南仏の小さな村で1週間2012〜Boujan sur Libron ☆☆☆

 この春私達夫婦は次のような日程でフランスを旅した。 
  2月21日(火)名古屋空港発8時25分--(成田)--(パリ)--20時05分トウールーズ国際空港着  トウールーズ3泊
  2月24日(金)地中海沿岸、スペイン国境へ移動                                コリウール3泊
  2月27日(月)南仏ラングドックのベジエ郊外の小さな村に移動            ブージャン・シュル・リブロン6泊
  3月04日(日)南仏からパリに移動:ホテルで友人達と落ち合う                          パリ1泊
  3月05日(月)友人達と4人でノルマデイへ発つ           カーン2泊 オンフルール2泊 ル・アーヴル1泊
  3月10日(土)ノルマンデイからパリへ                                         パリ3泊
  3月13日(火)パリ発18時05分ーーー
  3月14日(水)              ーーー(成田)ーーー名古屋空港17時着

 23日間の旅を3回に分けてご紹介します。ご覧ください。

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 2月27日(月)〜3月4日(土)の7日間
フランス人にもほとんど知られていない南仏の
小さな村、Boujan sur Libronに1週間滞在した。
 
ベジエ(Beziers)郊外のこの村は、医療とスポーツ(健康)に力を入れ、急速に人口が
増加して現在約3000人の村である。
《ゆっくり、のんびり》をテーマに過ごした私達夫
婦は至福のひとときを過ごした。
 まず、《なぜこの村を選んだか?》それは、ホテル代が信じられないくらい安いということ
に尽きる。ホテル検索サイト、Booking.comでの評判も良く、風呂付き、ベッドも申し分なく、
部屋も広い。おまけに従業員の方々は大変フレンドリーで楽しく過ごした。それで1部屋
(2人)1泊40ユーロ。
(^_^)/~
 ホテルの名は"Le Monestie"(2ツ星ホテル)。初めての日本人とのことであった。

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2月27日(月)晴れ
 スペイン国境まで20Km位のコリウール(Collioure)という田舎町から、ペルピニャン
(Perpignan)までバスに乗って出た。約1時間を要したが運賃は1ユーロ。安い!狐に
摘まれたような感じ。そして、PerpignanからBeziersまでは普通電車(TER)に乗る。電
車は空いていて、清潔な車内からは綺麗なラングドックの海が見えた。

【車窓の両側に広がる海に女房興奮
  約1時間でBeziersの駅頭に立った。1週間
 滞在する村へ行くためには、ここから街の中
 心部のバスセンターへ行かなければならない。
 辿々しいフランス語でマドモアゼルに聞くと、
 自分も行くから次に来るナベット(小型バス)
 に乗れば良いと教えてくれた。《来た来た。
 アレだよ!》と教えてくれる。バス停に待って
 いた人のほとんどが乗り込む。
  運転手さんに《いくらですか?》と聞くと、
 《いらない!》という。??一瞬私のフラン語
 が通じていないと思った。
しかし、見れば周り

の人も誰もバス代を払う様子はない。近くにいたおじさんがニコニコして“フリー”と言って
くれた。Perpignanまでのバスといい、ここでも信じられないことが起こった。

 バスセンターの近くの広場に到着すると、さっきのおじさんが私の重いバッゲージを
バスから降ろしてくれた。更に、《バスセンターはあそこだよ》と言いながら、私達を案
内してくれた。フランス人の親切心に触れた思いである。嬉しくなった。
 今の日本ではどうだろうか。町中で外国人が困っているのを見たとき?自分ならど
うだろうか?事前に調べておいたバスに乗って約20分、バス代は1人0.5ユーロ。
降りたバス停の真ん前がホテルであった。

2月28日(火)晴れ
 天気も良いし、Beziersの街に出てみようということになった。バスセンターの窓口に
行って、《カルネ(回数券)はありますか?》と聞くと、《10枚3ユーロだ》という。何と、
1回が0.3ユーロなのだ。迷わず20枚買った。駅から街の中心部までは無料だし、
市民の足として市が財政支援しているのだろう。そのためか、バスはいつもかなりの
人が乗っているし、街は賑わっている。《税金をどう使うか》旅行中ではあるが、フトそ
んなことを思った。

