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●□ 『ネットワーク テーブル』第52号    天地シニアネットワーク
○■                          2002.3.25発行
  http://www5a.biglobe.ne.jp/~tenti/
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● 会員の広場
 ◎ 株価暴騰の背景―政府は最大の仕手筋?       相羽 晃
 ◎ 収入増と消費奨励に取り組む中国        兪 彭年
 ◎ ポケット論語 (2)               柴田 雅寛
 ◎ エルサレム その5               野崎 誠介
 ◎ 海のシルクロードを西南へ (2)         大竹 漠洲
 ◎ 京の寺社(15) 『蓮華王院』 久保 禮次郎
 ◎ ≪ひとこと≫ 
●世事有情     
● 提供情報
 ■ 新聞・雑誌記事から 
 ■ お知らせ 展覧会、音楽会 イベント
 ■ おすすめ図書
 ■ 有用URL 最近目についた Web サイト
● 事務局から
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 ◎ 株価暴騰の背景―政府は最大の仕手筋?    相羽 晃(準会員)

@株価大暴騰
2月6日に9420円とバブル崩壊以降の最安値まで売り込まれた東京株式市場は3月11日には11,919円と約1ヶ月で26.5%も上昇しました。
この間にナカミチ、日本重化学工業、佐藤工業と上場3社が倒産し、2月13日にはムーディーズ社の日本国債格下げ検討のニュースも伝えられました。 本来なら株が売られてもおかしくない状況でした。
A株が買われた背景
株が売られても良い状況で買われたのはなぜでしょうか
1つは外圧に対する期待がありました。
小泉政権に対する期待は今や改革の遅れに対する「いらだち」「失望」に変わっていますが、2月8,9日のG7の開催、17日のブッシュ大統領の来日で日本が景気回復の国際公約を強いられ、思い切った経済政策が出されるとの期待があって株が買われました。
実際に2月27日に発表された「総合デフレ対策」に目新しいものはなかったものの「もともと大して期待もされてなかった分、失望もない」との理由から、売り材料にはなりませんでした。
2つ目の理由は、米国を始め世界経済が予想以上のスピードで回復していることです。 特に米国経済は昨年の第4四半期には既にプラス成長に転じ、今年後半には3.5% 成長を見込む(ハバート大統領経済諮問委員長)等、力強い動きを見せています。
今年度の日本経済の見方も政府、日銀とも判断を上方修正し、「夜明け」が近いことを示唆しています。
B株価暴騰の最大の原因
2月27日の「総合デフレ対策」で最も効果をあげたのは株価対策(空売り規制)でした。
これは従来認められていた直近価格での空売りを下落局面においては原則禁止するというものです。
同時に空売り規制違反でゴールドマンサックス証券東京支店、モルガンスタンレー東京支店、バークレイズ証券東京支店が業務停止等の行政処分を受け、政府が本腰を入れてこの問題に取り組むことを内外に意思表示しました。
その後も国内証券、外国証券と処分が相次ぎ20社近くが行政処分を受けています。
一方で「銀行保有株式取得機構」を前倒しで設立し、買取り対象も事業会社、生損保 にも拡大する等株si式の受け皿作りにも注力しました。
政府が本気で売りを抑制する等需給関係に介入すれば当然に株価は上昇します。 政府が「最大の仕手筋」といわれる所以です。 日本政府の本格介入を見て、それまで日本株比率を抑えていた米国の年金資金が一気に日本株比率を高めたため今回の株式暴騰につながりました。 (3月1週の外人投資家の買い越し7709億円)
C今後の見通し
以下の理由から株価はボックス圏の底を離れ、上昇に向かうと予想しています。
@)米国の景気回復の影響から日本の景気も今年後半から回復に向かうと
みられる
A)メリルリンチ証券の日本株式強気転向もあり、日本株式の組入れ比率
を低く抑えていた年金等の資金が今後も日本株の組入れを高めてくる
B)日本政府が本格的に株価に介入し、投機的な売りが出来ない状況が今
後とも続く
C)過去にもPKOや空売り規制で政府が本格介入したあとは株価が暴騰し
ている
実体経済、需給関係、過去の経験等から株価はTOPIXで1000〜1700の底値を離れ、1700を目指した動きに入ったと見ています。しかし株価が上昇すると「追加デフレ策は不要」との小泉発言が飛び出すようでは、この内閣に多くは期待できないと思います。
今回もボックス圏から上に抜けるのは難しく、いずれ経済危機は再燃しそうです。
ここは短期投資と割り切って投資されることをお勧めします。それでも預金や債券よりもはるかに効率の良い投資にはなります。業種的にはハイテク、輸出関連が狙い目となりそうです。
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 ◎ 収入増と消費奨励に取り組む中国  兪 彭年 (64歳 長崎在住)

