「生まれたかお前」

「ええあなた。とってもすばらしい子よ」

「名前を付けねばならんな」

「男の子らしい名前がいいわね。」

「そうだな男の子らしい名前が」

「ラジコンなんてどうかしら。とても男の子っぽい名前だと思うわ」

「そうだな男の子らしい名前だな」

「じゃあラジコンにしましょう。ね?」

「しかしちょっと待て。男の子らしければそれでいいのだろうか。それだけでは足りないのではないか。優しさをも同時に求めるべきではなかろうか」

「そうね。その通りだわ。ならば絹糸なんてどうかしら。これならとても優しいわ。おまけに内に秘めたる力強さも垣間見えるというものよ」

「なるほど。しかしちょっと待て。強さと優しささえあればそれでいいのだろうか。それでは足りないのではないか。男にとってもっとも必要なのはロマンなのではあるまいか」

「あなた。本当にその通りだわ」

「そこでお前、たかばねというのはどうだろう。高く飛ぶ羽根という意味だ。これなら男らしさも優しさもロマンもあるのではないか」

「あなた。本当にその通りだわ。あなた。とっても素敵よ。素晴らしいわ。」

「じゃあこれからこいつはたかばねだ。たかばね」

「コケカコキケカケ」

「あらあなた。この子も喜んでるみたいよ」

「本当だ」

「キカキコカカカケ」




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