=フランス 旅のエトワール(8)=

 旅をしているとエトワール(星)のようにきらりと光るいろいろな楽しいこと、珍しいことなどに出会うことがある。
私にとってのフランスのエトワールをご紹介いたします。


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SNCF(フランス国鉄)

 
《パリ・リヨン駅:博物館のように立派》                            

 
駅舎内にはいつも期待と哀愁が漂っている。私はこの空間が好きだ。(^_-)-☆

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 フランス国鉄の普通電車(TER)は、全国を21のブロックに分けて地方ごとに運行している。勿論、2つのブロックに
跨がって乗り入れするTERもあるが、基本的には地方の大都市圏を中心に動いている。
 下写真の車両は新型車。どの地方に行っても同じ形(いもむし型)で、中はとても綺麗で気持ちが良いし、電車の床と
ホームの高さがほとんど同じで、年寄や車いすでも簡単に乗ることができる。
 大体時刻表通りに運行しているが、乗客は電車が多少遅れてもあまり気にすることはない。1時間位遅れても平然と
しているし、日本のように『遅れて申し訳ない』というような放送は決してしない。もともとそのような気持ちは持ち合わせ
ていないようだ。
 SNCFのストライキにはこれまで何度となく出会った。一端ストに入ると短くても3日、長い時は1週間も続く。ただ、スト
ライキでも電車が全く動かないわけではない。いわゆる間引き運転の時が多いようだ。ストにも住民からの不満はあまり
聞かない。《労働者の権利》に対して理解をする人が多い。私がストライキに出くわして、ONE DAYトリップに行けなく
なった時、ホテルのマダムは、『あらそう、フランスの名物に出会ったのね。それも良かったじゃないの。』とけろりとして、
『お気の毒様』の一言もなかった。

 

 2014年に信じられない、とんでもないことがあった。フランス人に言わせると、いかにもSNCFの体質そのものとのこと。
下の写真は、パリから約400km南のリモージュ駅の光景。丁度私が訪れたときに写真を撮ったもの。ホームの幅を狭く
するための工事をしているところである。

どういうこと?なぜ?
 その年、SNCFでは新型車両を導入するということで、車両製造会社で多数の車両を造った。で、試運転をしようとしたところ
車両の幅が広すぎて駅ホームに進入できない状態に陥ってしまった??? 設計ミス?で済むことではない。全国の駅でその
状態。電車はもうでき上がっている。そこで、SNCFは全国の駅のホームの幅を狭くするということで解決を図った。その後、
国鉄のトップは辞任した。2014年のこと。

       

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 SNCFの駅には、基本的に改札口はない。そこで、電車に乗る前に《COMPOSTEUR》(コンポステ)と書かれた
黄色の機械で切符に日付・時刻を刻印しなければいけない。これを忘れて乗車すると、理由のいかんを問わず無賃乗車
として3倍程の料金を取られるとか。

 そして、ホームに行くと《列車の停まる位置》が表示された板がある。特急やTGVはものすごく長く列車を繋いでいるので、
確認しておかないといざ乗る時になって慌てることになる。しかも、列車番号が連番になっていない時もある。(>_<)

   

 《Teoz》は田舎を走る在来線の特急。古い列車のタイプが多い。1等車も2等車も料金があまり変わらない時も
あるが、乗ってみると解る。1等車でも座席のシートが破れていることがある。検札は必ず来ると思っていた方が
良い。車掌さんには女性もかなりいて、皆格好いいし、愛想も良い。
(^_-)-☆
 日本との違いは、車掌さんは検札の仕事が終われば、《今日の仕事は終わり》とばかりに、ビュッフェでワインを
飲みながら乗客と話をしている。《何か御用はありませんか》《次はどこどこに停まります》と言いながら車内を廻る
ことはほとんどない。

 パリと地方を結ぶフランスが誇るTGVは、近年路線がどんどん延びている。ただ、その分在来線が廃線となり、
バス輸送に切り替えられていることは気がかりである。

 
《パリ・モンパルナス駅構内のTGV:日本の新幹線より静かで安定感がある》