 3月15日、第9期全人大(日本の国会に相当)第4回会議の終了で朱鎔基首相が記者会見をして、自分はいまいちばん頭を痛めているのはいかにして国民の収入が増えるかということだと言った。特に低収入層の収入増、その中で中心となるのは農家の収入増だと分析している。これは中国の今後の農業のあり方にかかわる問題で、国は去年から始まった『第十次五ヵ年計画』の重要項目としている。昔の日本と同じように、中国も「豊作貧乏」に陥り、国は大量な余剰食糧を抱え、農家はますます厳しくなる競争に見舞われて価格が上がらず収入が低迷している。公務員はここ2年間で2回もベ−スアップがあってほぼ収入が倍増した。国民の貯蓄は毎年7000億元から8000億元増え続けている。貧富の差、二極分化が進んでいるため、一方では低所得の収入増を図り、もう一方では税収のメカニズムによる高所得とのバランスを図っている。しかし、「先富論」を掲げるので、悪平等の昔に戻ることはあり得ない。

 アジア金融危機が発生した後、中国は内需拡大に力を入れてきた。その表れの一つは消費奨励だ。計画経済時代は「勤倹節約」が徹底され、消費はまるで悪のように見なされ
た。それが、いまは消費奨励に変わったのだから、180度転換といえる。何がそうさせたのか。生産と消費の関係が市場経済に入ったために変わったからだ。昔は消費はその分だけ物がなくなって、生産や建設などにそれだけ影響する。だから、いちばん良いのは消費せずみな生産や建設に回すことだった。しかし、市場経済では消費は生産を促進し、消費すればそれだけ生産が伸びることになる。だから、消費は悪でなく、良いことになった。 国は消費分野の拡大、消費のグレ−ドアップ、消費に関連する制度などの整備に力を入れている。住宅・乗用車・パソコン購入の奨励、国内と国外旅行の奨励(そのため、週休2日制、年3回の7日間大型連休の実施)、固定電話や携帯電話の普及と通話料引き下げによる通話奨励、各種のレジャ−や生涯教育や文化イベントやスポ−ツ産業などの育成、外食やショッピングなどの施設整備と向上、各種のサ−ビス業の育成と改善、などなど挙げきれない。中国も消費社会に入ったことを現している。
 中国へ行って、国民の収入や消費を見て回るのも面白く、これからの日中関係、特に経済面での関わりを予測する上で大事ではないだろうか。
 
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 ◎ ポケット論語 (2)           柴田 雅寛 (62歳)

<論語とは何だろうか?>
先ず、孔子とその弟子の年代を調べてみた。
 孔子 BC551−479
 顔回 BC521−481
 子貢 BC520−450
 子路 BC542−480
 曾参 BC505−436
 子思 BC483−402

 一言で言えば、BC450年前後に活躍したと言える。BC450年と言えば、中国は春秋時代。日本は縄文時代である。その前後の時代について、目を中国、日本から世界に転ずると、シャカ(インド)は、BC595−403。ペルシャのゾロアスター教の成立はBC583。ペルシャのダリウス大王がギリシャと戦ったペルシャ戦争は、BC500−479。ギリシャのピタゴラスはBC582−497。ローマ共和制はBC509に始まる。

 次に、論語の成立時期について調べてみると、中国戦国時代(BC403−022)初期から編纂が始まり、漢代に集大成された。集大成の時期は、大胆に予測すれば、AD1年前後。即ち、キリストの誕生前後に集大成されたことになる。尚、日本には、応神天皇の代(AD400頃)に伝承されたと言われている。仏教伝来は、AD538年。即ち,論語は仏教より一足先に日本に伝来したことになる。
 論語は、孔子とその弟子たちの言行録で、四書の一つ。(念のため、四書とは、大学、中庸、論語、孟子。五経は易経、書教、詩経、春秋、礼記。) 論語は、儒家の中心経典として、中国伝統思想の根幹となっている。中国の古典の中で、最も代表的な本を1冊あげるとすれば、私は躊躇なく論語をあげる。

