全データ一括管理へのUSBメモリ活 用における顛末記


 2008年末頃より全データ一括管理に大容量USBフラッシュメモリを活用して きましたが、最近(2010年6月)、トラブル発生により方針転換せざるを得なくなりました。その顛末とそれに関わる個人的見解をメモしておきます。


【まず伝えたいこと (極論すぎるかもしれませんが)】
 もし大事なデータだと思うのであれば、「フラッシュメモリは今すぐにでも壊れるかもし れない」と覚悟しておいた方が無難。したがって、複数のメディア・デバイスにこまめにバックアップを作って十二分に対策しておくことをおすすめいたしま す。もちろん、他のメディア・デバイスの特性にも注意した上で。


【根拠】
 USBメモリなどのフラッシュメモリの実質耐用年数は、5〜10年以内と考えるのが妥 当との見方があります。特に、フラッシュメモリデバイスの最大書換可能回数がせいぜい数千回程度であることから、HDDのようにヘビーに使用していると1 年程度でも不良ビットが発生し始めてもおかしくないということのようです。その他、静電気やノイズなどへの耐性の低さが指摘されており、今後、大容量化 (素子微細化)が進むとともに耐性そのものが低下してくることは避けられないとの予測もあります。(だから、今後の技術革新が重要になってくると思いま す。)


【私の経験】
 16GB超のUSBメモリ複数台を作業用ドライブとして常用していましたが、最近(1 年半ほど経過)、そのうちの1台の読み出し速度が桁違いに低下し、実質的に使用不可能となりました。バックアップを数日おきに作っていたので被害はありま せんでしたが。よくよく思い出してみると、このUSBメモリは、購入直後に大容量ファイルをコピー中に読み出しエラーが発生して、ドライブとして認識され なくなり壊れたかなと思っていましたが、数ヵ月後にPCにつなぐと何事もなかったかのように再認識されたので、メーカ専用修復ツールでフォーマットし直し て再使用を始めたものです。おそらく、ドライブ情報記憶領域の近辺に静電気が直撃し、数ヶ月かかって放電し切ったものと想像しています。ここで重要なこと は、私が何か特別間違った使用をしたわけではないということです。


【関連する余談】
 上記のトラブルにともない、名刺サイズの薄型ポータブルHDD(120GB, 2台, USBバスパワータイプ)を使うこととしました。2台のうち1台はバックアップコピー専用。ところが、いざ2台をPCにつないで丸ごとコピーしようとした 所、ドライブエラーが頻発するので、いろいろ試した所、PC側でのUSBポートの電流容量超過が原因であることを突き止めました。ノートPC二台とデスク トップPC一台のいずれにおいても同じ現象が起きることも確認しました。すなわち、HDDそのものはバスパワー仕様で外部電源不要をアピールしていても、 2台同時使用となるとPC内でのUSB電流容量を超えてしまうということのようです。ポータブルHDDの消費電力はまだまだ大きいことを忘れてはいけない ということです。そして、この問題は、セルフパワー仕様のUSBハブ(もちろんACアダプタ使用)を経由すると解決できることも確認しました。


【個人的な暫定結論】
・フラッシュメモリの信頼性には今後も要注意で、長期安定使用という観点では、現時点で は悲観的にならざるを得ない。
  (寸法と消費電力が小さいことは非常に魅力的なのですが。)
・ポータブルHDDの信頼性は十分に高い。しかも高速・安価で、機械的ショックへの対策 もかなり進んでいるように思われる。
  (消費電力が大きいことは残念ですが。)


【追記2014-10/1】
・ その後、上記のポータブルHDDから256GBのUSBフラッシュメモリを使うことに変更し、頻繁にデータのバックアップを取ることにした。使用開始から 2年9か月を経過したが特にトラブルはない。信頼性が増していると思われる。USBバスパワー用のACアダプターが不要となり、すっきりした。