春のフランスを旅する(3) ポー&アングレーム  2017.4.15〜4.19

4月15日(土)曇り Toulouse10h31----(IC)----12h47Pau                       ポー

 

 トゥールーズから特急で約2時間、《ポー》に着いた。《ポー》はナントの勅令で知られるアンリ4世が生まれた町として、
フランス人には有名である。高台にある町の中心地に行くためには無料のケーブルカーがある。乗車時間はたったの
2分。と言ってもこの急坂を重たいバゲッジを持って登るのは大変。市民にとっては毎日のことで尚更の事。5分間隔で
動いているのだから便利この上なしである。
 《ポー》に来た目的の1つはピレネーの山々を見ることであった。私たちはケーブルカーを降りて、まずはピレネー
通りという、そのビューポイントに行ってみた。しかし、雲に隠れてピレネーの山は見ることができなかった。( ゚Д゚)
『仕方ない。また、明日にしよう。』と行って、先ずはホテルに向かった。歩いて5分。ホテルは街の中心広場に面して
いる。直ぐに分かった。小奇麗な二つ星ホテルで、3階の部屋の窓からは素晴らしい景色が見え、眼下には広場で
はしゃぐ子供たちの声が響いていた。
 土曜日の午後、街は市民や観光客で賑わっていた。私たちはスーパーマーケットで夕食のための食材を求め、
ホテルに戻った。そして、部屋でゆっくりとした時間を過ごした。

 
《街中は市民や観光客で賑わっていた。》                                 《観光列車》

4月16日(日)イースター:晴れ 市内散策

  
  《ホテルの部屋からの景色:イースターの朝、広場は閑散としている》

 
                         《大聖堂とその内陣》

《アクシデント》
 イースターの日、旅行者にとってはアクシデントとしか言いようがない。店は勿論、レストランも閉まっている
ところが多い。街中に人気が無い。ただ、教会や城は開いているので、取りあえず行ってみようということに
なった。午前9時半、天気は上々、『ピレネーの山々は見えるに違いない。』と思い、ピレネー通りに行って
見た。イースターのため?? 天気は良いのだが、雲に隠れて見ることはできなかった。(>_<)残念!
 大聖堂は朝早いためか静寂につつまれ、威圧感なのか重苦しささえ感じた。15分位休んで、その後
すぐ近くのポー城に行くと、そこには観光客が大勢いた。どこにも行く当てのない観光客がここぞとばかり
に皆集まってきている感じであった。
 ともかく、受付に行き入場料9ユーロX2を払うと『15分位ここで待っていてください。』とマダムが言った。
それを聞いて《イヤな予感》 ある程度見学者が集まってから城内を案内してくれるらしい。『モン・サン・
ミッシェルの時のように、部屋に入る度に鍵を掛けられ、先に行けないようになるんじゃないよね。』と
家内が言う。彼女にとってはあまり関心のないところで時間の無駄はしたくないという思いがあるのだ。
しかも、説明がフランス語だと全く分からず苦痛意外の何物でもない。
 果たして、30分待った挙句の果て、予想が全部当たってしまい・・・・・・。 確かに疲れの残った1時間
だった。(>_<)

 
                             《アンリ4世のポー城と見事なタピストリー》
 
《私のアントレ:ホアグラ・腎臓・鴨肉など》  《家内のアントレ:見事な白アスパラと生ハム》

 
《私のメイン:骨付き仔羊》                        《家内のメイン:骨付き鴨肉》

 今回《ポーに行ってみようか。》と考えたもう一つの目的は、実は、20年も前に《ポー》で食べた《鴨ステーキ》が
忘れられず、今回も是非食べてみたいと思ったからだ。その時の《鴨ステーキ》、考えられないほど分厚く大きな
一品であった。『こんな鴨ステーキ食べたことない。』と感動しながら食べた思いがある。是非、今回もとそのレス
トランを訪ねてみると、イースターのため?閉まっていた。(>_<) この目的もあえなく果たすことができなかった。
 仕方なく、開いていた隣のレストランに入った。私のアントレ(前菜)も家内のアントレも期待以上に美味しかった。
フランス人はイースターでは仔羊をよく食べるらしい。私もメインは仔羊にした。ところが、私の食べた《仔羊》は骨
ばかりで、肉がほんのチョットしかない。クレームを付ける分けにもいかず、ただただ、苦い思い出だけが残った。
(>_<)