ポケット論語
<第1章>
 学んで時に之を習う。また喜ばしからずや。朋あり、遠方より来る。また楽しからずや。人知らずして憤らず。また君子ならずや。(学而第1−1)

 注:漢字は、独断で我々日本人が日常に使用している漢字に変えた。

1) Huang 英訳
To learn something and regularly practice it - is it not a joy ? To have schoolfellows come from distant states - is it not a pleasure ? Not toresent when men do not know you - not like a gentleman ?

 N.B. gentleman= a man of virtue and talent

2) Lau英訳
Is it not a pleasure, having learned something, to try it out at dueintervals ? Is it not a joy to have friends come from afar ? Is it notgentlemanly not to take offence when others fail to appreciate yourabilities ?

3) 柴田仏訳
参考文例
C'est une joie de vous retrouver. またお会いできて実にうれしいです
apprendre les regles de la bienseance 礼儀作法を覚える.
pratiques rituelles 典礼
camarade de classe 〈男女〉クラスの友達
revenir de loin 遠くから戻って来る;(病人が)かろうじて助かる
homme vertueux〈男〉 君子
Prudence[Mefiance] est mere de surete. 君子危うきに近寄らず
capacite intellectuelles 知的能力

仏訳 (traduction francaise)
Est-ce que c'est une grande joie d'apprendre des pratiques rituelles et d'enpratiquer regulierement? Est-ce que c'est une grande joie d'accueillir descamarades de classe
qui viennent de loin? Est-ce que c'est un homme vertuex qui ne se fache pasquand des autres n'estiment pas ses capacites intellectuelles?

注: 日本語のパソコンでは、仏語のアクセント記号は、表記できないので、すべて
省略した。仏語の先生によれば、インターネットの世界では、フランス人でもアクセ
ント記号なしでメール交換している由。

---STUDY --- 
〔君子〕
◇君子危きに近寄らず A wise man does not court danger.
◇ 君子の交りは淡きこと水の如し The intercourse of great men is frank and fresh as water―"Great men meet as water meets water."
◇君子豹変す The true man can adapt himself to any conditions.
◆ 君子は器ならず A great man is not clever.
◆ 君子自重す Noblesse oblige. (高い身分には道徳上の義務が伴うこと)
◆ 衣食足りて礼節を知る The belly has no ears. /Well fed, well bred.

〔楽しみ〕
◆ 学生は学問を楽しみにしている The students take delight in their studies.
.
◆ (おやおや)お楽しみ I wish you a pleasant time! ―a sweet time!
◆ 昨晩はお楽しみ What a sweet time you must have had last night!
◇楽しみは後に柱 'Tis sweet to have a post behind,
 前に酒     A table spread with wine before,
 左右に女    A woman fair on either side,
 懐に金     And in your pocket money's store.

◆この世の楽しみ something worth living for―an object in life
◆ 後は明日のお楽しみ The rest shall be tomorrow's work.
 
〔朋友〕
◆朋友信あり Friends should be faithful to each other.
◆朋友相信ず Friends should trust each other.
◆朋友の義を結ぶ to contract a friendship with some one

---COMMENT---
 当時、学とは礼を学ぶことで、伝統的な礼を知っている者が求められた祭政一致の時代であったらしい。孔子の家は学校であり、そこで時を決めて本番に備えたリハーサルをしたと司馬遷は史記に書いている。
 儒学が社会に生きる建前を論じたとすれば、それと対極的に位置する老子の生き方は中国の本音といえようか。
「敢えて天下の先たらず。」
「足ることを知れば、辱められず。」
「大弁は訥なるが如し。」
「上善は水の如し」(水の如く無為自然に生きよ)
「長生久視」(楽しみながら長生きしよう)
 又、華僑の世界では、印僑、レバシリ、ユダヤ商人と対抗して世界商戦に勝ち抜くために、「三十六計」があたかもバイブルのように代々父から子に語り継がれてきた。
 中には、儒学の徳目(仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌)とは無縁の生き方に目を見張るものがる。例えば、
「天を欺いて海を渡る。」
「刀を借りて人を殺す。」
「笑いの裏(うち)に刀を蔵(かく)す。」
「草を打って蛇を驚かす。」
「屍(しかばね)を借りて魂をかえす」
儒学も中国、老荘思想も中国、また三十六計も、中国なのである。将にそのような複眼且つ多層的文化構造を持つゆえに、米国のUnilateralismに対しても、いささかも動じないのである。

