南ブルゴーニュの秋(2)

 Paris---Troyes---Tournus====Cluny====Sumer en Brionnais====Malfarat====Beaune---Bourges---Paris



  丁度1年前の2014年秋、ドイツ・フライブルグに住む友人
 ご家族とフランス・南ブルゴーニュを車で旅した。ブルゴーニュ
 と言えばワイン。ただ、今回私たちが旅したのは、あまりワイン
 とは関係のないブリオネ地方。フランス人にもあまり馴染みの
 ない地域である。
  Mさんご夫妻とはこれまで何度もご一緒している。私たちは
 いつも彼らの車に乗せていただき、鉄道やバスではいけない
 所へ連れて行ってもらう。田舎道をゆっくり巡る。歴史と自然を
 満喫した。








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10月17日(金):クルニー(Cluny) ☆☆

 
ドイツ・フライブルグに住むMさんご家族(ご夫妻&大ちゃん)とトゥールニュ駅前で待ち合わせた。少し風もあるが天気は上々。
南ブルゴーニュの田舎道を快適にドライブ。
(^_-)-☆ Mさんが予約しておいてくれたレストランで昼食を済ませた後、クルニーへ
向かった。

 
《田舎道を車で走る。あちこちに城も点在する》

《クルニー修道院》

 

 

 クルニーは910年にベネディクト会によって創設された修道院を中心に栄えた巡礼地である。現在も巡礼者も大勢いるが、
多くは観光客。大きな駐車場には観光バスが沢山止まっていた。私たちも多少離れた駐車場に車を置いて修道院へ向かった。
修道院は、流石に大きく威厳に満ちていた。ただ、この修道院は1789年のフランス革命の時大部分が破壊されたため、現在の
建物はその後建てられたものである。初期の内陣の柱頭が中庭の大きな倉庫(小麦粉の元貯蔵庫)に並べられていた。
 修道院を出ると結構な町があった。女房連は美味しそうなパン屋さんを見つけ、夕食用にパンを買った。そして、その日泊まる
シャンブルドット(B&B)に向かった。途中までは順調であったが、見つからない。住所は分かっているが、田舎なのではっきりしない。
村の人に聞いてもなかなか分からない。車でうろうろ、うろうろ・・・・・・。1時間位行ったり来たりしてようやく見つけることができた。
大きな農家のシャンブルドットだった。



10月18日(金):マルファラ(Malfarat):ブリオネ地方☆☆

 
農家の一室を改装した部屋はこじんまりしていたが、ベッドも良く、水回りもしっかりしていて、居心地の良い部屋であった。隣の
牛小屋から《も〜!》という鳴き声に目が覚めた。大きな木の扉を開けて外に出てみると、新鮮な少し冷たい空気が胸いっぱいに
広がった。『今日も天気が良い!』(^_-)-☆ 私たち夫婦は建物の裏手に回ってみた。無造作に花が咲いていた。朝露に少し濡れた
草が生き生きとしていた。
 マダムが窓越しに、《朝食の準備ができている》という仕草で私たちに知らせてくれた。私たちが靴底に付いた泥を取って食堂に
入って行くと、Mさん親子はもう先に座って待っていてくれた。シャンブルドットの朝食は定番の卵焼き、ハム、チーズ&カフェ・オーレ
などなど。殊更マダム手作りのラズベリーのジャムが美味しかった。
 5歳の大ちゃんは大変利発な子であるが、私たちとの旅に少々興奮ぎみであった。で、彼がちょっとふざけた仕草をしたその時、
ジュースの入ったコップをひっくり返してしまった。《あ〜、あ〜》 テーブルの上にジュースが・・・・・・。『マダム!』と急いで彼女を呼
んで布巾を貰い、急いでテーブルや床を拭いた。母親のNさんがマダムに誤ると、彼女は無表情であった。《・・・・・・・・・》

 
私たちは予定通り午前8時半に出発した。マダムは出て来なかった。
「エーッ? マダムが見送りに出て来ない。感じ悪る〜! 子供がジュースを零したから? 泥の付いた靴で食堂に行ったから?」
「こんなこと初めてだ! シャンブルドットのマダムはどこでも親切で、優しいのに?」 
マダムは余程虫の居所が悪かったらしい
???

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《モンソー・レトワールの教会と貴重(有名)なタンパン(右写真):教会正面の部分》

     《アンジ・ル・デュック(ブリオネ地方で一番美しい村)の鐘楼をバックに》

   

     《セミュール・アン・ブリオネ:12世紀の鐘楼》
    

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ようやく探し当てたセミュール・ア・ブリオネのレストランは、大きなガラス窓越しに見える牧草地を眺めながら、土地の名物、
シャロレ牛を食べた。噛むと確かな牛肉の味が口いっぱいに広がった。
 そして、予定通り午後4時、2日目のシャンブルドットに着いた。