【Si(100)再配列表面の反射高速電子線回折像】
Si(100) 表面はSiGeの低温エピタキシャル成長によく用いられ、その表面構造の変化を反射高速電子線回折(RHEED; Reflection High-Energy Electron Diffraction)により評価することができる。数10kVから100kVで加速された電子の波長は0.01nm以下となり、結晶中の原子間隔より はるかに小さいため、原子配列の周期構造を反映した干渉パターンを観測することができるためである。
まず最初に、特に平坦度が高くないSi(100)表面のRHEED像を以下に示す。Si結晶試料は、フッ酸水溶液に浸漬して自然酸化膜を除去後に超純水で水洗してRHEED装置にセットし、回折像を撮影した。最表面Si原子が水素終端されて安定であると考えられている。この場合、加速電圧20kV、電子線入射角約2o、カメラ長22cmで撮影したものである。
次に示すのは、特に平坦度の高いSi(100)表面のRHEED像である。Si結晶試料は、高清浄減圧気相成長装置によりSi(100)面基板上にSi薄膜をエピタキシャル成長させて製作した。原料ガスとしてSiH4を用いて800℃でSi成長を行い、Si成長後は水素雰囲気中で室温まで冷却した。その後、基板を大気中に3時間放置した後に、RHEED装置にセットし、回折像を撮影した。この場合、加速電圧100kV、電子線入射角約0.4o、カメラ長33.7cmで撮影した。
(a) [001]方向から電子線を入射させた時のRHEED像。
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(b) [011]方向から電子線を入射させた時のRHEED像。
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(c) (b)のRHEED像の0次Laue Zone付近を見やすくしたもの。
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