***追記***
◇ 3月7日銀座NOVAに顔を出して、ポケット論語のことを紹介したら、英語・フランス語共に堪能な"サチコさん"(茶道の先生)が「この春行われる公務員研修で、大阪大名誉教授が論語の研修を行うことになった」と教えてくれて、3月6日付毎日新聞夕刊の記事をファックスしてくれた。朋友は有り難いものである。
その記事によれば、大阪大学加地伸行名誉教授が5月20日から4泊5日の日程で行われる公務員研修で、「論語」の研修を行うことになった由。それにしても古代から日本の政治家、官僚に影響を与えてきた「論語」が21世紀に新たな出番を迎えるとは孔子も苦笑いに違いない。大学の演習スタイルでビシビシやりたい、と意気込む加地さんの発言は次ぎの通りであった:
「論語の3分の2は政治に関すること。官僚とは何かを考える思索の宝庫です。でも、読んでないでしょうね。彼らは知識はあっても知恵がありませんよ。」 儒教学の第一人者である加地さんの官僚批判は手厳しい。とりわけ外務官僚に対しては「退廃の極み」とまで表現する。
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◎ 『エルサレム』  その5          野崎 誠介(65歳)

 エルサレムの歴史は、紀元前998年に、ダビデがエブス人からこの地を奪って「ダビデの町」を建設したときに始まる。その場所は現在「オフェル考古学ガーデン」として、曾っての石垣が一部復元されているが、後の「第二神殿」のそれに比べれば、いたって貧弱で、砦といった処である。今では城壁の外になっているが、此処で現在でも完全に残っているのは「ヒゼキアのトンネル」という水路であり、旧約聖書の「イザヤ書」に述べられている通り、紀元前701年のアッシリアのセナケリブ王の軍勢の包囲の際も、この水源があったお蔭で、エルサレムは持ちこたえ、アッシリア軍は「ヤハヴェの使いの為に185,000人が死に」急遽撤退したと伝えられている。多数の死体を急いで埋葬した跡が発掘されており、歴史家はネズミによるペストがその原因であろうと推測している。

 比較的新しい西エルサレムでは、最高級のホテル「キング・ダヴィッド・ホテル」がその存在感を示している。このホテルにまつわる話を一つ御紹介するが、私が商事会社勤務の頃、ヨルダン王国の国営企業3社の仕事で隔月位の頻度でアンマンへ出張していた時期がある。ヨルダン側の中心人物は故M氏で、当時はヨルダン燐鉱会社の会長であった。アンマンの高台にあるM氏の自宅の応接間で民族衣装をまとった同氏から聞いた話は今でも良く覚えている。「自分が若手の外交官として始めての任地エルサレムに赴任したのが1946年7月22日であったが、その当日、ユダヤ過激派イルグンのメナヘム・ペギンが当時英軍の司令部があったキング・ダヴィッド・ホテルの一翼を爆破して百数十人が死亡した。その2年後にイスラエルが建国されたが、曽ってのテロリストでも首相になれるという事だ。」とM氏は苦笑していた。
 尚、M氏の一族は南部のケラク出身の最も有力なベドウィンで、ヨルダン王家ハシム家(メッカのクライシュ族の出身であり、マホメッドはハシム家の出なので、その直系の子孫となる)を支える一族である。M氏の弟達や一族から首相、軍総司令官、駐米大使、ヨルダン大学総長等を輩出して居り、M氏自身も曽って大臣をつとめ、又、ヨルダン外交関係者の長老であった。

