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    出演作品の感想です。★の数が多いほど、「お勧め」です♪



記憶のはばたき

 幼なじみのサムとシルビー。兄弟のように仲良くふざけあっていた2人が、お互いに少しずつ意識しはじめた15歳の夏のある日。いつものように、2人で過ごしている川で、サムはシルビーを見失ってしまう。
 シルビーを失い悲観するサム。サムの父は悲しむ彼をかたくなに拒否する。だけれどシルビーの父は、「心が痛むのは成長の課程」であると、シルビーを弔う舟を作る作業を一緒にしないか、と誘います。シルビーのの父のようにすぐには気持ちを切り替えられないサムはそれには応えず、シルビーを失った悲しみも淋しさも、一切の気持ちを封印してしまったのでした。
 その事件から20年後、父の葬儀のために田舎に帰ったサム。(ガイ・ピアース)彼のの目の前に現れた記憶喪失の謎の女性ルビー。彼女は、サムとシルビーにしか知りえないさまざまなエピソードをサムに思い起こさせます。・・・果たして、彼女は、シルビーが思いを伝えるためにルビーの体を借りて現れたのでしょうか。今あの父の死をきっかけに、閉ざされたままの気持ちを解き放つためにサムが作り出した幻想だったのでしょうか。
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 少ない台詞とジェノバの田舎の風景。ひとつひとつのエピソードが言葉少なに淡々と描かれ、説明不足な感じがしますが、そのことでかえって観る度に違う心の景色が広がる不思議な映画です。ルビーをどのように解釈するのか、は観る人の自由。ところで、15歳のサム役の少年の、聡明な顔立ち、特に音的に挿入される眼差しのアップが、なんともきゅんときます。
★★★★★





ラビナス
 主人公ジョン・ボイド大尉(ガイ・ピアース)は、メキシコ=アメリカ戦争の最前線で生き延び、帰還を果たす。だが、将軍は彼を辺鄙な山へ放逐してしまった。そこでは、 数人のはみ出し兵士たちがこれといって目的のない生活を送っている。
 ある日、凍傷で死にかけている男を助ける。手当てと看護のかいあってコルホーン(ロバート・カーライル)と名乗る男は息を吹き返しそして恐るべき体験を語りだした。
 「6人で西を目指して旅に出たが、道に迷い食料がなくなるとお互いが殺し合い人肉を食べなければ生きていけなくなった。自分が殺される番となり、女性が一人残っていたが逃げ出してきた。」そのあと3ヶ月近くさまよってやっとここにたどり着いたというのだが。
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 ハンニバルをモチーフに、生き延びるようとする本能と人間の理性のせめぎあいを描いている、というと大袈裟でしょうか。音楽がやたらにコミカルで妙な雰囲気の作品です。主人公のボイド大尉が、最前線で生き延びたときに人肉の魔に触れてなお、理性でそれをコントロールしているのだととれば、ガイ様はカッコイイ主人公なのですが、人肉も食えない単なる腰抜け・・・・・ととれば、それはそれなりに音楽の意味もわかるような・・・。
★★★☆☆




プリシラ
 大都会シドニーのクラブでステージに立つ女装のショーガール、ミッチとバーナデットとフェリシア(ガイ・ピアース)。3人はリゾート地のホテル興行に出演するため「プリシラ号」と名づけたバスで砂漠の果てのアリス・スプリングスを目指します。道中、ミッチの秘密がわかったり、バーナデットの古傷に触れて喧嘩をになったり、ゲイと見破られて化け物扱いされたり。遭遇する幾多の困難(?)もたくましく乗り越え、アリス・スプリングスのホテルに到着!しかし、そこにはびっくりするような秘密が。
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 マトリックスにも出ている、あの俳優さんもオーストラリア出身。この作品でも大活躍、ゲイに生きる人たちって、なんでこんなにパワフルなんでしょうか、元気をもらえる作品です。サウンドトラックも買ってしまいました。
★★★★★





