南仏の小さな村で10日間2014(1)

3月4日(火)パリ着・・(SNCF:フランス国鉄)・・オルレアン(1泊)・・(SNCF)・・ブールジュ(3泊:友人の家にステイ)・・
  ・・(SNCF)・・トウールーズ(1泊)・・(Bus)・・アンドラ(1泊)・・ラ・セウ(2泊)・・(Bus)・・バルセローナ(3泊)・・
  ・・(Bus)・・フィギュレス(1泊)・・(TGV)・・
ベジエ(5泊)・・(SNCF)・・サン・フルール(3泊:友人の家にステイ)・・
  ・・(Bus・SNCF)・・パリ(3泊)27日出発==28日(金)帰国

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3月16日(日)Figueres17h18----(TGV)----18h41Beziers                          H. ibis Beziers 泊

 フィギュレスから南仏のベジエには、TGVに乗って約1時間20分で予定通り着いた。ただ、私たち夫婦がが定宿にしている
ベジエの隣町までは日曜日ということもあって、もう最終バスは出てしまっている。そこで、この日はインターネットから
駅近くのホテルを予約しておいた。寝るだけだからということで安いことを最優先して、何と一部屋(2人/ツイン)34.85€。
円安計算としても5000円弱。ところが、これが失敗。狭い、狭い。ベッド、洗面所、部屋のスペース等、何から何まで狭

かった。これまで何回となく各地のH.イビスには泊まっているが、これほど狭いところは初めてだった。(>_<)

3月17日(月)                                                    H.Monestie 泊
 
  ゆっくり起きて部屋で朝食。早々にバスで定宿としている
 ホテルのある隣町のBoujan(ブージャン)に移動する。バス
 センターまではホテルから歩いて5分。まずインフォメーショ
 ンで回数券を買う。10枚綴りで3€。一回の乗車が0.3€
 (約45円)、しかも1時間以内なら何回でも乗り降り自由。
 信じられないくらい安い。ただ、南仏では他の町でもバスは
 安い。自治体が支援しているのだろうが、ありがたいことで
 ある。ブージャンのH.Monestieへはバスで15分~20分。し
 かもホテルはバス停の真ん前。誠に便利である。
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  ”ボンジュール”と言いながらドアを開けると、私たちを待っ
 ていてくれたかのように、いつも元気なナタリーがビーズをし
 て迎えてくれた。1年ぶりである。ナタリーはいつもベッドメー
 キングや掃除をしてくれる部屋のお世話係のおばさんである。
 デン!と構えたおかあちゃんという感じ。このところ2年続けて
 1週間ずつ泊まっていて、今回は3回目。いつも本当に良くして
 もらっている。日本から持参したほんのちょっとした土産であったが喜んでくれた。

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 ブージャン・シュル・リブロンは、人口約3500人の落ち着いた町である。健康都市を目指しているらしくとても大きな病院が
3つあり、町の規模からしては立派過ぎる位の運動施設もある。近年ベジエ郊外の住宅地として、新しい大きな一戸建ての家
が建ち始めている。少なくとも私が2年前に初めて滞在した時と比べ、町の中心地の店が増え、道路も良くなった。


 手荷物を部屋に入れ、昼食を兼ねてベジエの町に出ることにした。バス停でバスを待っていると、反対側のブージャン行き
が来た。バスが止まり、運転手が窓越しに「このバスに乗れ!」と手招きをしている。私は「町に行くんだ!」というように手で
町の方向を指すと、「○X△・・・」何やらペラペラとフランス語(当たり前)。訳が分からなかったが、ともかく「乗れ!」と言ってい
るらしいことは分かった。家内と一緒に二人が乗るとバスは発車した。この判断は正しかった。(^^)/ 後ですぐに分かったこと
だが、昨年の10月からバスの運行経路が変わり、ベジエに出るにはブージャンの町を通り、これまでとは別のルートで走行す
るようになったのだ。

 ベジエに出て迷路状になっている旧市街地をうろうろしていたら道に迷ってしまい、自分がどこにいるのか分からなくなってし
まった。すると、中学生位の女の子を連れたマダムに声を掛けられた。「ムッシュ、何かお困りですか」「実は、ここへ行きたい
のですが・・・」と地図を見せながら、たどたどしい、怪しげなフランス語で言うと、親切に「丁度そちらの方に行くから、一緒に行
きましょう。」と言ってくれた。
 「私の主人はビジネスで日本に行ったことがありますよ」「日本のどこですか?」「東京です。」「私たちは名古屋の近くの町に
住んでいます。名古屋を知っていますか?」と尋ねてみたが知らなかった。(>_<) 結局、町の中心の広い通りまで連れて行っ
てもらい、近くのレストランを紹介してもらって別れた。数分であったが、マダムの暖かい心に触れた思いであった。(^_-)-☆