 この事件はそれ迄は第一次大戦中の「バルフォア宣言」に基づいて、親ユダヤ政策をとっていた英国が政策を転換して、ユダヤ人機関幹部の大量逮捕を行ったのに対抗したものである。現在はイスラエルの立場が逆転して相手がパレスチナ人になっている訳である。
 西エルサレムの郊外にクネセト(国会)があり、その正門にはイスラエルの象徴「メノラ」(七本枝の燭台)がある。ちなみにローマのフオロ・ロマーノにある「ティトスの凱旋門」には、西暦70年にエルサレムの神殿から奪ったメノラをローマ兵がかついでいるレリーフがある。以前、この凱旋門の爆破を計画したユダヤ人もいた。
 クネセトの近くにある「イスラエル博物館」は要必見である。イサム・ノグチが設計した彫刻庭園もあるが、まず目を奪われるのは”SHRINE OF THE BOOK”(聖書の殿堂)であり、「死海文書」の殆ど全てがここに納められている。死海写本は紀元前2世紀頃の古代ヘブライ語の写本であり、第二次大戦直後、死海のほとりのクムランの洞窟で発見され、一部散逸したのをイスラエルが苦心して入手したものである。写本の中で最長のものはイザヤ書で8メートル余ある。ヘブライ語は右から左へ母音は無しで子音だけが記されるが、死海写本は句読点も改行もなく、羊皮紙の幅一杯に書かれている。その羊皮紙を何枚か張り合わせて、8メートル余りになったものである。

 これらの死海文書はユダヤ教の中でもっとも戒律の厳しいエッセネ派のものと見られている。写本の発見直後はこれでキリスト教の起源が明らかになると期待され、又、関係した一部の学者の思惑もからんで、一般への公開と翻訳が遅れた為、ローマ法王庁が介入して公開をはばんでいるという説も一時流れたが、結局キリスト教との関係では、今の処期待外れに終わっている。
 但し、洗礼者ヨハネがエッセネ派であったと見られている様に、キリスト教への影響はかなり強かったと思われる。例えば、新約聖書の「最後の晩餐」はエッセネ派の様式に極めてよく似ている。

 イスラエル博物館の考古学館には有史以前の発掘品から、ヘブライ人、ペリシテ人の時代を経て、紀元70年の第二神殿破壊に至る迄の数多くの興味深いコレクションがある。エルサレムの南西にあるラキシュの関係では、ロンドンの大英博物館に「ラキシュの攻城」というアッシリアのレリーフがあるが、イスラエル博物館にはその当時アッシリア軍が使用した鏃や投石の発掘品が展示されている。又、第二神殿の城壁の一部で、式典の時に角笛を
吹く場所を示した石や、エルサレムを攻略したローマ軍の「第10フレテンシス軍団」の駐屯地を示す石碑等々、言わば歴史の証人の数々がある。
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◎ 海のシルクロードを西南へ (2)         大竹 漠洲(61歳)

「南インド・チェンナイの女学生は泥沼に生えた一輪の花のような乙女です」

 バスの窓からは、サンダルが濡れないように水溜りの道を避けて歩く女学生が目に入りました。そろいのサリーの学服で登校していきます。少女達には清清しさが溢れています。あのアオザイを身に着けたベトナムの女学生と同じ清潔感が、この女学生達の周りにはありました。二本に束ねて背にたらした髪を、思い思いに美しい花で飾り、清楚の中にも個性美が感じられて印象的でした。雨で泥水の溢れた道を行く彼女達の様子は、美しい蓮の花のようでした。

 女学生に会ってインドの教育に興味を持ちました。インドには義務教育はありません。学校は各州で開校していますが、行きたい人が行くという制度になっています。全インドにおける識字率は未だ低く、この10年間就学率の向上に努めていますが、65パーセント程度にしか達していないようです。一般的には、小学校6年、中学校4年、高校3年が基本ですが、全員が学校に通うわけではありません。都市部に住む下級層で、文字の読み書きが出来ない親達は、子供達を学校に通わせる積りは全くなく、働きに出す割合が多いようです。この傾向は北インドに強く、識字率はぐっと低いようです。南インドでは、ここタルミ・ナードゥ州、ケララ州が高く、90パーセントを越えているとの事でした。釈迦が悟りを開かれた北インドのビーハル州は45パーセントで、インド19州の最低ですから、釈迦も余りの低率に嘆いておられるかもしれません。