 
                           《ポー城の裏庭を散歩》

4月17日(月)晴れ Pau8h52--(TER)--11h15Bordeaux15h26--(TGV)--16h23Angouleme   アングレーム泊
《エキサイテイング》
 9時前の電車に乗るために、少し早いがホテルを8時に出た。実は、駅に行くために、《ポー》に着いた時と同じように
ケーブルカーに乗って下りようと考えていたのだが、それがイースター休暇で午前中は運休であることが事前に分か
ったのだ。歩いて坂道を下らなければならない。
 ホテルから歩いて5分、高台のピレネー通りに出ると、何と、何と、緑の山の向こうに、『エーッ!ピレネー山脈が
見える。』
思わず声を上げた。雪を冠った山々がくっきりと見えた。『来て良かった!』(^_-)-☆

     
     《ポー、ピレネー通りからの雪を冠ったピレネーの山々》

 ボルドーへの車窓からもくっきりとピレネー山脈が見えた。私は少々の興奮を覚え、シャッターを押した。
フランス国鉄(SNCF)からのビッグプレゼントだった。(^_-)-☆

 実は、《ポー》から《ボルドー》の間、私がうっかりしていて切符を二重買いしてしまった区間である。二人で
54ユーロ(約6500円)の無駄をしてしまったのだ。更に、フランス国鉄では1時間も乗っておれば、普通は車掌が
検札に来るのだが、この時は検札も来なかった。2つも切符を持っているのに。そうしたものである。

 車中はイースターのためか結構混んでいた。普通電車(TER)にしては珍しい。途中、ダックスという駅で20分位
停車していた。乗り継ぎの電車が遅れているらしい。最近のフランス国鉄にしては珍しい。ただ、乗客は電車が遅
れる事にはあまりストレスを感じないらしい。日本人と少し違うところであろう。結局、ボルドーには10分遅れで着
いた。私たちはボルドーで一旦降り、駅前のレストランで昼食を採って後アングレームに向かった。

4月18日(火)晴れ 市内散策                                   アングレーム泊

     
     《以前は宮殿、アングレーム市役所》

 
《日本と違い街中はいつも賑わっている》                  《地方都市での地下街は大変珍しい》

 

《何じゃこれ》=壁のだまし絵
 午前中市内をぶらりとした後、ホテルのマダムに推薦して貰ったブラッセリーに行ってみた。街の中心地にあるこの
ブラッセリーは直ぐに分かったが、手前の建物を見てビックリ。壁のだまし絵。教会の手前に二人のレスビアンの姿が
画かれているのだ。しかも何やら妖しげな雰囲気。こんな絵が街の中心地のビルに描かれている。その前で子供が
無邪気に遊んでいる光景は私にはとても理解できなかった。

  

 昼食のアントレ(前菜は暖かいかぼちゃスープの真ん中にアイスクリームがあった。これがまた絶妙な味であった。
メインは小生が仔羊、家内は鶏肉。これまた柔らかくて美味しかった。

《アクシデント》
 美味しい昼食を終え、満足して一旦ホテルの部屋に戻った。《アッ!リュックを忘れた!》《エッ、航空券や切符が
入っているんでしょ!》と家内。《行ってくる。》と言って私は部屋を飛び出した。幸いブラッセリーはホテルから直ぐ近く。
お店に入ると、マスターが《来たナ》とニコニコしながら迎えてくれた。《あそこにあるよ!》と私の座っていたテーブルの
下を指した。リュックはあった。田舎町の小さなブラッセリーであり、《まずあるだろう》とは思っていたが、ホッとした。
これがパリならどうだったろう、とか、気づくのが遅かったらどうだったかとも思った。
 ホテルに戻ると、家内が心配して部屋のドアから身を乗り出して待っていた。心配を掛けてしまった。反省の巻

   
   《高台に凛として立つアングレームの大聖堂》

4月19日(水)晴れ Angouleme10h26--(TGV)--11h56Saint Pierre de Corps12h29--(TER)--13h36Angers 知人宅泊
 アングレームでは老舗の由緒あるホテルに泊まった。もう20年も前に1度この田舎の町に来たことはあるが、今回もう
一度訪れてみようと言い出したのは私だった。落ち着いた町の雰囲気が味わいたかったのだ。しかも、街の高台に凛とし
て立つ大聖堂は見事。もう一度見てみたかった。
 電車の出発の前に少しの時間があったので、私たちは朝の散歩に出掛けた。落ち着いた町の雰囲気を十分に味わう
ことができた。
 そして、知人の待つ次の宿泊地へと向かった。