フランス リムーザン・ペリゴール美食の旅(3) 
                                          2016/3/3(木)~3/22(火)

3月 03日(木)          1泊2日  パリ
   04日(金)~ 7日(月)  3泊4日  ブールジュ(友人宅):パリから南へ約100km
   07日(月)~11日(金)  4泊5日  リモージュ:ブールジュから南へ約300km
   11日(金)~14日(月)  3泊4日  ペリグー:リモージュから南西へ約100km
   14日(月)~17日(木)  3泊4日  ブリーヴ ラ ガイヤルド
   17日(木)~19日(土)  2泊3日  ポアテイエ
   19日(土)~21日(月)  2泊3日  パリ
   22日(火)                 帰国

 昨年11月13日(金)のパリの同時テロで一旦はフランスへの旅行をあきらめていたが、そんなことを言っていたら
これから行けなくなるかもしれないと思い行くことにした。先ずは友人宅にお邪魔し、その後は夫婦2人で気ままに
失敗をしながら美食の旅をした。フランスの田舎の美味しいものをいっぱい食べたが、結局《旅は出会い、旅は人》
であった。思い出を数回に分けて報告をしたい。

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=Perigueux(ペリグー)= 3月11日(金)~14日(月)3泊4日

3月11日(金) Limoges11h03---(TER:普通電車)---12h12Perigueux             ペリグー泊

《SNCFペリグー駅:フランス国鉄の伝統的な形をした駅舎》

  ペリグーの国鉄駅は町はずれにある。フランスでは
 よくあることである。私たちは駅と町の間にあるホテル
 を予約していた。地図を見ながらホテルに向かう。かな
 りの距離、ゴロゴロとバゲージを引きながら坂道を上が
 る。15分はたっぷり掛かった。
  『雨でなくて良かったなあ。』
  『ボンジュール!』マダムが笑顔で迎えてくれた。部屋
 で暫し休憩をした後、私たちは昼食のためにホテルを
 出た。さすがにペリゴール地方の中心都市。街中はか
 なりの人が出ていた。ホテルのマダムに教えて貰った
 美味しいレストランを目指す。なかなか見つからなかった
 が、土地の人に聞きながらようやく見つけたのだが、『バ
 カンスのため休業』とドアに張り紙があった。(>_<)
  仕方なく近くのブラッセリー(食堂)に入ることにした。レ
 ストランやブラッセリーを探すとき、私たちは『土地の人

たちで賑わっている』ことを基準にしている。OK!土地の人でかなり賑わっているブラッセリーを見つけた。
 『ボンジュール!』若い黒い前垂れをしたボーイさんが迎えてくれた。二人とも『本日の定食』舌平目とマッシュ
ポテト&温野菜。食の都ペリグーでの第1日目の昼食としてはちょっと物足りなかった。

 昼食後、Office de Tourisme(観光案内所)に行く。実は、フランス人の友人から『ペリグーに行ったら、是非ブラントンへ
行くと良い。』と薦められていた。そこへの行き方を聞いておかなくてはならない。しかも、ペリグーでは土曜日に青空市場
が立つ。それも楽しみにしていた。案内所のマダムは、バスの発車時刻や停留所、市場の開かれる広場など丁寧に教え
てくれた。ブラントンへのバスは『土曜日にはあるが、日曜日には1本もない。』ということが分かった。さらに、『日曜日は
店は全て閉まり、町は閑散としているから電車に乗って近くの村にある洞窟にでも行って来たらどうか。』と提案してくれた。
 その後、私たちはスーパーマーケットに立ち寄り、夕食の食材をゲットして早々とホテルに戻った。 本日終了

3月12日(土) 市内散策                                       ペリグー泊
 『土曜日の午前中に青空市場が立つ』ということは案内書で知っていた。むしろ、全体の日程計画の中での大きなポイント
でもあった。なにせ私たち夫婦は青空市場が大好き。その雰囲気が何とも言えない。人々の生活感が直に伝わって来る。
 朝起きて窓のカーテンを開けると、青空が広がっていた。(^_-)-☆ 朝ご飯を食べて、私たちはワクワクしながらホテル
を出た。午後にはバスに乗って友人に薦められたブラントンへも行くのだ。
 私たちがまず行ったのは、ホアグラや鴨肉のみを扱う専門の市場。さすがにペリグー、食の本場である。天気が良いの
にどういうことなのかテントを張り、その中で店を開いている。一風変わった市場であった。生の鴨肉、ホアグラ、缶詰の
鴨肉やホアグラ。私たちは、それまで見たことも食べたこともない『スモークした鴨肉のホアグラ巻き』を買った。
《帰国後食べたが、やはり絶品!

