南仏の小さな村で1週間2015(1)

3月2日(月)Gernoble12h30--(TER)--13h34ValanceTGV14h22--(TGV)----16h26Beziers  Beziers:H.Le Monestie 泊

 グルノーブルの友人宅を昼前に出て駅まで送っていただいた。昼食のサンドイッチを駅構内の売店で買ったのだが、
店員の手際の悪さで客が長蛇の列。ようやくの思いで電車に間に合った。約1時間の普通電車の中で昼食を取った。
車窓にはフランスの田舎の景色。山沿いの地域なので雑木林がどこまでも続く。峠を越えると高原の広い畑に出た。

  ヴァランスTGV駅は近代的なTGV(フランス新幹線)
 への乗換駅である。この時期、丁度フランスの春のヴァ
 カンスにあたり、駅構内は大勢の観光客で賑わってい
 た。
  どこからか心地よいピアノの音が聞こえてきた。フラ
 ンスの少し大きな駅だと構内にピアノが置いてあり、子
 どもから大人まで誰でも自由に弾くことができる。さすが
 芸術の国である。この日は『おじさん風』の人が上手に
 奏でていた。
  約50分の乗り換え待ちの時間はいつの間にか過ぎ、
 TGVの人となった。列車も結構混んでいた。今回の南フ
 ランスの旅は、私たち夫婦と友人2人の4人旅である。
 友人2人は2日前にパリに着き、東駅から同じTGVに
 乗っているはず。電車の中で待ち合わせということにし
 たのだ。
  私たちがTGVに乗ってしばらくすると、友人の一人が
 私たちの席まで来てくれた。『やあ、やあ、やあ』(^_-)-☆

 夕刻、予定通り南仏の町ベジェ(人口約7万人:地中海沿岸、ラングドック地方の主要都市)に到着。TGVの止まる駅
には大体においてエレベータやエスカレータがあるのだがベジエの駅にはなかった。その為、ホームの階段で重たい
荷物を上げ下げしなくてはいけない。日本の新幹線駅では考えられないことだ。実は、私は3カ月ほど前に肘に腱鞘炎
を起こし大変なのだ。ただ、なかなか治らないというのも年齢としたことか。

 ホテルへ行くには町の中心にあるバスセンターまで出て、そこからまたバスに乗って20分ほど掛かる。ただ、駅前から
町の中心まで無料のバスが出ている。(^_-)-☆ と思ったら『昨年中止された。』という。待てども待てども来ないはずであ
る。仕方なく有料のバスでバスセンターへ向かう。ホテルはベジエの郊外、ブージャン・シュル・リブロンの村の入り口にあ
る。やっとの思いでホテルに到着。
「ボンジュール」マダムが私たちを迎えてくれた。(^_-)-☆

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 ベジエ郊外のブージャン・シュル・リブロンは、人口約3500人の落ち着いた町である。健康都市を目指しているらしく
とても大きな病院が3つあり、町の規模からしては立派過ぎる位の運動施設もある。近年ベジエ郊外の住宅地として、
新しい大きな一戸建ての家が建ち始めている。少なくとも私が3年前に初めて滞在した時と比べ、町の中心地の店が
増え、道路も良くなった。

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3月3日(火) ベジエ市内散策                                        Beziers:H.Monestie 泊

 ベジエはオルブ川の高台に位置する歴史的景観に優れた町である。トウールーズから地中海に向けて中世に作られた、
世界遺産のミデイ運河が通っており、以来盛んに交易が行われていたが、現在は夏を中心に観光船が行き来している。
また、ラングドック地方のワインやその関連産業の中心地でもある。

 私たちはホテルの直ぐ前にあるバス停から町へ出た。何と言ってもバス代が安い(10枚綴りの回数券が3€:約400円、
1時間以内なら何回でも乗り換えられる)ので助かる。天気にも恵まれ、まず、大聖堂に行ってみた。南フランスの濃い
青空に教会の白亜の壁が目に染みる。

 
【大聖堂の直ぐ下には、12世紀のサン・ジャック教会がある。 眼下のオルブ川に架かる弓型の橋を巡礼が行き来した】

 午前は街歩き、昼食はレストラン《オクトプス》に行った。このレストラン、最近、ミシュランの一つ星を獲得しただけ
あっていつも満員。安くて、美味しいから尚更。ボーイさんは3回目の私たちを覚えてくれていた。(^_-)-☆

   
【町の中心にあるポール・リケ遊歩道に市場が出ていた】

 
午後5時頃にホテルに戻る。私は 一人村の床屋さんに行く。年に1回、毎春現れる私を若いマダムはしっかり
覚えていてくれた。フランスの床屋さんは頭を刈るだけで、どこの床屋さんでも髭は剃ってくれない。だから終わる
のがやたらに早い。15分位だ。16€。それでも、コーヒーを出してくれたこともあり、サービスは良い。勿論フラン
ス人、愛想はとても良い。
 帰り際、「また、来年」と言ってくれた。

3月4日(水) Beziers9h37--(IC)--11h25Millau                         Millau:H.Commerce 泊

 重たいバゲージはホテルに置いて1泊旅行に出る。ミヨーである。ベジエから国鉄で2時間。山の中の小さな町
である。この町が一躍有名になったのは、『雲海の上に顔を出す、世界一高い橋』ができたからである。2004年
12月の開通。全長2,460m、支柱の高さは343mでエッフェル塔や東京タワーよりも高い。この橋の完成に当
たっては『作業員の食事がめっぽう美味かったからできた。』とのエピソードも残っている。フランス人にとっては
大事な問題だったのだろう。

 ミヨー橋の下を電車が通る。その迫力に圧倒される。実は、2007年の8月、友人の車に乗せて貰って私たち
夫婦はこの橋を渡っている。(ここをクリック)この時も少なからぬ興奮を覚えたが、鉄道で橋の下をくぐり、それ
を真上に見たときの迫力はまた格別のものであった。車窓にくぎ付けにされた。
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  昼食はインフォメーションで紹介された、気軽なビス
 トロで食べる。この地方の料理、アリゴ(チーズとじゃ
 がいも)はチーズがしっかり伸びて美味しかった。
  午後はミョーの町を散策。皮製品の加工が盛んで
 カバン屋さんや手袋屋さんが多くあった。
《サイトから掲載=雲の上のミヨー橋》

 

  
              =綺麗なミヨーの町並みと手袋屋さん=

 【ミヨー橋の夕暮れ】

3月5日(木)Millau13h28--(TFR)--15h28Beziers                       Beziers:H.Monestie 泊

 午前中ミヨーの街をゆっくり散策した。再び町のインフォメーションに行き、飾ってあったミヨー橋のポスターを
売って欲しいと言うと、マダムは考えた末、「只で良いわよ。」と言って、気前よくくれた。(^_-)-☆






  帰りの車窓からも橋がきれいに見えた。
 『もうこの目で見ることはあるまい。』と思いながら目に焼き
 付けた。

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  この日、ベジエのホテルの2階の部屋からは夕陽が実に
 綺麗に見えた。特に、家内はこの夕陽が見たいが為にこの
 ホテルに泊まりたいのだと言う。






 
                                                         つづく