奥穂高岳南稜登攀(3190m

「行程」

 ●429日 午前1030 上高地発 〜 午後130 岳沢ヒュッテ着

 ●430日 午前510 岳沢ヒュッテ発 〜南稜取付き 〜トリコニー1峰・2峰・ 3峰 〜 午前1100 南稜の頭 午後1200 〜 午後1240 奥穂高岳山頂 〜 午後130奥穂高小屋着

 ●5月1日 午前穂高510 奥小屋発 〜 涸沢カール 〜 午前1130 上高地着

「参加」 山本・志水

「ルートグレイド」・V級

「参考資料」アルパインクライミング・山と渓谷社

 

まさか、本当に行けるとは思ってなかった。岳沢から前穂高岳や奥穂高岳を、重太郎新道をルートにして登ったことは何度かあったが、奥穂高岳南面の直登を行く日があるなんて、想いもしなかった。4月も終わりのゴールデンウィーク前半にかかる一週間前、山の本を開いていたら奥穂高南稜のルートガイドに目がいった。取り付きから78時間で南稜の頭に立てると書かれている。早速、山本さんに電話をしたら気持ちよく一発ОK

山に行くのも久しぶりだなーと思いつつ上高地着。河童橋を渡り岳沢筋を歩いていくと一面が雪の世界に変わる。3時間たっぷりかけて息も切らして岳沢の小屋に着く。以前5月の中旬頃に泊まったときは、客は僕一人だった。今回も小屋は空いているかと思ったが30人ぐらいの78パーティーがいた。結構いるもんだなー、とにかく疲れた。本当に疲れたと小屋でコーヒーを頼んで休憩。この日は小屋泊まりで此処まで。アーーッ、疲れた。

翌日4時過ぎに起床。頼んでおいた弁当を食べる。小屋の弁当はおにぎりが多い。諦め半分に中身を開けたら、おにぎりじゃない。焼き魚の切り身が入っているし玉子焼きも入っている。おいしく頂いて出発。小屋から取り付きまでネットの資料では23時間と書かれている物もあったが、何と取り付き迄40分位で着く。取り付きは岳沢の中にある大滝の100m程手前の左手の雪で埋もれたルンゼから入る。踏み込みがはっきりしていたのでノーザイルであがったが途中から雪が硬くなりピッケルをだす。最初のコルに出たら這松の中をよじ登り雪稜に出る。雪稜なんか嫌いだ。ただ疲れるだけじゃないかとグチグチ呟きながらやっとの思いでトリコニーの1峰の基部に着く。ガリーを上がり2峰へ。一段高い岩棚はリーチを活かして山本さんトップ。そこから短い壁をトラバースは志水、と思ったら一段下にルート有り。面倒くさいので其のまま続行する。脆い岩場からリッジを抜けて3峰に着く。お楽しみは此処まで。後はひたすら雪壁登り。左手の尾根と合流して壁面が広がる。これが一番嫌いなんだ。何でこんなに豪いんだ。疲れたー。ヒィー。山本さんはどうしてそんなに速いの、もう考える気も無くしてただ黙々と重い足を前へ・・・進まないぞー!!。必死の思いで1100南稜の頭。雪山はもうこれで卒業登山にするぞー。と一発叫んで1時間の大休止。何だぁー、6時間で着いたじゃないの。予定通り、いや予定より1時間は早いじゃないの。山本さん、参った。ブチブチ・・・卒業登山の一発は取り消しと言うことで宜しく。

奥穂高岳を抜けて午後1時半奥穂高小屋着。もう後はひたすらベンチでトカゲ。煙草が美味い。うどんが美味い。コーヒーが美味い。天気は快晴、最高の登攀日和でよかったなー。の3日間でした。

                         以上