉の色づきが遅い様に感じていたが、日光白根山周辺はは素晴らしい紅葉だった。

11月3〜5日の計画について、徳島さんと、少し遠い山の相談をしていた。特別に百名山を目指した分けではないが、皇海山と、奥白根山へ行こうと言う事になった。上州だ。群馬には少し思い出がある。26年前に食べた上州名物のソースカツ丼だ。是非もう一度食べてみたいと思う。

3日朝、僕たちはJR多治見駅で待ち合わせた。この日、雲の垂れ込めるなか、中央高速自動車道から見る、中央・南のアルプスは全くその姿を観る事はなかった。岡谷I・Cで高速道路を下り、R142からR152に乗り継いで上田へ行く。上田で昼食後、R144からR145へ進み沼田へ入った。嬬恋村から長野原町は唐松の山吹色に染まった紅葉に感激をし、吾妻渓谷の前後では、山の山腹があちらこちらで壁になって切り立っている姿に驚いた。中でも丸く砲台状になって切り立っている山には目を見張るものがあった。近くのドライブインの名前に丸岩城と言う名前があったが...、天空の城を想わせる眺めだった。この日吾妻渓谷で、ダムに沈む前の渓谷を観賞して、少しの休憩をとった後、僕たちは宿泊地の丸沼へ向かった。

11/3(金)8:10多治見駅――中央高速道路岡谷I・C――上田――吾妻渓谷――沼田――16:50丸沼高原

 

(日光白根山) 2577.6m 晴れ

弥陀池から奥白根山

山頂から中善寺湖・男体山

男体山・大真名子山から女峰山

火打山・丸沼湖

上州武尊山

金精峠に雲が繋る

菅沼までは丸沼のペンションから、R120を走り、車で約20分のところにある。途中、丸沼からの登山口でもあり、冬にはスキー場にもなるゴンドラのある丸沼登山口を通り抜け、湖を左に見て進むと、間もなく大きな茶屋が右手に出てくる。此処が菅沼の登山口になる。茶屋の隣に大きな登山口の標識が立っているのでその奥に車を止める。準備を済まして早速登り出す事にした。出発点は標高1735mの地点で山頂迄の標高差は約840mだ。原っぱを少し歩くとやがて登り口に取付く。良く踏み固まって手入れされた登山道を標識に導かれながら樹間の中を1.5時間も歩くと木々も途切れて弥陀ヶ池に到着した。池から奥白根山は、前面に大きくそびえ立っていて、初めて其の勇姿を見せる。素晴らしい眺めだ。弥陀ヶ池の横に付けられた木道を通り抜けて尾根に取付くと、樹林限界を超え直ぐに岩魂となる。岩に付けられた赤いペンキをひろって40分、息の切れる頃に山頂に着いた。山頂に着いて驚いた。沢山の人である。丸沼から上がってくる登山者も多く、さながら朝の通勤ホームの様にごった返していた。僕たちは少し先に進んで休憩と食事をとる事にした。奥白根山は立派な岩峰で眺望は頗る良かった。東を見れば中禅寺湖・男体山・大真名子山・小真名子山・女峰山と続き、西を見れば火打山・尾瀬ヶ原・至仏山・上州武尊岳が峰を連ねている。南には明日の予定の皇海山も望める。遠くは富士山・北アルプスまでが展望できた。天気も上々で雲海を遥か下に見下ろして、素晴らしい展望を満喫して僕たちは、前白根山から五色山・金精山を廻って、沸上がって来る雲の中に入り、菅沼へ戻った。

11/4(土)7:00丸沼高原――7:20菅沼7:25――8:45弥陀池8:50――9:45白根山11:18――12:00五色沼避難小屋――12:30前白根山12:55――13:25五色山13:45――14:00湯元温泉分岐――14:20金精山14:45――15:15金精峠――15:55菅沼――老神温泉

 

(皇海山)2143.6m 晴れ

不動沢のコルから鋸岳を見る

樹林越しに見る皇海山

正面の皇海山まで後一息

稜線展望地から鋸岳方向

皇海山の山頂

 

老神温泉は、昔、赤城の神(へび)と日光男体山の神(むかで)とが、奥日光の戦場ヶ原で戦った時、赤城の神は弓矢にたおれ、今の老神温泉付近まで逃れてきた。そしてここで弓を立てると暑い湯が湧き出し、矢傷の手当てをしたと言う伝説があり、それが、この温泉の初まりの由来だそうだ。僕たちはこの老神温泉を宿泊地にして皇海山を登る事にした。皇海山を登るのに、この温泉地は適地だった。温泉街の北の外れにある吹割りの湯(温泉)の前の道を北に進み、栗原川の左岸を道なりに進めば皇海山の道標が出てくる。登山口迄の林道は長く砂利道の中、四駆で走っても50分はかかる距離だった。徐々に高度を上げていく中、林道半ばから素晴らしい紅葉に出会う事ができた。全山、唐松の樹が此処でも山吹色に染まっており、真っ赤に燃えているモミジにも出会う。谷底はかなりの深さがあるようで、山中の深さを感じる。水場を越して暫く進むといよいよ登山口に到着した。登山口にはログハウスの奇麗なトイレが建っていて直ぐに其れと分かる。此処で入山届けを出し準備を済まして、早速出発する事にした。

コースは沢沿いで、3.6Km(道標による)。まだ新しい道標が何ヶ所も設置されていて快適に登る事が出来る。低い笹の道と沢沿いを歩き、渡渉を何度か繰り返し進む。途中一ヶ所、分岐点でガレ場に出会うので注意して通過する。不動沢のコルにあがる急登に息を切らして登ると、庚申山からくる鋸岳が目の前に現れる。ここで休憩をとったのち皇海山の山頂を目指して稜線を登る。此処から山頂迄40分。2つ目の急登を稜線からの展望を楽しみながら行くと傾斜もそのうち緩くなり散策気分で歩いていると間もなく山頂についた。山頂の辺りに青銅の剣がさしてあるとの事だったが僕は見落としてしまった。山頂からの展望は、樹間越しだが昨日登った奥白根山が良く見える。火打山の眺めも良い。暫く休憩の後、下山をして、地元の”吹割りの湯”に入り帰路についた。

追伸

吹割りの湯でうどんを食べながら思い出した。上州名物ソースカツ丼を食べ忘れてしまった。

11/5(日)老神温泉7:25――7:45追貝――栗原林道8:45皇海橋9:00――10:20不動沢コル10:30――11:05皇海山11:40――不動沢コル――13:10皇海橋13:25――14:17吹き割の湯15:15――昭和IC――前橋IC――松井田妙義IC――佐久IC――岡谷IC――名古屋解散