光岳山行 2591m 晴れ後曇り

2001年5月4日〜5日

4日ゴールデンウィークも後半になり、この連休期間中まだ山に入っていない僕は、午後10時、地下鉄本郷駅前にて水野さんと待ち合わせた。そのまま猿投グリーンロードから深夜の国道153号線を飯田へ北上、アップルロード沿いの、らーめん屋”一番星”でラーメンを食べて、153号線の、北座光寺の栄電社のある交差点を右折。山の奥深い中の一大構築物、有料トンネルかと間違う程の素晴らしい、「矢筈トンネル」を通り抜け152号線を上村に向かった。役場を越して南下する事、数十分。トンネルの手前を右折して日本のチロル村を通り抜ける。深夜の通過なのでその凄さにピンと来ないものがあるが、2000m級の山の、山腹に張り付いている家並みを観るとき何かしら凄いものを感じる。途中、石の崩落箇所が何ヶ所もあり注意して通り抜け、(車の腹をガツンとやってしまいました。ドック入りの予定)午前2時45分、易老渡着。仮眠を取り6時過ぎに起きる。おにぎりを頬張って7時に僕らは出発した。ガソリンタンクやラジエターにヒビが無いか、心配の種は尽きないけれどもうここまで来たら仕方ない。下山をしての楽しみに取っておこう、それでも車が動かず帰れなかったらどうしようかと思いつつ橋を渡り山の腹に取付く。

易老岳からイザルガ岳を見る

三吉平へ向かう尾根

光小屋

光岳山頂から

静高平

南アルプス南部主稜線展望

 

ジグザグにきれた道を登り尾根に上がると取付きから1時間30分で”面平”へ到着。汗を拭いて一休みをする。鳥の囀りも心地よく南アルプスの山の深さを感じながら、芽吹いてくる若葉にも気持ちの良さを感じる。1900mを越す頃から残雪も現われ、岩領の小コルから易老岳の山頂に着く頃には完全な雪山に様相を変える。易老岳の山頂はテント場に良い箇所があり何ヶ所も幕営をしている人達がいた。習慣とは怖い物で、山頂について最初にとった行動は山頂の標識を探す事だった。どうもこの山に山頂の標識はないようで中央部辺りの樹木に三本のテープが巻いてある、そこが山頂2354mの目印となっている様だが、登っている間には所々に目安となる標識があっただけに標識を思わず探してしまったのも仕方のない気がする。山頂は樹間の中で展望はほとんど望めないが、それでも僅かに聖岳が観えていた。

易老岳から光岳方向へ少し進んだ三吉ガレの斜面からのイザルガ岳の展望は見事に素晴らしく、易老岳山頂へテントを張っていたパーティーの人達が、「光岳は遠いなぁ」と話していた言葉が耳に残った。まだ3時間以上行程を残している。イザルガ岳の取付きにあたる三吉平までは稜線上の樹幹を這うように進み、最下部からは光岳手前の静高平までのルンゼを登る。イザルガ岳との分岐点を過ぎれば、晴れていれば光小屋が見える位置に着く。今回は、生憎にもガスに包まれ視界がきかないが静高平の雪原のトレースを忠実に進み、50m手前でやっと小屋が視界に入ってきた。

小屋は夏季期間中、営業小屋として使われているもので、とても奇麗な丸太組みのウッドハウスだ。冬期期間中は階段から2階に上がって入り、中もとても清潔な状態で使われている。何処の小屋でも同じだけれど今後、閉鎖期間中にも使わせてもらうためにも、ゴミを残さない奇麗な利用を心がけたいものだと思わずにはいられない。

5日、6時起床。7時までに朝食を済ませて待望の光岳山頂に登る。7時15分山頂到着。今年のゴールデンウィークは、この光岳だけのためにあったような気がした。晴天の中、光岳から北の南部稜線、赤石から聖岳・上河内岳・茶臼岳・易老岳・イザルガ岳の稜線がすっきりと見渡せる。静高平の雪原も何とも言えず美しい。今だ冬の中と言った感じすらする。生憎、遠くにわいている雲の為か、富士山を見る事は出来なかったが、山頂からの展望と、山頂煙草とを、十分に満喫をした。

帰途、イザルガ岳へも立ち寄り、360゜のパノラマを楽しんだのち、午後3時過ぎ、易老渡へ下山、無事終了した。