 学生達が習う語学数は多く、全国共通語の英語・ヒンドゥー語は、必須です。さらに南インドでは、北インドの公用語であるヒンドゥー語が共通の国語になっているのに反発して、この地方の方言であるドラヴィダ語(タルミ語、ケララ語)も学びます。全インドで公用語は、14あります。インドという国は、地域によってあらゆる面で大きな差異があることが段段と理解出来るようになりました。バスの窓から面白いものを見つけました。インドでは2002年3月に総選挙が行われるようで、街頭には各政党の選挙用ポスターが貼られていました。ポスターには各政党のロゴやスローガンと共に、何かマーク(図柄)がくっ付いています。そのマークは、「法輪」「手」「ランプ」「こま」「日の出」といったものですが、ガイドのSECHI君に聞きましたら、文字の読み書きの出来ない人に政党を認識してもらうためので、投票者は、投票所で支持する政党のマークにスタンプを押せばよいとの事でした。またその時の話ですが、識字率が高い南部地方は、進学率も当然高いとの事でした。

 私達の乗るバスを興味深げに見つめる、女学生達の黒目がちの大きな目、美しく魅力的で今も脳裏に焼きついていて忘れられません。旅を続けている内に分かってきた事は、インド女性の美意識の素晴らしさでした。全てのインド女性は、日常生活でもサリーを身に着けています。サリーは色彩感覚が豊たかで、そのうえ美しい装飾品で黒肌を飾り、個性美をふんだんに発揮しています。この美意識、センスは、女学生の頃から培われているに違いないと確信しました。
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◎ 京の寺社(15) 『蓮華王院』     久保 禮次郎(京都 64歳)
  
時は12世紀、平清盛<天下をたなごころににぎりたまふ>頃、あの小督との悲恋にうちひしがれた高倉天皇の父君、後白河上皇は芸妓「乙前」を相手にポピュラーミュージック(今様)の世界に埋没し、『梁塵秘抄』の編纂にいそしんでいました。『梁塵秘抄』は当時の歌謡曲集とはいえ、仏教への深い信仰に根ざした歌が多くおさめられ、賛美歌集とでもいいましょうか、たとえば

   われらは何して老いぬらん
   思えばいとこそあはれなれ
   今は西方極楽の
   弥陀の誓ひを念ずべし (235)

   暁しづかに寝覚めして
   思へば涙ぞおさへあへぬ
   はかなくこの世を過ぐしても
   いつかは浄土へ参るべき (238)

後白河院は信仰篤いお方でした。時には夜を徹してお経を千巻読みつづけるのです。上皇がお経の巻物を紐といてサッと目をとおし拝み、床にころがす。これを転読というのだそうです。それを侍従がテキパキとかたずける。その間一巻につき約10秒、この作業が千回つづくのですから時には侍従も疲れて眠りこけてしまうこともあったのでしょう。そこでフト思いついたアイデア! 1000体の観音様を一堂に集めれば、一回拝んだだけで1000回拝んだことになるのではあるまいか! いわば功徳の効率化でしょうかね。このとほうもないアイデアを平清盛が1164年に実現しました。

京の七条大通り、東のつきあたりに『智積院』がありますが、そのすぐ手前北側に『京都国立博物館』のクラシックな建物が見え、七条大通りをはさんで南側に『三十三間堂』、正式名称『蓮華王院』があります。明るいベージュ色の長い築地塀に囲まれたこの大寺院の入口は七条大通りに面して、北西の角にあり、時期ともなれば修学旅行生が大勢たむろしております。

 京の名刹といわれるものには典型的なパターンがあって、それは本堂や庫裏のほかに五重の塔、小堀遠州の庭、おもむき豊かな塔頭などが渾然一体となってひとつの様式美をかもしだしているのですが、この寺はいったい何ですか。

信仰している方々にはまことに不躾なものいいで失礼なのですが、広大な寺の敷地の真ん中にあるものは、ただひとつバカデッカイ「倉庫」だけなのですよ。しかし、この「倉庫」たるやタダモノではない。東西22m、南北125m、総ヒノキ造り国宝です。強い地震に耐えられるよう様々な工夫がほどこされ、700年前の重厚な建築技法の粋をそのままここに見ることができるのです。