 
【牛肉のカルパッチョ】=美味この上なしだった==右は、【ヤギのチーズサラダ】===マダムが教えてくれたレストランにて

3月18日(火)                                                    H.Monestie 泊

  オクトプスはベジエの町の中心にあるミシュランの一つ星のレストランである。昨年も行き、
 大変気に入ったので今回も昼食に行くことにした。ベジエでは日本人は大変珍しいと見えて、
 ボーイさんは昨年の私たちのことを覚えていてくれた(?)。
  「マダムは昨年は仔羊を食べたが、今年は美味しい仔牛のステーキですよ」と言う。
 これは本当に美味しかった。(☆☆☆) 150gは裕にあろうかと思われる肉の塊であった
 が、 家内も私もペロリと平らげた。しかも、その後「食べ過ぎ~!」という症状はなかった。
 余程肉質が良かったのだろう。ワイン付きで二人で48€だった。(☆☆☆)


   
 【アミューズメント:揚げ物にスポイドでソース(だし?)を入れて食べる】【アントレ:スモークサーモンとウサギ肉のサラダ】これも美味かった

 
【仔牛のフィレステーキ、アスパラ添え:赤ワインソースが抜群】                      【デザート、コーヒー付き】

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 オクトプスで昼食を取った後、町を少し散策してホテルに戻った。私は時間があったので、近くの床屋に出かけた。
昨年も《ものは試し》と行ってみたところ、マドモアゼルが剃刀と鋏で器用に上手にやってくれたので、今回も行ってみ
ようと思っていた。ホテルから田舎道を歩いて10分程である。
「ボンジュール」店に入ると、マダムとマドモアゼルが迎えてくれた。《昨年も同じ時期に来たことがあるが覚えているか》
と聞くと、「ビエン・シュール(勿論)」と応えた。余程日本人が珍しいのだろう。
一番奥の椅子に案内され、黒い前掛けに腕を通して座るとまず洗髪をされた。日本の床屋では布を体に掛けるだけ
であるが、フランスでは腕を通して着せられる。所変われば・・・である。髭剃りはオプションなのでやめた。昨年から
1€値上がりして16€であった。

  
【鏡越しに写真を撮る】                       【ホテルの部屋の窓から沈む夕陽を見る】

3月19日(水)                                                   H.Monestie 泊

 ベジエにはトウールーズから地中海に向かって全長約240kmのカナル・ミデイ(運河)が通っている。昔は物資輸送の
重要なルートであったが、現在は主に夏の観光ルートとして利用されている。1996年世界遺産に指定されている。その
運河の水門がベジエにある。天気も良いし、サンドウィッチを作ってハイキングに行くことにした。
天気は上々、風もほとんどなく、3月にしては暑いくらいであった。それでも流石にシーズンオフで、ベジエの観光名所も閑
散としていた。日陰を見つけ、ベンチに座ってのんびりサンドウィッチと持参したコーヒーを楽しむ。ゆっくりと時間が流れる。
至福のひと時である。
 高台からはベジエの町が一望できる。中世の巡礼の町でもあるベジエの大聖堂が、堂々と丘の上にそびえている。
運河の方から放水される水の音が聞こえてきた。この時期としては珍しく水門を船が通過するらしい。どこからともなく
観光客が見物に出てきた。

   
【ベジエの大聖堂の遠望】                  【運河の高低差を通過するための水門が9つある】  

 帰りのバス停でバスを待っていると、二人連れの若い女性から声を掛けられた。「バカンスですか?ベジエには何日いる
のですか?」「ベジエには5泊します。バルセロナから4日前に来ました。ベジエは3回目です。良いところですね。・・・・隣町
のブージャンのホテルに泊まっています。」「エッ?そのホテル、ひょっとしたらモネスティエでは?」「ウィ(そうですよ)」「私の
友達のナタリーが勤めていますよ。」「エッ!ナタリー!」 ということで、その後町の中心でバスを降りるまでおおいに盛り
上がった。別れ際、ナタリーの友人のマリカがナタリーにコメントを書くから渡してくれという。「ビエン・シュール」と言って受け
取った。ホテルに戻りそのメッセージをナタリーに渡すとびっくりしていた。思いも依らず楽しいひと時であったし、良い1日
だった。

3月20日(木)                                                  H.Monestie 泊

 隣町のアグドにバスに乗って出かけた。30分乗って、運賃は例によって1.5€。ともかく安い。ただ、シーズンオフのためか
市場は込み合っていたが、他は閑散としていた。期待外れの町であった。
 帰りは時間の都合でSNCF(国鉄)で帰ったら、二人で9.4€。バスの3倍以上だった。(´Д`)
  
【プラタナスの並木道を行く】               【賑わう市場】                        【大きなビルの壁にだまし絵あった】

3月21日(金)Beziers9h37----(SNCF:IC)----14h05St.Flour

 沢山の楽しい思い出を残して、私たちは友人の待つ中央山塊のオーベルニュ、サン・フローへ向かった。4時間半の
列車の旅である。