 ヴィクトール広場近くの家庭用品屋さんに入ると日本人らしき女性の2人連れ。《こん
にちわ、でいいのかしら》と向こうから声がかかった。《こんな田舎ではあまり日本人に
はお目にかからないのですが・・・、ベジエにお住まいですか?》と尋ねると、《いえ、旅
行中です》と。もし、地元にお住まいの方なら美味しいレストランの情報をいただこうと
考えていたのだ。長野の方で、毎年春に2ヶ月間ほどアパートを借りて旅行していると
いう。今年はスペイン、ポルトガルと周り1週間前からベジエの郊外にいるという。ただ、
驚いたのはこの親子連れ、お母さんは78歳。杖をついて歩いている。《今年が最後と
思って・・・》と。元気を貰ったような気分で別れた。

 その後、適当なレストランが見つからず、カフェで簡単に昼食を済ませる。そして、1時
間程フリータイムにし、小生は情報集めのためにインフォメーションに行く。辿々しいフラ
ンス語であるが、受付のマドモアゼルが辛抱強く聞いてくれて何とか用を足した。Beziers
でのマルシェ(青空市場)開催の曜日、トラヴェラーズチェックの換金のための銀行の所在
地、Pezenasへの行き方など。周りのマダムやマドモアゼルも私の怪しげなフランス語を
面白がって聞いてくれる。これがコミュニケーションというもの。たくさんの資料をくれた。
その中に、Herault(エロート:Beziersは県庁所在地)県内の町で開催されるマルシェの
一覧表のパンフレットがあった。観光客のマルシェに対する関心の高さが伺えた。

街の中心街の通りで、小学生が先生に引率されて遊んでいる。何か分からないが、紙吹雪をまき、かんしゃく玉を鳴らして大騒ぎ。
明らかに学校の行事。面白い行事に出会った。

2月29日(水)晴れ
 インフォメーションで貰ったマルシェ情報によれば、金曜日にBoujan sur Libronで朝市があるという。
《情報集めに行って来る》と言ってホテルを1人で出た。村までバスで約10分。午前10時。村のカフェ
には3〜4人のおじさん達がコーヒーを飲みながら何やら話をしていた。私は、村の雰囲気を楽しみ
ながらブラブラ歩く。そして、村の中心にある教会に寄り、役所前広場へ行ってみた。《金曜日、マル
シェはどこであるのですか?》3人で立ち話をしていたマダムに聞くと、《ここよ。たくさんの店が出るよ。
八百屋、チーズ屋、肉屋、洋服屋・・・・。》

 帰りは歩いて帰ることにした。結構急な上り坂を30分程歩いた。高台からはBoujanの村が一望で
きた。天気も良いし、風もない。桜が満開だった。ベンチで一休みした。


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昼食はホテルの近くのレストランで食べた。
上はアントレ(entree)で、左がシェフお薦めの「テリーヌ」絶品! 右は「スープ・デ・ポワソン」(魚スープ)
下はメイン(plat)、左は羊肉(赤ワインソース)、右は太ネギのジャンボン(ハム)巻き(シェフお薦め、これ又絶品!
昼のMenuで14ユーロ
大満足でした!

  昼食の後はホテルで《ゆっくり、のんびり過ごす》ことにした。日本から持参した本「下駄
で歩いた巴里」〔林芙美子紀行集・立松和平編〕を読んだり、友人にハガキを書いたり、旅
行中の日記を付けたりした。
そして、夕方は二人で散歩をした。

  

【高台から望むBoujan sur Libron:村の中心に教会が見える】 【部屋の窓からは綺麗な夕日が毎日のように見えた】

3月1日(木)晴れ
 ベジエの中心部まで20分弱、0.3ユーロの安さは
30分に1本でも大変便利だ。ホテル
を9時半に出る。目指すはマルシェ。行って見ると閑散としている。食料品は売っておらず、
花の市だった。私達は食料品目当て。夕食用に鶏の丸焼きとその油で焼かれたジャガイモ
やタマネギが買いたいと意気込んで行ってみたのだが・・・。

 