タイムマシン
 
1899年冬・ニューヨーク。大学で教鞭をとる若き科学者アレクサンダー・ハーデゲン(ガイ・ピアース)は、恋人のエマに結婚の申し込みをしようと決意し、近くの公園にエマを誘う。指輪を渡して結婚を申し込んだその時、強盗のピストルの引き金が引かれ、エマの胸に命中してしまう。雪の中に倒れたエマは、そのまま息を引き取った……。
 その日からアレクサンダーは、憑かれたように研究に没頭する。“あの日”に戻って過去を変えエマを失った運命の日に戻るのだ。
 だが、「過去に戻って細部を変えられたとしても、死という運命は避けられないのか……!?」。過去に戻ってもやはりエマは死んでしまう。であれば、科学の進んだ未来の世界でなら、エマを取り戻す術を学ぶことができるはずだ、と考えた彼が向かったのは、自分の時代から百数十年を経た世界だった。
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 映画館で観たときは、びっくりしました、前半と後半でお話が違う???だけれど、これは、原作がそうなのです。なんでガイさまはこんなにサル顔で汚いのーー???と、のっけからがっかりしてしまったくらいでしたが、だんだん素敵になっていくのです。タイムトラベルしている映像が、なんともいえずファンタジックです。
★★★★☆




月に願いを
 
TVの人気司会者ブレッド(ガイ・ピアース)と新聞社の科学ライターであるタッシュは性格は正反対。お互い自分にない魅力に惹かれてつきあいはじめたけれど、1年も経つと二人の中は険悪に……。とうとう破局も間近かと思われたある満月の晩、何故か二人の心と体が入れ替わってしまったからさあタイヘン!
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 プリシラでのゲイの役といい、この作品で女性に入れ替わった演技といい、なかなか色っぽく演技をするガイさまに釘付けです。タッシュ役の女優さんも、乗り移ってからのほうが生き生きしているのが、なんか、元気が出ますねー。
★★★★☆




モンテクリスト
 
1814年。商船ファラオン号の航海士エドモン・ダンテスとモンデーゴ伯爵の子息フェルナン・モンデーゴ(ガイ・ピアース)。境遇の違いを超え、生涯親友であることを誓い合う仲だった。 しかし・・・。
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 岩窟王の映画化。ガイさまははじめ、主人公エドモンのオファーがあったそうですが、あえて悪役であるフェルナン役をかってでたそうです。悪役のガイ様、なかなかのはまり役です。実はわたしは原作を知らないのですが、とっても長い物語だそう。そういえば、話の展開が速いなーと思う部分もありましたが、これだけの時間にこんな波乱万丈な物語を収めて、こんなに楽しめるお話にしてすごい!と思いました。
★★★★☆



メメント

10分前の記憶がなくなってしまう、そんな困難な状況でありながらも、彼はけっしてあきらめない。それは、愛する妻を殺した犯人をこの手で捕まえるため。こんなふうに「10分前の記憶がなくなってしまう」という状況におちいったのも、目の前で愛する妻を殺されてしまったから――。彼は、どんどん消えていく記憶を、時にはポラロイドカメラを使って、またある時は、自分の体に刺青をしてそしてそうやって情報を蓄積しつつ、愛する妻を殺した犯人に迫っていきます。

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 物語は、その憎い犯人に復讐をとげたところから徐々に時間をさかのぼっていく形で進んでいきます。うーむ、なるほど、10分前の記憶がなくなるって、こういうことね・・・・と、同情したくなるようなエピソードには、思わず「負けるな、レナード!」と応援したりして。しかし、「物語が終わった」とき、成就感よりもなにか<虚>が漂います。そうなんです、これは、「彼」にとっては、終わりがない物語。
観ている人も、きっと、真相はわからないまま。好きか嫌いか、とっても評価が分かれる作品です。
★★★★★
      

 2004.1.18暫定アップ 1.25メメント追加。