=フランス 旅のエトワール(2)=
旅をしているとエトワール(星)のようにきらりと光るいろいろな楽しいこと、珍しいことなどに出会うことがある。
私にとってのフランスのエトワールをご紹介いたします。
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=ゆっくりのんびりトラムが走る=
私がフランスで初めてトラムに乗ったのはジュール・ヴェルヌ
の生まれ故郷、ナント(大西洋岸ロワール地方)の街でである。
かれこれ30年も前のことである。調べてみたら、ナントのトラムは
なんと(!)フランスで初めてLRT(Light Rail Transit:近代型
路面電車)が導入されたのだとか。以後、30年間で22都市に
新規軌道が敷かれ、今日のフランス各地での市民の重要な足
となっている。1980年代初頭、時のミッテラン大統領が地方分
権政策の一環の交通政策として普及させていったのだそうだ。
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’カン、カン、カン’と、警笛を鳴らしながらゆっくりとホームに
入ってくる。その前をご婦人方があわてることなく、知らぬ顔し
て横切ってゆく。ゆったりした時間が流れているように思う。
切符を自動販売機で買う。買い方を若いお兄ちゃんが親切
に教えてくれた。カラフルな綺麗な切符が出てきた。1時間
乗り放題。何回乗り換えても良い。確か、30円位だったと記
憶している。
パリ市内のトラムは、2006年12月に開通した。13区の中華街とセーヌ河までの間約8km、一般環状道路に新たに敷かれた。 沿線には大学や国際見本市会場、大規模なスポーツ施設などがある。ここも偶然開業1か月後に乗った。延線工事をしていて、どんど ん延ばしている。今度行った時はどこまで延びているだろう。楽しみである。パリでは地下鉄をはじめ、RER(都市高速鉄道)など大変 便利な鉄道網がある。確かに早くて便利ではあるが、乗り換える時ホームからホームへの距離が遠かったり、階段がべら棒に多い。 その点、LRTは低床のため大変乗りやすい。そして、静か。まだまだ利用できる距離が少ないため利用者の数は少ないが、沿線の 人達は大変便利に使っているようだ。 |
ボルドーのトラム は交差点で十文字に交わっている。このようなことは 他の街でもよく見られる。ゆっくり走っているから危険なことはない。 |
マルセーユのトラムはデボチンタイプで愛嬌がある |
《フランスのトラム》
日本での路面電車は最近でこそ少し注目をされ始めてきたが、まだまだ市民権を得ているとまではいえない。
ところが、ヨーロッパではどの国も路面電車をどんどん延長している。ドイツ、フランスは元より、東ヨーロッパ
諸国でも市民の足として愛されている。それは、現代のスピーデイな、効率を求める社会に対する反省から、
あるいは人々の郷愁にも似た気持ちの表れかもしれない。
フランスでは1985年から2014年までの30年間で22都市で開通しているが、2020年までに8都市の
開通を予定している。バスと共に市民の足として愛され続けることだろう。