横浜・曙町 ヘルス「ビージーンズ」 〜Hちゃんの巻D最終回〜
1998.12.22 プレイ時間13:00〜15:00
ついに来るべき日がきてしまった、Hちゃんの現役最後の日。ああ、やっぱり最後にHちゃんに一目逢いたい、という気持ちを抑えきれなかった。Hちゃんのラストの出勤日は、平日
なので無理矢理有給休暇を取ってしまった。新宿から「放課後クラブ(以下HC)」へ電話を入れる。(前回からHCで直接予約を受け付けるようになったので、タイトルは正しくないの
かもしれないが、正式な所属は「ビージーンズ」なのであえてそのままにしました。)案の定、なかなかつながらない。ここで諦めてはと、いつになく必死だった。しかし、平日だという
のに、なぜこんなに混むんだろうか、それだけ欲求不満が溜まっているのか、普段ちゃんと仕事しているのか(お前もだろ!という声が聞こえてきそうだ。)などと勝手な不満を抱き
ながら、必死でリダイヤル。5分後、ようやくつながる。
「お電話ありがとうございます。HCです。」
おっ、あの愛想のいいちょっと小太りの店員の声だ。
「今日、Hちゃん出勤しますか?」
「はい、出勤しますよ。何時からにしましょうか?」
今日はHちゃん最後の日だから、最初から奮発して120分コースにしようと決めていた。Hちゃんの場合、土日は60分コースに限定されてしまうからだ。できるだけ長く一緒にいた
かったら。できれば、Hちゃんの現役最後の客になりたかったので、ラストの時間を希望したが、(くだらないと言われそうだが)
「申し訳ありません。その時間は埋まってしまいました。えーと、2時間枠で時間がとれるのは…少々お待ちください。(待っている間、他の電話がかかってくるのが聞こえてくる)
お待たせしました。今空いているのは、13時からか14時からのみになりますが。」
まあ、ラストの時間はとれなかったが、Hちゃんに逢うことが最終目的だから、この際贅沢は言わない。13時からを予約する。
13時まで移動時間を考えると、そんなに時間がなかった。早速、Hちゃんへのラストプレゼントを物色しに新宿高島屋&東急ハンズへ。
もちろん事前に少しは用意していたのだが、静岡からの持ち運びを考えると現地調達せざるを得ない。まず東急ハンズでパーティー用の食器類数点を、続いて高島屋でお菓子類と
ケーキを購入。新宿駅地下コンコースの花屋で花束を購入した。(全く一度好きになると、こんなにも夢中になって柄にもないことを平気でやるものだと改めて思った。)
山手線で花束を運ぶのに一苦労した。人目が恥ずかしいことはもちろん、この時間でも車内は混み合っているので花を折らないように気を使う。物色に時間がかかりすぎたので、
昼食を品川駅の立ち食い蕎麦屋で済ませる。急いで京浜東北線に飛び乗る。電車の中から確認の電話を入れる。これがまたメチャクチャ恥ずかしい。必然的に小声でになる。
(常識のある皆さんは、ホームで電話しましょう。反省。)
関内駅を降りてから途中で赤ワインの小ボトルを購入し、小走りで店に向かう。しかし、こんなに明るい時間から風俗店に入るのは初めてである。少々抵抗があったが、今回は
事情が事情だけにそうも言っていられない。
HCの受付に到着すると、
「あのー、13時からHちゃん…」と言いかけたところで、私の顔を覚えている店員から
「○○様ですね。お待ちしておりました。」と先に言われてしまった。
支払いを済ませると(確かに120分コースは金額的に痛かったが、後悔はしていない。)、待合室へ。一人先客がいた!革ジャンを着て、歳は20代後半から30代前半くらいだろうか。自分からすれば平日のこんな真っ昼間に風俗店にやって来れる羨ましい人である。一体、仕事は何をやっているのだろうと、詮索してしまう。店員からすぐに案内できるという女の子の写真2枚の中から一人を選んだようだ。10分もしない内に先に自分が呼ばれる。
「お待たせしました。ご指名ありがとうございます。Hちゃんです。」
これからHちゃんとの最後のひとときが始まる…。
「あっ!こんにちは。有給休暇とれたんだ。」
「無理矢理とりました。Hちゃん最後だし、今日逢わないと一生後悔すると思ったから。」
「ありがとう。私も逢いたかった。さあ、どうぞ。」といつもの部屋に。
ベッドに腰をかける。