 3月の午前はまだまだ冷気が漂い、少々の寒ささえ感じる。人出も少なく、何となく寂しい
雰囲気。そういえば、インフォメーションのマドモアゼルの話によれば、それほど離れていない
広場でも《マルシェ》が開かれているという。そこに行ってみようということになった。数分歩い
た小さな広場であったが、そこは食料品ばかりの《マルシェ》で、野菜、果物、肉、ハム、
チーズ、パエジャや鶏の丸焼きもある。極め付きは、生きた鶏が《コッコ、コッコ》と鳴きながら
辺りを走り廻っている。勿論、売り物。うさぎも檻に入れられて売られていた。《マルシェ》は
活気があり、本当に面白い。

 
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  11時過ぎになり、小生は1人でNarbonne郊外の風光明媚なGruissanへ行くことにした。
予定では2人で行くことにしていたが、家内は疲れが出てきたので行かないことにした。結
果的には、彼女は行かなかった方が良かったかもしれない。バス旅の難しさを味わうことに
なったのだ。

 Beziers(ベジエ)--(国鉄SNCF:10分)--Narbonne(ナルボンヌ)--(バス:30分)--Gruissan(グルイッサン)


 ナルボンヌでバスの時間まで30分程あったので、10分程休んだ後、駅舎の隣にあるバスセンターに行く。
運転手さん達3人が立ち話をしていた。《グルイッサンへ行きたいのだが、バス停はどこですか?》と尋ねると、
《あそこの赤い色をした
 バス停の印が見えるか》と50m位離れた標識を教えてくれた。ところが、そこへ行ってみると違っていた。近
くにいた人に聞くと、3〜4分歩いて行った所だという。時間が迫っていた。私は急ぎ足で教えて貰った所へと
向かった。結局、時間ぎりぎりで間にあった。とにかく、ぎりぎりでも間にあって良かったと、ホッとして乗り込む。
《ボンジュール!、グルイッサンに行きたいのですが、いくらですか?》と片言のフランス語で運転手に尋ねると、
《アン・ユーロ》1ユーロなのだ。安!感激し、バスの人となった。

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 30分程でグルイッサンに着く。ところがところが、街は閑散としていて、人がほとんど見あたらない?? 1時半
を過ぎていたが、レストランや店はほとんどが閉まっている?この街は金曜日が定休日(?)と日本的発想。ヨット
ハーバーの見えるレストランを漸く見つけて、遅い昼食を採ることにした。4人の親子ずれが一組いるだけだった。
それでも、ともかく私は《折角海の近くに来たのだら》と思って《ホタテのグリルのきのこ添え》と白ワインを頼んだ。
すると、気の良さそうなマダムがつまみにオリーブをサービスしてくれた。ところで、《どうして街が閑散としているの
か?》と聞くと、《シーズンオフだからだ。4月からは大変賑わう》とのことであった。

  
 【ヨットは沢山あったが、閑散としていた】                【12世紀の城から見たグルイッサンの街】

 《12世紀の城へはどう行ったら良いか》をマダムに聞いてレストランを出る。海岸線を、遠くに見える城を目指して
歩く。南仏と言っても、3月の風はまだ冷たかった。町外れにある古城まで20分位で着いた。なるほど古い。崩れ掛
けている。50m程の高さでもグルイッサンの街全体が見渡せ、紺碧の海と茶褐色の屋根のコントラストが綺麗だった。

 古い城を降りて再び街に入る。立派なペタンク場があって、たくさんの人たちがやっていた。地元の人に聞くと、ナ
ルボンヌまでのバスは、そのペタンク場の前から出ると教えてくれた。バスの時間までまだ1時間もある。私はベンチ
に腰掛けてペタンクを見て楽しんだ。
 そこまでは良かった。

