回転木馬




サカナというやつがいた。
彼は昔海の底にいたがいろいろあって今は都内のアパートに住んでいる。

ある日彼のもとに荷物が届いた。
友人からだ。
友人は三日前に死んだ。
サカナを慕って上京してきたのだが呼吸不全で、死んだ。

荷物を開けると箱が出てきた。
箱には穴があいている。
穴を覗くと草原が見える。
草原の真ん中には回転木馬が置いてある。
サカナは友人が箱になったのだと思った。
死んだ友人が箱になってやってきたのだとおもった。

風が吹いて草原は波のようにざわめきその真ん中で回転木馬が静かにくるくると回っている。




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