 さてこの「倉庫」の中に導きいれられた参拝客からは、いちようにおどろきの声があがります。国宝「十一面千手千眼観世音菩薩」坐像を中心にして、金ピカの観音様が1000体、立錐の余地なく整然として立ち並ぶ!それはまさに眩暈をひきおこさせるほどの壮観です。その前面に「観音28部衆像」28体が配置され観音様をお守りしております。これらの造像には大仏師「湛慶」を頂点とする「慶派」の仏師たちのほかに、数ある京の仏師たちが総動員されたことでしょう。中央、湛慶(80歳)作の「観世音菩薩」はさすがですが、国宝「観音28部衆像」も味わい深い傑作揃いです。落慶から90年後、1249年に寺は火災に見舞われ 880体の観音様が焼失しました。観音様をお守りするはずの28部衆は、はやばやと逃げて無傷のままでしたが、中央の巨大な「観世音菩薩」をどのようにして火の手から守ったのでしょうか。17年後、1266年に寺は復興し観音様も1000体揃ったのでした。

 吉川英治『宮本武蔵』にある「蓮華王院の決闘」はどうやらフィクションらしいのですが、『三十三間堂』は武道とくに弓道と深いかかわりがあります。特に正月成人の日には成人を迎えた京の娘たちがここに集まり、晴れ着に袴をつけタスキをキリリとしめて弓道大会にのぞみます。こうして成人と同時に京娘の背筋にはつよい芯が一本ピシリと通り、京娘はたおやかにして誇りたかい京女に成長していくのであります。

 外に出ますとそこには沈丁花が薫り、早春の気配がただよっています。

   葉のない並木道を
   すぎゆく春の風
   あやしいけはいを
そよぎにひめて
たいらかな
葉のない並木道を
風のすぎゆくは
色あわきかげ
このひと夜
はるかより
はこびきし
ほのかな薫り (ホフマンシュタール「早春」より)

 祇園のあの二人は弓道競技を終えて、三十三間堂ななめ前の和菓子のしにせに腰をおちつけております。

「今度ほど命ちぢむ思いしたん、はじめてどすェ。あんたはんの射た矢が観客席のわたしの顔めがけて飛んできたんどすさかいなァ。」

「カンニーン、さっきから何べんもあやまってますよって、もう勘弁しておくれやす。そやけど、なんでおねえさんのお顔がマトにみえてしもたんやろか。うま(午)年の破魔矢をつがえてしもたのがそもそもの間違いどしたヮ。」

「コラッ、コラーッ、うちは午年の魔女か。こんなにいつも優しいのに、わかったはらへんなァ。」

「ヘェ、ヨーオわかってます。ここのクズキリ、いつもながらおいしおすなァ。今日はお詫びのためにここはうちにまかせておくれやす。」

「そうか、そうか。その松竹梅のかんざし、あんたはんによォ似ォてますェ。」

「おおきに、ところでおねえさん、あの28部衆のなかの金毘羅様、だれかに似てはらへんどすやろか、ホラ長いことお休みとったはる横綱のお顔!」

「そういえば、よォ似てはりましたなァ。」

「それにしても観音様が1000人並んだはると迫力ありますなァ。」

「あれはなァ、浄土のコーラスグループどす。よォ耳を澄まして聴くとな、極楽浄土の音楽が聞こえてきますねん。うちにははっきり聞こえましたェ。」

「エッ、ひのえのうまどしのお人には聞こえるんどすか。」

「コラーッ、また余計なこと言うて、もう勘弁しまへんで! 羽交い絞めどす。」

「ワーッ、おねえさん大勢のおひとが見たはりますェ、ナムアミダブーッ。」
 〜・〜・〜・〜・〜・〜・ 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ 
◎ ≪ひとこと≫
☆ 木蓮も咲き始めました。河津桜もそろそろおわりでしょうね、51号有り難うござい
ました (北條鎮雄 品川区 3/15)
☆ 確定申告にいきました。{納税者}と{tax payer}とは同義語でしょうか? {支払う}と{納める}では、後者には{上納}のニュアンスがあります。税務署側からみると{税金の徴収}。「徴」という文字の意味は、(1)要求する。とりたてる。(2)追求する、問いただすとあります<漢辞海>。納税者の要求が複雑化・多様化するため、税理士法が改正され、税理士法人や補助税理士という業態が創設されました。(O.M 64歳)
☆櫻の開花が早く、旅行業者、商店街の「櫻祭り」担当、新入社員歓迎係りが慌てています。椿が櫻と同時にさいていますが、自然界も大慌てでないでしょうか。(T.T 64歳)
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● 世事有情