「本当にありがとう。しかも長い時間予約してもらって。」
「いつも60分コースだったからね。できるだけ長く一緒にいたいと思ったんだ。Hちゃん、お昼食べた?」
「ううん、休憩時間が5分ずつしかないから、出勤したら何も食べないの。おかげでちょっと痩せられたけどね。」
「えっ!そうなの?それじゃHちゃんの場合、11時出勤だからラストまで13時間も食べないの?うわー、とても真似できないよ。それじゃケーキを買ってきたから、後で食べようよ。」
「本当?うれしい!」
「店長から『今日は最後だから、嫌な思いをしないようにHの気が合うお客さんだけにしておきなさい。』って言われたの。本当に来て
ほしい人がキャンセル待ちで、いいお客さんランキング中盤のひとばかりなの。(注;女の子には電話予約でのお客の本名が伝えられているので、次に誰が来るのか順番はわかっている。ただ名字だけなので、同姓のお客だと誰なのかいい方のお客なのか判断しづらいので実際に来てみてから女の子が嫌がる客だと帰されることがあるらしい。)
えっ?もちろんTERUさんは上位よ。」
「またまたー、ヨイショも上手くなったね。」
「そうじゃないよ。私、嘘とお世辞が嫌いで、はっきり物を言う方だから。お客さんにも(以下略)したこともあるのよ。」
その言葉を聞けただけでも、今日来た甲斐があったというものだ。しかし、こんなに可愛いHちゃんが嫌がることをする客とは一体どんな奴なんだろう。
「Hね、日曜日の晩、鏡の部屋(女の子の控え室)に泊まったんだけど、金縛りに遭っちゃった。それも一晩に2回も。」
「えっー!本当!?」
「ナンマイダ、ナンマイダってお経唱えてたの。だからちょっと風邪声でしょ?H、今まで幽霊話なんて信じてなかったから怖かった。」
「うん、本当にあるんだ。怖いね。」
「昔はこの業界、生活に困って来た女の人ばかりだったから、××とかあったみたいよ。同じビルの○階の××××という店でプレイ中にお客さんが『あっー!』て叫んだものだから、
女の子が振り返ると落武者がいた、という話を聞いたことがあるよ。」
「あっ、そうそう。日曜日に送別会やってもらって、月曜日どうだった?」
「ううん、『とても駄目です。出れそうもありません。』て休んじゃった。ねえ、見て。」と手のひらを自分に広げてみせるHちゃん。「?」
「先週あれから『他のお客さんが来た、隠れろ!』て急いで控え室に入ったら、尖ったところにグサッて刺さって…。ほら、ここ出てるところあるでしょ。軟骨が出てきたらしいの。」
なるほど、指で撫でると確かにポコッと出ているのがわかる。この可愛い手がそんな目に…。
「それで昨日病院に行ったの?」
「ううん。引っ越し終わった後、疲れてずっと寝てた。」
体のオーバーホールは北海道へ帰ってからだそうだ。この怪我といい、金縛りといい、先週話題に上った黄金町駅で転んで足の傷(これはもうカサブタになっていた。)といい、Hちゃんはここのところついていない。かわいそうに…。
シャワータイム。給湯器の調子が悪いのか、なかなか温度調整がうまくいかないらしく、四苦八苦するHちゃん。
「ひょっとしてオバケの仕業かな。」
「うん、そうかも。急に温度が下がっちゃうのよ。イヤね。急に冷たくなったらゴメンネ。」といつものように優しく体を洗ってくれる。
「Hちゃんとこうしてシャワー浴びるのも、最後だね。」
思わずHちゃんを抱きしめてしまった。Hちゃんも何も言わずにしばらくそのままでいた。
シャワーを終えて、プレイへ。いつものHちゃんオリジナルのダッコ方式で。これも、もう体験できなくなる…。別れを惜しむかのように何度も何度も唇を重ねる。
「ああ、このまま時間が止まってくれたらいいのに…。ドラえもんにでも時を止めてもらいたいね。」
「うん、できたらいね。」
「Hちゃんが居なくなっちゃったら、俺どうしたらいいのかわかんないよ。」
「そんな事言っちゃ、ダメ。」と甘い声で言うと、両手で自分の頬を挟んでキス。
「ただHちゃんのセーラー服姿(前の制服)が見れなかったのと、お日様の下で逢えなかったのが心残りだよ。」
「それじゃ、後で着替えてこようか?」
この時は冗談でもうれしかった。
今日は気持ちがブルーになっていたこともあるが、なかなかイケなかった。愚息もHちゃんを引き留めようとがんばっているか?
