中央アルプス与田切川支流

ヤケガレ沢・黒覆山→イド沢下降

<行程>

8:50入渓〜14:10黒覆山山頂14:30〜15:00大笹峠・イド沢下降〜18:00終了

<参加者>

西山・小川・渡辺・志水 「記録」志水 龍雄

入渓点

(F1)5mの滝

(F2)3mの滝

(F3)6mの滝

(F4)5mの滝

(F5)6mの滝1

 

中央アルプス伊那側の中南部に位置する与田切川流域の中にあって日帰りで楽しめる沢がある。記録として書かれてあるのは30年も前のものになり渓相等は当てにならないが、黒覆山の山頂近くまで突き上げているもので、ピークハントを含めて2つの楽しみが味わえる所だ。加えてイド沢の下降にも新しい発見があった。

古く(30年程前)には、この先のシオジ平自然園からオンボロ沢に入り黒覆尾根から摺鉢窪カールにつながる登山道があった。摺鉢窪の崩壊が進み利用されなくなってからというもの記録らしい物もない。11年前にあった関西岩峰会の、3月の黒覆尾根から南駒ヶ岳を抜けて池山尾根を下る山行記録をみても、黒覆尾根ルートは廃道になっているものと思われる。

与田切川からヤケガレ沢に入渓して暫くはゴーロが続く。上流から土砂と岩石が押し出されて、昔の渓相は留めていないように思われた。3〜5mの小滝は何本か出てくるが、少し急な谷筋を遡行するといった感じだ。ところが1450mの中間点を越して沢も後半に入ると6m程の高さを持つ形の良い滝が出てくる。ここは水流の右手を登り、次に出てきた2段18mの滝は右手から左手にトラバースぎみに左上して中段にでる。そこから左岸を登り上にでた。続く2段15mの滝は、下部を右岸から登りテラスからは左岸を直上した。此れで滝らしいものは終了したが後半の遡行には満足の出来るものだった。そこからガレの見える手前を左手の薮の中に入り、支尾根から黒覆尾根へ抜けても踏み跡は全て消えていた。積雪期に使われたらしい色褪せたリボンだけが残っており、肩まで漬かる大笹を分けて黒覆山の東のピークまで行くと薮の中に三角点が隠れている。

(F5)6mの滝2

(F7)2段18m

(F8)2段15m

 * イド沢

与田切川支流のヤケガレ沢の取付きから更に下流部に行ったところに大きな堰堤があり、約200m程下ったところにイド沢の出合いがある。特に記録もない沢だが、入渓点から4ヶ所の堰堤を越して進む。赤いペンキと梯子やロープが備え付けられており沢筋を遡行する事ができる。沢は荒れた様子もなく大岩石の滑床や30m余の斜爆が美しい。更に奥へ進むと20mはある立派な滝に出合う。笹塚峠へ延びているが黒覆山までのルートは消えている。

奇麗な斜爆(イド沢)

見事な滝(ピンボケ)(イド沢)

 「感想」

6月8日以来の山行でとても楽しみにしていた。中央アルプスにやって来たのは何時以来だったかもう忘れてしまう程だが、もう8月も終わろうという時期になってやっと今年の沢始めが出来た。ところが入渓日になって身体が何となくふらつく。皆についていくのがやっとで、今回の日帰りの計画で10時間余も費やすとは思いもかけなかった。トップは終始小川さんに頼り何とか山頂まで行くことが出来た。イド沢の下降は小川さんからの提案で決まったが、これも良い沢を下る事が出来た。赤いペンキや梯子・ロープで道が付けられていて、登山道として昔から整備されていた様だ。斜爆や滑床、形の良い滝など、沢としてはこっちの方が良さそうだ。ただ大笹峠から先にルートはない。黒覆尾根が登山道だったのは昔の話になってしまった。

今年もやっと”中央アルプス遊び隊”がスタートした。幾つの山と沢に行けるか楽しみになって来た。