2 ユー・アー・ソーリー
Yulara(AyersRock)===AliceSprings===Melbourne
(1)オー・ラヴリー!Bacchus&Sin
私たち夫婦は、始めからアクシデントの連続であったが、エアーズ・ロックの1泊2日の
旅を満喫し、アリス・スプリングスに1泊してからメルボーンに着いた。空港には友人の
知人であるフェロースミスさんが出迎えてくれることになっている。初対面の人の出迎え
で果たして分かるのだろうかと心配であった。
「MIZUNOさんですか」と50がらみの夫婦が近づいてきた。意外であった。私たちの友人
の友達と思い込んでいたので、30歳位の人を考えていたのだ。ところが、実際には友
人の父親の友達夫婦だったのだ。何となく妙な感じを受けながら、私たちは車に乗せて
もらってひとまず彼らの家に向かった。
***
フェロー・スミスさんのお宅の前、閑静な住宅地であった。地下には卓球場とワイン蔵があり、
ビックリ。オーストラリアの平均的な家庭と聞いて又ビックリ。豊かさの基準が違う。
家族はご夫婦の他に犬のバッカス、
猫のシン。仲の良い姉妹の様な犬猫。
特に、奥さんの方はもう我が子の様に
「オー!ラヴリー!」 を連発。
溺愛状態であった。
【籠の中に寄り添って寝るバッカスとシン】
(2)ユー・アー・ソーリー
2日目、《どこへ行きたいか?》と聞かれ、日本人の悪い癖、《どこでも良い。》と言うと、
困った様子。どんな珍しい動物がいるか知らなかったが、動物園に行こうということにな
った。朝食を済ませ、いざ出掛けようという段になって、準備をして待っていたのだが
ご主人のフェロースミスさんが困った顔をして部屋に戻って来た。
「車の調子があまり良くないんだ。直ぐに修理屋を呼んで直してもらうから少し
待っていて欲しい。」
“ドンt、マインd!”
30分、1時間・・・修理屋さんはなかなか来ない。いい加減フェロースミスさんも堪忍袋の
緒が切れて、《直ぐに行く行くっていつまで待たせるんだ》と電話口で怒鳴っている。
私たちは、家の周りを散歩しながら暇をつぶしていると、2時間ほどして修理屋さんが
やって来た。
直った時はもうお昼前になっていた。
「動物園にも行けなくなってしまったネ。“アイム・ソーリー”」とフェロースミスさん。
私は《イインデスヨ》というつもりで、《イエス、イエス!》
クック船長の家や教会、それにショッピングで 百貨店にも連れていってくれた。 |
***
【後日談】
フェロースミスさん宅での出来事を後で友人に話をすると、彼は涙を出して大笑いをした。
「アイム・ソーリーといってイエスと言われた人はまずいない。《ユー・アー・ソーリー、お前が
悪い!》と言っているンだから。」
道理でフェロースミスさん、変な顔をしていた。