春のフランスを旅する(4) 田舎にホームステイ(2) 2017.4.19〜4.22
4月19日(水)晴れ Angouleme10h26==(TGV)==11h26Saint Pierre de Courp12h29===13h36Angers 知人宅泊
午後予定通りアンジェの駅にダヴィッドが車で迎えに来てくれていた。彼は10日程前に私たちがホームステイさせて
貰ったパトリックの息子さんで、彼が留学生として日本に来ていた時以来の付き合いである。今は結婚し、親元から
約200km離れたアンジェの郊外で《バイオ農業》を始めようとしている。
エキサイテイング-その1
実は、彼は1年前までパリのど真ん中でサラリーマンをしていた。ところが、パリやニースのテロを切っ掛けに脱サラ。
ただ、こともあろうにこれまで経験したことの無い《農業》を始めることにした。ビジネスマンから農夫への転職である。
信じられないことである。ただ、この地は温暖な気候に恵まれ、フランスの農場と言われている。若いダヴィッド夫妻が
この地を選び、バイオ農業を始めるには絶好の地である。15万ユーロ(約1800万円)で4ヘクタールの農地と古い
大きな農家を買ったが、直ぐに住めるわけではなく、昨年の夏から水道工事や電気工事、床のタイル貼り、壁塗りなどを
自分たち夫婦二人で楽しみながらやり、ようやく住めるようになった。内装など工事費は全部で800万円位は掛かる
ようだ。フランスではこのように自分で内装補修してしまうことは良くあることのようである。若いって良いなあ!
また、農場の広さにビックリしていると、《隣近所の農家は大体100ヘクタール位、だから、4ヘクタールでは本当に
ちっちゃな農家です。》とのことだった。
《遠くに見える隣の家までがダヴィッド家の農地:広い農地にはリンゴやスモモ、栗やクルミ等10数種類の果実の大きな木があった。》
テーブル・ソファ・立派な戸棚等は前の住人が置いて行ってくれた。床タイルは買ってきてこれから自分たちで貼る。 |
ところで、今彼らの経済的な裏付けはどうなっているのか。その点が一番気がかりでもあり、聞いてみたい処であった。
曰く、《失業保険が退職時の給料の57%、2年間に亘って支給される》 それが夫婦二人であるから退職前と比べれば、
一人分の給料より多く入って来る。しかも、《パリにいたときの家賃は月8万円、それが今ローン返済は月5万円。普通に
生活はできる。》とのことであった。フランスの社会福祉政策の充実ぶりをみた感じがしたが、一方で国の懐がパンクしそうで、
いろいろと見直される時期に来ているらしい。これも大統領選挙の争点になっているとか。
《夫婦二人で造ったキッチンで炊事、今日の夕食の大部分は自給自足。肉もののみスーパーで購入》
4月20日(木)晴れ
《午前中近くの町の青空市場に行く。賑わっている。》
《アンジェのお城》 《市役所前広場で一休み》
私たち夫婦はもう40年も前に一度このアンジェを訪れている。その時、アンジェのお城にあった《ヨハネの黙示録》の
タピスリーに痛く感心した思いは覚えているが、それ以外は殆ど思い出せなかった。昼食はインターネットで評判の良い
ブラッセリーを見つけ行くことにした。
エキサイテイング-その2
この時の昼食が今回の旅行中1番美味しかったと言っても過言ではない。私のアントレ(前菜)は牛の頭の肉と半熟卵、
家内のそれは、鴨肉の燻製とヤギのチーズ&野菜。牛の頭の肉はコリコリしていて、コラーゲンが一杯だった。メインは
豚のホホ肉と牛肉の赤ワイン煮。絶品。添えられた太ネギがとろっと煮込んであり、絶妙な味であった。美味しいものを口
にした時ほど幸せなことはない。(^_-)-☆
《帰りがけ、巨大な住宅設備、工事用品販売店に寄る:専門家が常駐し、丁寧に教えてくれる。》
田舎の夕陽は本当にキレイだ 夕食用につまみとして昼間市場で豚の耳を買って来た。 コリコリして歯触りが良かった その他、白人参の揚げ物は、まるでサツマイモのようで ほくほくしていた。 白ブーダンは《しんじょう》のよう。美味しかった。 日本では口にしないようなものを食べさせてくれた。(^_-)-☆ |
《左端が白人参、右端が豚の耳》 |