文学・ファンタジ−のページ
●ここは僕が本当に小さい頃から好きだった児童文学やファンタジー、神話や伝説などについて話します。

僕が初めて絵本以外の「文字」の本を読んだのは小学2年の夏休み、軽井沢の別荘でおじいちゃんやおばあちゃんと一緒だった時でした。退屈しないようにとママが買ってくれた推薦図書の「だれも知らない小さな国」(佐藤さとる原作)という本でした。小人の種族「コロボックル」と人間の「せいたかさん」そして「おちび先生」との不思議な出会いと友情、そして恋と青春の物語はその時僕がいた「夏の軽井沢」という周囲の環境の雰囲気と相俟って、僕にはとても爽やかでそれでいてどこか幻想的な、ちょっと寂しいような気分にさせてくれました。でもあまりに面白かったので、ママに頼んでその夏の内に続編の「豆つぶほどの小さな犬」、「星から落ちた小さな人」、「不思議な目をした男の子」と全部買ってもらい、一気に読んでしまいました。コロボックルに会いたくて別荘でも自宅でのベッドの下や、引出しの中、本棚の後ろや近所の草むらなんかを夢中で探し廻ったのをよく覚えています。クリスマスにはサンタさんにまで「コロボックルを友達にして下さい!」とお願いの手紙を書いたこともありました。 今はもうその別荘もおじいちゃん、おばあちゃんもいませんが、 「コロボックル」の本を見ると、今でもあの頃のキラキラしてた軽井沢での夏の日々のことを思い出し、とってもノスタルジックな気分になります。(1999.12.19)

「コロボックル」シリーズの次に大きく僕の心を揺さぶった本はお兄ちゃんが好きで読んでた星新一や筒井康隆のSFショートショートでした。お兄ちゃんのお古(?)の「ノックの音が」、「午後の恐竜」「ごたごた気流」といった星新一のお話は、SFというよりなんか子供向きのジュヴェナイルファンタジーという気がして夢中で読みました。もぐらロボットのお話なんか小学校の国語の教科書にまで出てまして、ワクワクして読みました。筒井も「脱走と追跡のサンバ」「七瀬ふたたび」「ミラーマンの時間」など、ジュヴェナイル的なのが好きでした。当時としてはちょっとどぎつかったですけど(笑)。近年「時をかける少女」「七瀬ふたたび」など昔映像化されたこれら「古典」がリメイクされることが多く、彼の好きなテーマである「多次元宇宙論」ではないけれど、時間の周期をしみじみ実感します・・。父親の製薬会社を継いでそれを手放さなければならなかった星と、一時絶筆宣言までした筒井・・現実に色々遭った人の方が空想の世界が広がることが多いのでしょうか〜? また最近観た画像化作品の感想などもお話しますね〜。(2000.6.16)