問題提起1

諸手当認定事務に未来はあるか?

 

 現在、地方公務員の給与については、「その職務と責任に応ずるものではなくてはならない」と規定し、「職務給」の原則をあげています。現在の地方公務員の給与は、「職務給」を基本として「生活給」の要素を加味したものとなっています。給与費配分の原則は、他に「能率給」「年功給」「生活給」などの考え方もあり、民間では「年功給」的な考え方から「能率給」を加味した考え方に変わってきています。

 企業における「能率給」の導入は、これまでのように「企業が労働者の家族の面倒をみる」体力がなくなってきたことを示し、実質的にも扶養手当、住居手当といった「生活給」的な要素さえも企業が肩代わりできなくなりつつあることを示しています。

 さらに、女性の社会進出を妨げてきた税制上の優遇措置(103万円の壁など)や、年金上の優遇措置(第3号被保険者)を撤廃しようという気運が高まり、社会においても家庭においても男女共同参画が実態あるものとなってくれば、職務の特性にかかわる手当ては充実する方向にあっても、「生活給」は消滅すると考えていくのが妥当でしょう。

 そのような前提で考えていったとき、学校の現場に「諸手当認定事務」が果たしていつまで残るでしょうか。

 かつての「資金前渡職員」が給与の口座振替の導入とともに名前だけのものとなった現在、「諸手当認定権」が、将来に渡って有用な権限であるとは到底思えないのです。

 

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