中央アルプス南部・奥念丈岳・大島山

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2000年12/16日 (其の1)

中央アルプスも主稜線は、雪が白く被る季節になつた。今日は夕方から、中津川の某量販店の駐車場で東海白樺山岳会会長の西山氏と待ち合わせをしている。僕はこの日、中津川での仕事で午後3時には西山氏と集合できる予定でいたが仕事が2時間も延びてしまった為、やっとの事で会えたのは午後5時も過ぎた時間だった。此の侭、中央の南部に入りボタモチ平にテントを張るとの事で、夕食の食材(すき焼き)を買いだした。中央での二人だけの納会山行気分で4000円も具材を買ってしまったが少々多すぎた。とても二人では食べきれない量だった。

風越山

松川入山周辺の廃家屋

飯田市I・Cを降りて大平峠へ向かう。12月中旬を過ぎると、南木曾から飯田市間の大平峠を経由して通っている道は冬期通行止めになっている。飯田市側から入って行くとこの通行止めになっている道の手前で、右に分岐している松川林道に入っていく。道路は、舗装された立派な道が続くので快適に走る事ができる。この先林道は、西俣川沿いの林道と分かれる。分岐周辺には昭和四十年代に集団離村した廃家屋が残っている。僕たちはテント場となるボタモチ平を目指して西俣沢の方向へ向かった。ボタモチ平の約400m先には、昭和44年まで、蜂の巣小屋が沢沿いにあったそうだ。その年の台風で鉄砲水が起こりこの小屋は流されてしまったが、この小屋で宿泊中の、神戸の高校山岳部も巻き沿いをくい大きな事故になった所でもある。さすがに深夜ともなると寒さの厳しいものがある。テントを早々と張り、中でコンロの用意をすると僕たちはすき焼きをやりだした。鍋に3回も作り、腹一杯になるまで食い続けて就寝をした。

12/17日 晴れ後曇り後雨

翌日、松川林道へ戻りザザ沢のある終点まで車で入り、僕たちは松川入沢から御所平まで行こうと考えた。ところが沢の水量が予想以上に多く、沢の石岩上にも雪が被っているため、尾根から入ろうと変更。取付きに道らしき物があり其れを利用する。取付きの支尾根上部から大島山が良く見える。振り返れば、風越山も良く見える。動物の足跡も発見。野兎?。更に進んでみるが、ガレ・崩落の修復用、調査用の道の為だろうか、尾根筋に取付かない。何時まで立っても上に取付く見通しが立たない為、作業道から外れて笹を分けて上に登ろうと言う事になった。木々を掴み笹を掻いて喘ぎながら尾根上にでると、予想通りその先にはもう踏み後すらない。後は稜線上を密集する笹を掻き分け掻き分け、1732mのポイントまで進んだ。このピークから大島山・本高森山は目の前に見えていた。ピーク上で食事を取った後、その先の最鞍部まで降りて本高森山を仰いだが、予想以上に時間がかかってしまっていた為、ここで中止となった。大島山は、又の機会の楽しみに残すことにしよう。来年の夏、松川入の沢から入って御所平でテントを張って、小松沢から大島山へ行くのが良いかもしれない。今度は、沢の用意も十分にして着たいものだと、気持ちをほんの少しここに残して下山した。下山後は、時間に少しゆとりもあって、ゆっくりと湯に浸かり帰る事となった。

 

奥念丈岳向かう沢

与田切乗越しから奥念丈岳

 

薮漕ぎ。前方は念丈岳

御所平テントサイト

 

2001年9/22〜24 (其の2)

奥念丈岳と大島山のコースタイム

参加:西山・北折・志水

9/22

7:30本郷地下鉄駅前集合−−13:00飯田松川・ザ沢前、遡行開始−−15:40御所平テント場

9/23

6:50御所平テント場−−8:20(1800m)−−8:50右手70mの滝−−9:00二俣出合い右股入り−−9:40薮入り−−10:25与田切乗越10:35−−11:45奥念丈岳12:05−−12:43与田切乗越13:00−−13:25念丈岳13:35−−13:55与田切乗越14:00−−14:35二俣出合い14:45−−16:05御所平テント場

9/24

7:10御所平テント場・兎沢出合い−−7:20(2段4m滝)−−7:30(2段6m滝)−−7:45(4段10m舐め滝)−−右手25mの壁−−7:50(1800mポイント)二俣右手8m滝入り−−8:05(5mの滝3本)−−二俣左手4m滝入り−−8:20(1885mポイント)二俣左手入り−−4m滝連続3本−−8:40(10m滝)右岸バンドをトラバース−−9:10休憩9:20−−ガレ−−9:35(2115mポイント)薮入り−−10:15登山道−−10:45大島山11:00−−上沢の泉−−11:30昼食11:45−−12:30念丈岳12:35−−13:00与田切乗越−−13:15水場13:20−−13:40二俣出合い−−15:10御所平テント場15:30−−17:40飯田松川・ザ沢前、終了

[記録]

22日・中央アルプス南部の飯田松川から入って、ザ沢前から遡行開始。川の水量は結構有り、川を挟んで右に左に進む。途中2ケ所川のヘツリを通り2時間30分で御所平着。テントを張り初日は此処までとした。御所平と言う名前から、小高い草原状の平地を想像したが水量の少し少なくなった川の、流域内の平地のことで、増水時の利用は難しい。2日間で奥念場岳と、大島山・念丈岳を完了。

23日・飯田松川の本沢から奥念丈岳はゴーロ歩き中心で見るべきものは特になかったが、最後は背丈を越す薮に突入し与田切乗越しに上がる。乗越しから又、薮を掻き分け奥念丈岳に向かっていると、途中2人組みのメンバーに合う。飯田山岳会の羽場崎氏だ。赤布を付けて薮ルートの手入れをしているところだった。但し薮を刈っているのでは無いので、登山道は作られていないが、乗り越しから1時間程で奥念丈岳に登り、ピークを取れた喜びに満足をする。

24日・大島山・念丈岳は小松沢のもう一本奥にあたる兎沢から入る。兎沢の15本に及ぶ小滝群(最後は10m位)には皆、満足をする。快適に登り、高度をどんどん稼いで行く感覚が気持ち良い。とは言っても初心者程度で充分やれる沢ですが、最後、沢の終了点から大島山の登山道までは、薮を掻き分けて進む事になり、慎重に地図と方位を確認しながら進む必要がある・・・。念丈岳から大島山のルートは羽場崎さんにより、笹は刈り払われていて大変歩き安いものだったが、どちらも一日辺りが10時間に及ぶ行程と、沢後半の薮の突入でへとへとになり、足は切り傷だらけで、ボロボロになった。

ただ、朝・夜に焚いた焚き火はとても暖かくて、他のパーティーのいない静かな沢で楽しい3日間が過ごせたのは大変思い出深い物になった。