【一般山行】 

【クラシックルート】           白馬岳主稜 2932b  

◆山行日 03年(H15)5月3日〜4日

◆天 候 晴れ

◆報 告 

全く今年になってから如何にかしてしまっている様だ。山に行く計画は少なくなってきているし、およそ中年親父の山行には相応しくない山域に入りだしているような気のしないでもないが、石尊稜・小同心クラックに続いて、今回は白馬岳主稜に登る事になった。少しばかりはクライミングにも馴染んで来たとは言うものの、軟弱な中年には少し度の過ぎた計画かもしれない。とは言へ、白馬岳の主稜、等というアルパインの入り口にも立つことができて、(本当は大雪渓からでも、白馬乗倉からでも僕は良かったが…)楽しいゴールデンウィークの登山になった。

五峰のピークから

杓子岳と大雪渓を撮る

朝焼け

山頂下の雪壁と主稜

 

2日、夜10時に加藤さんと土岐のインターチェンジで待ち合わせ、一路、白馬に向かって車を走らせる。深夜1時半頃に猿倉に着くと加藤さんのワゴンの中で直ぐにも寝る予定だったが、あれやこれやと酒に話しが弾み(僕は酒が飲めないのでジュース・菓子)3時過ぎに就寝となった。翌日、目が覚めたのは陽も高く登りだした7時だった。朝食を簡単に済まして早速出発をする。猿倉(1230m付近)からの歩き出しは林道で始まる。さすがに後立山連峰の山域だけあって林道周辺は今だ雪の中といったところだ。快晴の天気のなか、なだらかな道を1時間ほどで白馬尻に到着すると、眼前に映る大雪渓は圧巻で、白馬尻から山頂方向に大きく広がる大雪渓が素晴らしい。多くの登山者が鈴なりになって大雪渓を登って行く風景も又この時期の山の自然に溶け込んだ風情となっているようで楽しさを感じられずにはいられなかった。僕らはここから右手方向に進み八峰の取付きに入ったが、3時間余りの急登に息を切らせて、はやくも完全にバテ上がり八峰のピークでダウン。大休止の煙草も旨く感じないほど疲れきってしまった。とはいっても止まっていては前には進まない。加藤さんに先行してもらい五峰のピークで今日のねぐらを設営した。見上げれば白馬岳の主稜がだいぶ近くにに見えるところまで来ている。夜は加藤さん恒例の焼き肉パーティーに始まった。午後7時の名古屋渓稜会への定時連絡を済ました後は、加藤さんの酒・僕のコーヒーで話しも弾み、就寝は午後9時30分だった。初日はナイフエッジ状のルートも何ヶ所か通過をした。シュルンドもでており気持ちの悪いヶ所もあった。トレースは明瞭で、雪も腐っているところも随所にあったが全体にルートはしっかりしていた。ただ、ピークの登りのところ等は、雪が落ちて土の出ている個所や岩石がむき出しになっているところがあり、潅木に邪魔をされ登りにくいところも何ヶ所か出てきた。全体には危険個所も無く、ザイルで繋がる事も無く登れた。

翌日は、4時30分の起床。食事を済ませテントを畳んで6時に出発する。4峰・3峰でテントを張っていたパーティーは5時には出発していた様だ。今日も比較的天気は良さそうで、気圧の谷の接近で天気の崩れるのは夕方以降になりそうだが、僕の顔は雪焼けで更に磨きがかかりそうだ。ピークの辛い登りと痩せ尾根を乗り越して山頂下の最後のコルに着いたのは9時30分。ここで先行していた2つのパーティーが山頂に達するのを待ってザイルをだす。加藤さんTOPで登り出すが最後の5mが足らない。雪壁はガイド文の通り傾斜は60度程はあるようにも見えたが、ルートは良く踏み固まっており階段状になっていたので、コンテで5m程登り加藤さんが山頂に着く。続いて僕も山頂に着いて10時10分に終了した。山頂小屋では2時間以上のゆったりとした昼食を取った後に下山を開始する。大雪渓を尻セ−ドで下り、1時間で白馬尻に着いた。猿倉からは30分程で白馬温泉に向かい、ゆっくり汗を流して帰路についた。 【志水 龍雄 記】

以上

◆地 図 1/2.5万図 白馬岳