2002年9月21日夜半〜23日

西山・小川・出原・横田・志水(記)

河原歩き

前方に主稜を望む

滑滝

15mの滝

核心部の滝(ルート外)

滝中ビバーク

仙崖嶺山頂

2002年の白樺山岳会は主に中央アルプスの木曽側から奈良井川・幸ノ川・宝剣沢と幾つかの遡行をしてきた。9月に入ってからはケサ沢の計画が立てられ中央アルプスの山域の沢としてはこれが今年最後の計画になりそうだ。夜中に名古屋を出発した僕らは、国道19号線の須原の駅を越百山方向に入り、伊奈川ダムに車を進めた。伊奈川ダム奥の駐車場にテントを張り、少し寛いだ後に一同就寝。

翌22日は伊奈川林道を進みニワトリ沢へ午前8:00入渓する。ここで前日からのハードな仕事の影響で、体調の思わしくなくなった渡辺さんはテントで待機する事になった。渡辺さんとしばしの別れを告げてケサ沢に入った。僕らは暫くの間、平凡なゴーロを進みナメと5m位の滝を越すと又暫く沢はゴーロとなった。正面にはケサ沢上部から主稜線がはっきりと望める。南駒ケ岳へ突き上げる沢との分岐を過ぎると沢の斜度も厳しくなってF2からF6の小滝を越えて登っていく。眼前にF7,2段15mの滝が出てきた。休憩をとった後、水流に沿って2段の滝を越えて左股に入ったが行き止まりとなり、小川さんに確保をしてもらい左股出合いまで戻る。右股に入るとF8,8mのV+の滝が出てきた。左岸から空荷で取り付き、中段でハーケンを1本打って登る。更に進むとゴルジュの中で又、突き当たってしまった。正面が比較的取り付き易くみえたが、岩質が脆そうで、万が一にも岩を抱いて転がり落ちるのも痛い思いをするだけと、ここからも撤退をする。途中登れそうな所へシュリンゲを付けて降りたが、陽も暮れかかり午後6時になったところで中断。F8の滝の上でビバークをすることになった。

翌朝、今日は何が何でもピークを踏んで渡辺さんの待っている伊奈川ダムの駐車場へ戻らなくてはいけない。でないと遭難騒ぎにもなりかねないところだ。と、覚悟を決めてスタートをする。前日付けたチェッカーのところから草付きを登り、下部岩場の基部までワンピッチででる。そこから三ピッチで尾根を乗り越し隣の沢に出る。緩やかな沢に出て一同ホッとして休憩。そこから更に左の尾根に取り付き上部岩場に出る。そこを直上しチムニーを6m登って主稜線前衛のピークに着く。ピークの岩峰の隙間からは目指す主稜が見える。小川さんが30〜40分程先へ出て偵察に行く。踏み後とルートの確認をしたのち尾根沿いを右に左に乗り越えて、更に右手の沢の、最終上部の緩やかな斜面にでて休憩。沢を詰めて登りあがり、仙涯嶺山頂の直ぐ手前の主稜線ルート上へ午後1時15分に飛び出した。登山道に出たその瞬間、僕達は思わず大声を出して喜んでしまった。

山頂で充分休んだ後、午後1時40分南駒ヶ岳へ向かう。南駒ヶ岳山頂には午後3時到着。渡辺さんとの連絡もとれ、最後の食事をして下山をする。ニワトリ沢の登山道に着く頃には真っ暗になってしまったが、途中で渡辺さんの迎えを受けて無事終了する事が出来た。皆で、後で話し合ったことだが、僕たちはテント場にあった左手の沢に進まなかったことからルートを外した様だ。そのために少し苦労をする事になったが、仙涯嶺の山頂に登れた事は収穫だった。

ケサ沢遡行図