 

《下写真の左の黒い肉片はスモーク鴨肉、その下が『ホアグラのスモーク鴨肉巻き』》 《下右写真は鴨の丸生肉》
 

  

 土曜日には街中の4つの広場で青空市場をやっている。私たちは、珍しい鴨専門市場で買い物を済ませ、古い狭い
道を通り抜けて行くとバグパイプの音が聞えて来た。大勢の人たちで賑わう広場の一角で何やら踊っている一団がいた。
『アイルランド民謡に合わせて、町のグループで踊っている』とのことであった。市場と共にみんな楽しんでいる。
 ペリグー地方はハチミツの産地でもある。『栗のハチミツは特産』と聞いていたので市場の中を探してみると直ぐに分かった。
純正ハチミツを売っている。『このハチミツ、おじさんが作ったの?』と聞くと、『NON!これは八チが作ったんだ。』と。(^_-)-☆
大笑いであった。みやげとしては重いとは思ったが、2つゲットした。

 そうこうしている内に、ブラントンへのバスの時間が迫ってきた。観光案内所のマダムが教えてくれた近くのバス停に15分前
には着いた。天気も良いし、風もない。絶好の日和である。10分も待つとバスが来た。『アングレーム行き』とある。『このバス
じゃない。ブラントンへは、ノントロン行きのはずだ。』『運転手さんに聞いてみたら?』と家内に言われてみたものの、私は『行き
先が違うのだから…』と思い、聞かなかった。
 そのバスは、5分近く停まっていたが、発車して行った。ただ、私たちが乗ろうとしているバスは来ない。『フランスのバスは遅
れることは当たり前?』・・・・・・・結局、15分待ってもバスは来なかった。(>_<)
 『どうやらさっきのバスがそうらしい。』観光案内所でもらった時刻表を確認すると、『アングレーム行き』に乗るとある。(>_<)
私の思い込み。『何で聞かなかったの!』当然のお言葉。彼女は友人が教えてくれたブラントン行きを大変楽しみにしていた
のだ。大失敗!気まずい思いを引きずりながらホテルにもどった。
 コーヒーとサンドイッチで簡単な昼食を採り、午後は1時間程街歩きをして本日終了とした。

3月13日(日) 市内散策                                        ペリグー泊
 『日曜日、殆どの店は閉まっているからドルドーニュ川流域の古代洞窟を見に行ったらどうか。』と観光案内所の親切なマダ
ムに言われてはいたが、楽しみにしていたブルトン行きがダメになり気持ちも乗らず、洞窟見学行きもヤメとなった。

 ペリグー最終日。翌日のブリーヴへの移動のために駅に切符を買いに行かなくてはならない。ペリグーを午前中に発ち、
昼にはブリーヴに着く予定であった。しかし、《ブリーヴに急いで行くことはない。夜遅くならなければ良い。》と思い、《ブラントン
に行って来てから、夕方ペリグーを発ったらどうか。》と考えた。バスの時刻表、国鉄の時刻表を調べてみた。すると、ブリーヴ
には少し遅くなるが、《何とかブラントンに行って来られそうである。》ということが分かった。
 その計画を家内に言うと、勿論、彼女は大賛成であった。(^_-)-☆
 
 市内にいては店も閉まっていて何もすることはないが、食の都・ペリグーでは1度はきちんとしたレストランで食べてみたいと
思っていた。ホテルのマダムに相談すると3軒のレストランを教えてくれた。ただ、1軒は初日に《ヴァカンスで閉まっていた店》
そこで、ホテルに近いレストランに行ってみることにした。行くと、(>_<) 本当に付いていない。評判の良いそのレストランは
丁度改装中で閉店していた。(>_<) ただ、私が改装中の店の中を恨めしい顔付きでのぞき込んでいると、中から白衣を身に
纏ったシェフらしき人が出てきた。『ボンジュール!』『ここで食事ができなくて残念だ。』というと、申し訳なさそうに『私の知って
いる別の美味しいレストランを紹介しましょうか。』と言ってくれた。親切にも彼はその場で携帯電話から予約をしてくれた。
何と、そのレストランは、ホテルのマダムが教えてくれた3軒の内の最後に残ったレストランだった。(^_-)-☆