◎ 医療の話題(治療法の選択肢拡大)    
 
☆昨年暮れに「ガンの痛み止め」としてラジオアイソトープ・ストロンチュームをご紹介しました。先般問い合わせがあり紹介しましたが、国内では治験薬として使われておりますので、末期症状のケースであったためにお役に立つ事が出来ませんでした。早期のケースですとかなり有効です。もしもの際は、事務局にお問い合わせください。

☆先日、三菱化学の友人に会ったときに、同社が昨年6月に発売した脳保護剤「ラジカット」を良く覚えておくように云われた。そして今年の2月28日の株式市場新聞にでた「ラジカット」の紹介記事をコピーして送ってくれた。それによると「現在脳梗塞急性期治療では、抗血小板薬、抗凝固薬、経口抗血小板凝集薬などが使われているが、脳梗塞のタイプによっては使えない場合がある。これに対して"ラジカット"は、脳梗塞3つのタイプ全てに適応でき、今まで投与可能な薬剤がほとんど無かった心原性脳塞栓症にも使用できるのが特徴」とある。脳梗塞による年間死亡者は8万人を越え、脳内出血が減っているため脳血管疾患の3分の2を占めるようになったとのことだが、発症直後の治療がその後の回復に大きく影響する脳梗塞の急性期治療においては、治療法の選択肢を一気に大きく拡大させた画期的な薬とのこと。本人を含め、周辺で脳梗塞症状を起こす人がいるときは、「ラジカット」を使用するように頼みなさいとのこと。

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● 提供情報
■ 新聞・雑誌記事から 
◇メールの件名に日本語を使うウイルス出現,
 添付ファイル「patch.exe」を実行するな!
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20020314/1/
  IT Pro-Report 2002年03月15日  日経BP社 IT Pro編集

■ お知らせ 展覧会、音楽会 イベント
◎講演会“ 地域での多様な「働きの場」の創出 ”
 2002年4月20日(土) 13:00〜16:00
 会場:お茶の水女子大学共通講義棟2号館102室 茗荷谷駅下車徒歩7分 
 会費 会員1000円(院生・学生500円) 非会員1500円
A.ボランティア活動からNPO法人まで
B.高齢者に対する「傾聴」の効用について その他
トータルコメンテイタ 東邦学園短期大学 教授 山極完治
 シニア社会学会からの連絡 問合せ:天地事務局(小俣)

■ おすすめ図書
・「電脳社会の日本語」加藤弘一 文芸春秋 新書 2000
 コンピュータで日本語文字をどのように扱うことができるか、その仕組みおよび課題(文字化けなど)を的確に整理している。

■ 有用URL 最近目についた Web サイト
<シニア>
http://www.asahi-net.or.jp/~ne4k-tgc/kanda/ 神田雑学大学
http://www.dia.or.jp/ (財)ダイヤ高齢社会研究財団 データベースが充実
<食>
http://www.sunfield.ne.jp/~k-s-88/ 自然食 はちや まんじゅう
http://www.australia.or.jp/tsudou/wine.html オーストラリアワイン・フェア2002
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● 事務局から
・会員の林英一氏が立ち寄っての話。最近、ウラジヲストックに仕事で行ったが、観光客は、中国人が多いとのこと。貴金属類を専ら買っていくそうです。韓国系のビジネスホテルが、一泊約2万5千円したのでびっくりしたのことでした。
・特殊記号「チルダ: ~」をキーボードから入力するには? という質問がありました。shift(シフト)キーと右上の{-}または{^}とを同時に押してください。(μ)
・メールの件名に日本語を使うウイルス出現,迷惑至極ですね
   添付ファイル「patch.exe」を実行するな!
・会報郵送の場合毎月1回プリントしてお届けします。実費1通分200円 
 振込先:三井住友銀行神田小川町支店 7871532 テンチシニアネットワーク
・配信不要の場合はご一報ください、中止いたします。
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天地シニアネットワーク事務局 (津田孚人、小俣光夫、小作暁介)
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町1−6−21−2F
TEL&FAX  03−3254−7321
E-Mail  tenti@mvc.biglobe.ne.jp
URL  http://www5a.biglobe.ne.jp/~tenti/