大正時代に作られた机の再生をいたしました。古い時代のものなので歴史を感じさせる
品物でした。古い机なのですが未来を先取りしたようなスタイルに見えます。パソコンデス
クのようにみえませんか?斜めになった天板にキーボードを置けますし、後ろ側の平らな
天板には液晶のモニターを置けそうです。右側のボックスには薄型タイプのPC本体が格納
出来そうです。修理の工程を順番にご案内いたしましょう。

上の二枚の写真は、お預かりしたときの写真です。非常に汚れておりました。
素材は桜材です。昔の人は机を桜材で作っていたのですね。材料が豊富に
あった時代だから出来たと思います。今は婚礼家具に使われる材利用です。
まず、汚れを落します。凸凹になった天板は平らになるまで削ります。昔の塗料
を全て剥離いたします。穴、ひび等を埋め、表面をきれいにします。


汚れ落とし、研磨等が終わりました机
です。本来の木そのものの色になりま
した。ここまでが、塗装前の下地の処理
になります。
この処理の仕方によりまして塗装後ので
きばえが大きく変わります。家具の塗装
は基本的に木目の分かる透明な塗装に
なります。素材をきれいに仕上げないと、
木の痛みがそのまま出ます。


完成写真です。下塗りに顔料系の着色材を使用しております。出来ればもう少し
薄い色にしたかったのですが、木そのものに汚れによるシミがあり、薄い色ですと
シミが消せなかったためこのトーンの色になりました。塗装はウレタン樹脂塗装で
艶を若干落してノスタルジックに仕上げました。

大正(親)、昭和(子供)、平成(孫)と3世代の歴史を見つめてきた机が、
今生まれ変わりました。

机の塗装

大切な物だから歴史に残したい、
語り継ぎたい、これが私の修理
へのこだわり、コンセプトです。