それでもHちゃんの懸命な努力でフィニッシュを迎えることができた。
後はベッドでいつものイチャイチャタイム。
「もうこれで永久にサヨナラじゃないから。インターネットもあるし。」
「うん、静岡に遊びに来るときはいつでも連絡してね。」
「Hね、うなぎが食べたいの。」
「それじゃあ、おいしい所へ連れていくよ。」
「あ、ちょっと待ってて。3分で戻ってくるから。」
「?」そう言い残し、タオルを体に巻いてHちゃんは一端部屋から出ていった。
何事かと思っていると、しばらくしてHちゃんが戻ってきた。しかも自分がリクエストしたセーラー服で。
「えっ!わざわざ着替えてきてくれたの?ありがとう。うれしいよ。へぇー、前の制服も店に置いてあるんだ。」
「着替えるにはこっち(メイド服)の方が簡単なんだけど、今日はね、最後だからこっちにするんだ。うん、決めた!」
「可愛くて、明るくて、技もよしの3拍子揃ったHちゃんみたいな子、なかなか居ないだろうな。」
「そんな事ないよ。たーくさん居るよ。Hのおすすめは○○ちゃん。すごくいい子だよ。笑うと可愛いし、今にきっと人気出るよ。」
「ふーん。それじゃ一度逢ってみようかな。でも今一番好きなのはHちゃんだよ。」
「ありがとう。」
その後、Hちゃんがこの業界に入った理由を聞いて、驚いた。理由は明らかにできないが、この明るいHちゃんから想像もできない
過去があったのだ。他にHちゃんの高校時代の話、成人式、家族の事に話が及んだ。
「私、お客さんなら誰でも家族のこと話してる訳じゃないの。だって、住所とか調べて追いかけてくるような人がいるから。(いわゆるストーカーである。確かにこの業界は、あまりに
女の子に執着した客がストーカー行為に走るケースが少なくない。)そうじゃない人にだけ話すようにしているの。」
Hちゃんの家族の話を聞いたのは、今回が初めてではないが、確かに言われてみればそうである。
それから、お互いの地元の話となり、自分の地元が生んだ漫画家”さくらももこ”の「ちびまる子ちゃん」の話題で盛り上がる。
「お客さんもお店の人も辞めるなよ、って言ってくれるし、自分でもこの仕事に向いていると思ってる。随分悩んだけど、まだやれるうちに引退するのがいいと思ったの。
店長も『君はまだ若いし、能力があるんだから。』って言ってくれたんで辞める決心がついたの。普通じゃ引き留めるけどそうは言ってくれないでしょ?私が入店間もない頃、
お客さんから延長とれなくて、『店長、私この仕事向いてません。』って言ったら、『君はまず時間内でお客さんの心を掴むようにがんばればいいんだ。そうすればおのずと
取れるようになるよ。』その言葉で思い直して今まで続けてこれたの。」
「いい店長さんだね。それでHちゃんの努力の結果、あのプレイスタイルが生まれたわけだ。その術中にはまった一人が目の前にいるよ。」
「そうね。ウフフ…。でも、この仕事をしてからとても勉強になった。」
「あ、ケーキ食べる時間ある?」
「あと8分くらい。」
「おお、それじゃあ。」とケーキの箱を取り出し、東急ハンズで買った紙の皿とプラスチックのフォークも出す。Hちゃんがケーキを皿に並べる。
「わぁー、おいしそう♪」
「さあ、今度はグラスが出てきました。何が出るでしょう?」とこれまたハンズで購入したアクリルグラスにHちゃんの好きな赤ワインを注ぐ。
「それでは、Hちゃんのこれからの新しい門出とちょっと早いけど、メリークリスマス。」チン!二人で乾杯。
「Hちゃんは、自分で(ケーキを)買って食べたりするの?」
「どっちかというと、作る方なの。」
「へぇー、すごいじゃん。」
ケーキを食べ終えたところで、Hちゃんに苦労して持ってきた(?)花束を渡す。
「わぁー、ありがとう♪女の子ってお花もらうとうれしいものなのよ。だから、お店の人にもお花を頂戴っておねだりしちゃった。」
「喜んでもらって光栄です。続いてお餞別。」と引っ越しが済んだHちゃんの負担にならないように、がさばらない小物にした。
無情にもタイマーが鳴る。いつもの倍の時間にしたのに、Hちゃんと逢うときは、いくら時間があっても足りない気がする。
二人で生まれたままの姿で浴びる最後のシャワー。
「Hちゃん、最後の記念にお店の人に写真撮ってもらうようにお願いしてもいいかな?」
「うん、いいよ。」
着替え終わると、Hちゃんはフロントへ終了を告げる。そして、お別れのキス。
Hちゃんの手に引かれて歩く廊下の途中で
「Hちゃんに出逢えて、本当に良かったよ。」
「Hも。」
「○○ちゃん(店員の名前)、写真撮って。」フロントで二人の記念写真を撮ってもらう。Hちゃんの笑顔で手を振る姿に見送られてエレベーターへ。
「バイバーイ。」
自分も「バイバーイ。」といつもは声にして別れるのだが、今回は思いっきり手を振って応えるのが精一杯だった。後ろ髪を引かれる思いで店から後にする。
もうこれでこの店で2度とHちゃんに逢うことはない。最後に男泣きしてしまうのではないかと思っていたが、平静を保てたのはHちゃんの明るい性格のおかげだったのかもしれない。
Hちゃんを失った影響は、次第にジャブのように効いてきて、取り乱してしまうかもしれない。Hちゃんの丸い顔、ぱっちりした目、柔らかい唇、本人曰くハスキーボイスという声、明るい
性格などなど挙げたらきりがないHちゃんの魅力に触れる機会が無くなったのだから。でも、Hちゃんは私が落ち込むことを望まないだろう。私は信じている。近い内に再びHちゃんと
逢えることを。それまで元気でね、Hちゃん。
今回のプレイ料金 13:00〜15:00 120分 プレイ料43,000円+指名料1,000円=44,000円
横浜・曙町 ヘルス「ビージーンズ」 〜Hちゃんの巻D最終回〜