 帰りのバスの時間が来て、一人バスを待つ。風は依然強かったが、空の青さと海の碧さが綺麗だった。ところが、
10分過ぎても、15分過ぎてもバスが来ない。その時、遠くの方をバスが走って行く姿を見た。アレ?自分のいるバ
ス停は通らない?行ってしまった。確かにその辺りはバスの路線がかなり複雑なのだ。予定のバスはあきらめて街
の中心まで歩いた。次のバスまでに40分近くある。カフェも開いていない。仕方ない。ヨットハーバーなど辺りをうろ
うろして時間をつぶした。《今度は間違いがないように》と思い、バス停の前の家のおじさんが出てきたので確認する
と、彼は時刻表を見て、《次は16時33分か。もうすぐ来るよ》と言って家の中に入っていった。しばらくするとバスが
来た。ホッとして(^_^)/~、私は右手を挙げて運転手に合図を送る。
 すると、ヒゲをはやした中年の運転手は、手を振って停まらずに通過して行くではないか。アレ〜!(*_*) どうし
て?
一瞬、頭の中は真っ白。全く理解ができない。なぜ、なぜ、なぜ???焦る。(*_*)

 近くのインフォメーションに行ってみた。実は、ナルボンヌから着いたときインフォメーションに立ち寄ったのだが、
その時は閉まっていた。《開いていてくれ》と思いながら行くと、今度は開いていた。街の地図を貰い、ナルボンヌ行
きのバス停を確認すると、《50m程先だ》と教えてくれた。行ってみると、次のバスは17時35分と書かれていた。
《ヤレヤレこれで帰ることができそうだ》(^_^)/~と思ったが、念のためにインフォメーションで確認してみようと思って
引き返した。聞いてみると、果たして《今日はそのバスはない》《なぜ、なぜ、なぜ?》私は自宅のPCで打ち出し
たバスの時刻表を出して、《サ、サ、ここ、ここ》もうほとんど日本語である。《ムッシュー、よく見てください。ここに
シーズンオフにはこのバスはない、とあるでしょう。次は18時33分です》とマダムは言って、欄外の小さな字を指
さした。冗談じゃない。本当に小さな字で書いてある。勿論フランス語である。そんなこと私に分かるはずがない。
ただ、シーズンオフに運行していないバスの時刻には緑色の網掛けがしてあった。《この印は何だろう》ということ
は思っていた。そのことだったのだ。

 結局、次のバスで帰るとベジエからホテルに帰る最終バスに乗り遅れる恐れがある。それに《あまり遅くなれば
家内が心配するだろう》という思いから、マダムにタクシーを呼んで貰うことにした。1ユーロで済むところ、約25
ユーロ掛かってしまった。しかも、ナルボンヌで約40分。更に、ベジエからホテルへのバスが出たところで、25分
待たされ、ホテルに戻ったのは7時30分を過ぎていた。
 お疲れさまでした。(=_=)

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3月2日(金)晴れ
 村の役所前広場で《マルシェ》の開かれることは、水曜日に調べておいた。何せ、1人0.3ユーロのバスだから、
便利、便利。郵便局に寄って、日本やオーストラリア、フランスの友人などに絵はがきを出した。そして、広場には
10時頃着いた。ところが、《マルシェ》とは名ばかり。5〜6台の車による店があるのみ。客の数もまばら???
先日マダムに聞いたところでは、結構賑わうようなことを言っていたのだが。20〜30分うろうろしていたが、新し
く店が出る様子もない。結局、パン屋さんでバケット2本と昼食用にイカの肉詰めを1つ買って、バスでホテルに
戻った。11時過ぎであった。

 ホテルの部屋のテーブルの上には、《マルシェ》で買ってきた《イカの肉詰め》《トマト》《チーズ》にパン、それに、
昨日のマルシェで買った《鶏の丸焼き》の残りなどが豪華に並んだ。勿論、ワインで乾杯!至福のひとときである。

 私達の旅では、基本的に朝食と夕食はホテルの部屋でピクニックをする。そして、昼食はできるだけ地元の人
で賑わうレストランに入ることにしている。その意味でスーパーやマルシェ巡りは欠かせないのだ。体調に合わせ
て食事を楽しむことができるし、勿論、費用の節約にもなる。参考までに、日本ではあまり食べられなくてフランス
で食べられる食材にはいろいろあるが、私達がいつも必ず食べるのは、《マッシュルーム》《チーズ》《ハム類》など、
それに、勿論《ワイン》。

