海印寺(ヘインサ)
   大邱===(高速道路)===海印寺 

   大邱の市内を通り抜け、私たちは次の訪問地
世界遺産の『海印寺』
   向かった。バスは京釜高速国道を西へ快適にひた走る。車窓にはここは
   日本かと見間違えるほど緑の多い農村地帯が広がる。
   「30年前は山は赤茶けていたのだが、植林が進み、すっかり緑が多く
   なりました。」と嬉しそうにガイドの鄭さんが話す。

   大邱から1時間余り、カヤ山海印寺が近づいた。紅葉の時期にはさぞか
   しすばらしいだろう渓谷をバスはゆっくりと狭いつづらの道を山道を登
   る。しばらくして、駐車場に到着。
ユネスコ世界遺産「海印寺」である。
   駐車場には何台ものバスが並んでいる。韓国屈指の観光名所でもある。
   ただ、緑の濃さと空気の新鮮さそしてちょっと冷たい心地よい風が私た
   ちの気持ちを落ち着かせてくれた。

うっそうとした緑の森に心洗われて山門をくぐる。参道が続く。世界遺産に相応しい重々しさを感じる。

   ユネスコの世界文化遺産に登録された『八万大蔵経』 は高麗の高宗代の
   国家事業として1236年から16年に亘って彫られた
木版で、国宝
   第32号に指定されている。

建立当時の姿をとどめる三層の石塔とご本尊の納められた寂光殿(左):陽明門さながら、すばらしいの一言
木版に彫られた
8万1258枚の経典
14〜15世紀にかけて、
足利義満らが
寄与を求めて幾度となく
使いを出したという。
厚かましくも、寂しい話である
***
これぞ世界遺産
気の遠くなるような経典の量だ
600年の重みと
韓国の人々の
宗教に対する心を思う

   この『海印寺』については全く予備知識がなかった。『すごい所を
   見せられた』という感じであった。韓国には日本人の知らない所が
   まだまだいっぱいある。

   寺の境内の売店で、病気で療養中の義父に『お経』を染めぬいた
   手ぬぐいを買った。駐車場に戻ると、新たに観光バスが着いていた。
   「若い人でも殆ど茶髪をしていないね。」
   「韓国ではそんなことしたら親が注意しますよ。親の言うことは絶対
   ですから。儒教の教えです。」
   日本では考えられないことである。

   1時間30分の滞在の後、私たちは次の訪問地
『扶余』に向かった。
   ただ、高速道路でのスピードと車間距離の無さにはヒヤヒヤした。
   これは儒教の教えの中にはないようである。