 予約した12時までにはまだ少し時間があった。前日の賑わっていた街とは全く違った顔をした街であったが、プラプラ散策を
してみた。すると、広場では小さな青空市場がやっていた。前の日の《栗のハチミツ屋さん》が居て、一緒に写真を撮らせて
もらった。カフェも一軒開いていた。『アレッ?あのおばさんだ!』 実は、前の日街中で、『近くにスーパーマーケットはありま
せんか』と歩いていたマダムに声を掛けると、親切にもスーパーの前まで私たちを連れて行ってくれた、そのマダム居たのだ。
『ボンジュール!』と私が声を掛けると、マダムは一瞬びっくりしたようであったが、直ぐに、満面の笑顔で私たちを迎えてくれ
た。そして、ペリグーの思い出として快く一緒に写真を撮らせてくれた。『自分たちは日本人で、旅行に来ている。ペリグーには
3泊し、明日はブリーヴに行くのです。』『元気に行くんだよ!』

 


《家内:ボラ 私:腎臓:どちらも今一》(>_<)

 
                             《川の対岸から見た大聖堂:夕日に映えて綺麗だった》

3月14日(月) ブラントンへ小旅行  Perigueux18h10---(TER:普通電車)---19h19Brive la Gaillarde
 私の思い込みから一度行き損ねたブラントンに、《今日は行くんだ》と言ってホテルを出た。月曜日の午前中、あまり人は
出ていなかった。それでも店のウインドウを覗きながら、狭い路地をブラブラ歩いていると、何と、何と!《あのおばちゃん!》
おばちゃんの方も気づいて、《ボンジュール!》 旧知の仲であるかのように自然にハグッてしまった。毎日出会ったことに
なる。近くに住んで居るのだろうが、出会ってしまう奇遇に驚いてしまった。

 12時10分発。バスは定刻に出発した。ペリグーの町を抜けると緑の丘をすいすいと走った。途中、小さな城が2つ程
あった。そして、40分で憧れのブラントンに到着した。《とうとう来た》の思いであった。私たちは、到着後すぐに昼食の
ためにブラッセリーに入った。これが大正解。今回の旅行中で一番美味しかったと言っても過言でない程美味しかった。
私は、《今日の定食》前菜がホアグラ、メインがアニョ(仔羊)、デザートはアイスクリーム等5品&コーヒー。これで25€。
家内は鴨肉のステーキ単品。18€。どれも、これも絶品!であった。

 
               《前菜:ホアグラ メイン:アニョ(仔羊) 下の写真:デザートと鴨肉》
 

《下の写真:左建物:現在は市役所(お城だった) 奥の建物が大聖堂》
 

 ブラントンは思い通り綺麗な町であった。ただ、月曜日は店がほとんど閉まっていて、スーパーが1軒開いていたのみ。
観光客の姿もあまりいない。ブラッセリーは開いていたが、帰りのバスまでの3時間をどう過ごすか。昼食をゆっくりゆっくり
採って外に出た。教会の鐘の音が街中に響いている。思わず足は教会の方へ向いた。川の流れる音がする。空気は澄ん
で本当に気持ちが良い。静かな町に鐘の音が一段と響く。川の向こう側の大聖堂の前に、何やら大勢の人たちが並んでい
る。教会でこれから何かあるのだろうか。《できれば私たちも加わって教会の中に入ってみたい。》と思って橋を渡って近づく
と、ム、ムッ・・・・・。喪服を着て、白い花束を持った人が何人かいた。教会ではこれから葬儀が行われるようであった。大き
な鐘の音は亡くなった方への鎮魂の響きだったようだ。これでは私たちが入って行くわけにはいかない。

 風もない春の暖かな午後を、教会の鐘の音と川の流れを聞きながら至福の一時を過ごした。ブラントンは思い出の地と
なった。『来られて良かったね、』(^_-)-☆

 その後、バスでペリグーに戻った後、私たちは次の目的地ブリーヴに向かった。

                                                         つづく