 2時頃から1人でBeziersに出た。家内はホテルで本を読んで過ごすことにした。

 地図を片手にまずは、橋を渡り《ローブ川》の対岸から大聖堂の勇姿を見ようと急いだ。《ポン・ヌフ橋》から見る
大聖堂は威風堂々、すばらしいの一言に尽きる姿だった。写真を撮りまくり、公園で一休みした後、大聖堂へと向
かった。道が入り組んでいる上、急な上り坂ですっかり汗をかいてしまった。内陣や中庭などさすがに大聖堂であっ
た。

 
【ベジエ大聖堂の勇姿と内陣】

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3月3日(土)今日も晴れ
 家内の腰の調子もかなり良くなったということで、午前中、バスでCanal du Midi(ミデイ運河)の水門を見に行くことにした。
9つの水門があり、公園になっている。勿論、今はシーズンオフで船の運航はないが、たくさんの船が停泊していた。《夏に
なれば賑わうだろうなあ》と思いながら、葉の落ちたプラタナスの並木道を歩く。9つもの水門が連続してあるということは、
高度差がかなりあるという意味でる。一番上の水門まで行ってみることにした。春のうらうらした昼下がり、のんびり二人で
歩む。シーズノフとはいえ、陽気の所為か三々五々散歩を楽しむ人達がいる。サイクリングを楽しむ親子連れもいる。良い時
間を過ごした。

 

 バスで《駅まで出よう》ということになり、来たバスに乗り込むと、先ほどと同じ運転手さん。《1時間以内であるから今回は無料だ》と。
《知らなかった》が、ともかく《ラッキー!》(^_^)/~

 昼食は、駅近くの大きな公園(Plateau des Poetes)の池の畔で、ホテルで作ってきた熱いコーヒーと共にサンドウイッチをほう張る。
大きな桜の木があり、今を盛りに咲いていた。《ゆっくり、のんびり》時は過ぎて行く。1時間半位居たろうか。

 午後は、家内はホテルに戻り読書。私は市内をブラブラすることにした。Beziersは中世の古い町並みが残っている。地図を見ても
道が入り組んでいてなかなか目的地まで行き着けない時がある。と言うより、自分が今どこに居るのかさえ分からなくなってしまうの
だ。面白い街である。何度も聞きながら漸く12世紀に建てられたSt.Jaque(サン・ジャック教会)に着いた。ただ、扉は閉ざされ、ビク
ともしない。《15世紀の巡礼は、高台に立つこの教会を目指して歩んで来たのだろうな》と感慨を新たにした。

 その後、丁度近くに《歴史博物館》があったので立ち寄り、ベジエ駅裏の《運河》に行ってみた。ここにはなかなか見ることのできない
光景がある。《ローブ川》を運河が跨いでいるのだ?考えてみれば当たり前だが、珍しい光景を見ることができた。運河の両岸には
大きなプラタナスの並木道が続いている。ベンチがあったので、用意したコーヒーをのんびり飲んで休んだ。時間がゆっくり過ぎて行く。
贅沢な時を過ごした。

 
【ローブ川を跨ぐミデイ運河】

 家内が一度は食べてみたいと言っていたフランスの《ミルフィーユ》を買って帰ろうとケーキ屋さんを探す。先日街を歩いた時は何軒か
あったはずだが、いざ探すとなるとない。(?_?) 狭い町並みを15分くらい探し、小さな広場に出たところにあった。《ボン・ジュール》店内に
入ると、すらっと背の高い、格好の良いムッシュに迎えられた。《ミルフィーユを1つください》1つ買う人はあまりいないとみえて、2つ用の箱
に入れて丁寧に包んでくれた。ただ、持ち帰るのに苦労した。《2.2ユーロです》彼は愛想良く応対してくれた。《オ・ルヴォワーる!》

3月4日(日)晴れ
 6泊した田舎のホテル。結構楽しんだ。何と言っても40ユーロ。Collioureの3ツ星ホテルも57ユーロで安かったが、Parisの常宿の
3ツ星ホテル80ユーロと比べても何ら遜色ない。敢えていうなら、エレベータがないこと位か。部屋から毎日のように眺めた夕日は一品
だった。
 家内曰く《来年また来たいね》

 
【ホテルのマダムはフレンドリー】                 【パリまでのTGVは事故の影響で1時間半遅れで発車した】