山行報告 

【一般山行】         小同心クラック 横岳 2829b

【冬期クライミング】

◆山行日 03年(H15)3月21日(金)・22日(土) 

◆天 候 21日 晴れ・22日 曇り

◆参加者 加藤・志水 

◆報 告 

冬のシーズンになると通年で小屋の営業がなされている八ヶ岳には、気軽にやって来られるのが嬉しい。今年もこの冬は二度目の八ヶ岳になるが、非力な中年登山を続けている僕の山行は、何時も山小屋を利用させて頂いて、どうにかこうにかと登山もやってこられた物を、今回は加藤さんの進めもあってテント泊で行うことになった。偉いこと(大変なこと)になったもんだ。鉱泉小屋のテント場で準備をしながらも小屋が恨めしく見えるのは、アルピニズムの欠落か?。テントの設営も終わり、焼き肉の美味に舌鼓を打ち、煙草の煙を八ヶ岳に飛ばして今日はおとなしく就寝を決め込んだ。

3月22日、朝6時、前日の夜半から雲行きも悪くなり、風雪になったら残念だけれど中止にしようと諦め半分でテントから顔を出すと、晴れてはいないが吹雪いているわけでもない。これなら出来るかもと気を取り直して7時過ぎにテントを出発する。小屋の前から硫黄岳方向に進み、大同心ルンゼから大同心稜を登る。しっかりとついたトレースを頼りに大同心基部までは一直線に登る。基部の手前に着くと樹林は終わり気持ちの良い雪稜を踏んで進む。大同心の下までは約1時間で着いた。所々にロープがフィックスしてあり大同心基部からは右に回り込むようにトラバースして右下の沢にでる。そこを横切ると小同心の基部に着くことができた。此処で僕はバイルを落としてきた事に気づいた。又やってしまった。でももう後の祭りだ。諦めきれない気持ちを残して、最初に加藤さんトップで1ピッチ45mの溝状の壁をを左上する。ホールドは比較的大きくて掴みやすい物が豊富にあった。続いて2ピッチ目も加藤さんが40mの直上の壁を登る。登り始めが少し嫌らしくクラックに体を押し込むとザックが岩に引っ掛かり動きにくくなってしまったが、そこを抜ければまた快適な登りを楽しむ事ができた。セルフビレイをとる場所は3ヶ所あったが、最初のビレイ点でセルフを取ると3ピッチに刻む事になるのでもう一つ上でビレイをとる事になり2ピッチで壁を登ったが、後ろからのガイド一行のパーティーに急っつかれ息を切らす。3ピッチ目は志水トップで10m程の簡単な登りの後、コンテで繋がり4ピッチ目の取付きまで進んだ。途中で腹が空いてきたところで昼食にする。最後の4ピッチ目30mは志水トップでガリー状の壁を登り、終了点の横岳の山頂に着いた。冬のクライミングルートとしての、1回目の山行が無事事故も無く終了することができた事にガイド一行のパーティーも含めて全員で握手。下山のルートはガイドさんからの進めもいただいて大同心稜を降りる事にした。大同心の基部に着くと、暫し雲表ルートのチェックをするがどう見ても今の僕には登れそうな気がしない。大同心の裏からのルートなら出来るかも知れないなどとと話しながら、休憩の後、僕らは赤岳鉱泉小屋へ下山した。【志水 龍雄 記】

地 図 1/2.5万図 八ヶ岳・別途トポ利用