フランス 旅の極意 ルッソン8
Lecon8 アクシデントも楽しい思い出
これまでいろいろなアクシデントに遭遇した。バッゲージが無くなったこと3回。
エレベータに閉じこめられたこともあった。もう20年も前のことであるが、パリか
ら大韓航空で帰ってくる時、アラスカのマッキンレー山が噴火しアンカレッジに着陸
できず、バンクーバー回りになったことがあった。給油で着陸した成田では降ろして
くれず、ソウルに1泊してからの帰国となった。
いろいろなアクシデントも時を経ると懐かしい思い出となる。ただ、その時はどう
なることかと不安になったり、心配したり。ただ、お陰様で我が夫婦とも今まで命に
関わるようなことには遭遇していない。
@ アッ、ショルダー!
巡礼の出発地、フランス・ヴェズレーの村にバスで降り立った。この時家内は足の具
合が思わしくなく、慣れないステイックを使いながら歩き始めた。後ろから様子を見て
いた私は、《今日一日大丈夫かな?》と思いながら後に続いた。カテドラルへの坂道を
5分程歩いたところで、家内がスットンキョウな声をあげた。
「アッ、バッグがない!バスの中!」
バスはすでに折り返して出ていった後である。《どうしよう》家内は頭真っ白でパニク
ッている。手提げの中には、クレジットカード(2枚)、現金1000ユーロ(16万
円相当)、トラヴェラーズチェック1000ユーロ、円5万円その他化粧道具などなど・・・
とにかく《インフォメーションに行ってみよう》ということで行ってみると、まだ早く
て開いていない。20分程待って入ると、若い女性がいて、《バス会社に連絡を取ってみ
ましょう。運転手さんも良く知っていますし。》と言ってくれた。私達は彼女の言葉に期
待をした。
そして、《もし見つかれば午後の最終便で持ってきてくれる》ということになった。
それまでの間、家内にとっては世界遺産のカテドラルも美味しい昼食も上の空。長い1日
が過ぎて、バスの到着する30分程前にインフォメーションに行ってみると、
朝の女性が《申し訳ありません。無かったとバス会社から連絡がありました。》(>_<)(*_*)(>_<)
それからが大変。まず、何はともあれクレジット会社に連絡をしてストップしなければ
ならない。その為に、電話をしたり、FAXをしたり、インフォメーションの方や近くの酒屋
(ワイン屋)のおじさんには大変お世話になった。
翌日、保険のことを考え《紛失証明書》を発行して貰うために、宿泊しているアヴァロン
の警察(Police)に出向き事情を話すと、《ここではなく、Gendarmieに行け》と言われた。
勿論、フランス語の世界でポカンとしていると、親切にも《車に乗せて行ってあげる》と
いうことになり、私達夫婦は2人の警察官護衛付きで護送(?)されることになった。
着いたところは、偉くいかめしいところだった。後で聞くと、そこはフランス軍に直属
する警察機構で、主に、司法警察、交通取り締まりなどを担当する部署であった。着いた
と同時に、事務所で4〜5人の大きな男の人に迎えられ、《パスポートは大丈夫か》と聞
かれた。そのことが一番心配されることであったらしい。そして、しきりに《盗まれたのか》
と聞かれたが、うそを言うわけにもいかず、《パスポートは身に付けていたので大丈夫だ。
ショルダーバッグをバスの中に忘れた》というと、《盗難証明書なら発行できるが、紛失
証明書は発行できない》とのことであった。しかし、本当に至れり尽くせりの応対であった
約1時間ののち、Policeが待っていてくれて私達のホテルまで車で送ってくれた。
結局、その後《ショルダーバッグ》は出て来なかったが、トラヴェラーズチェックは使わ
れていないことが判り、帰国後アメックスに手続きをしたら戻してくれた。(^_^)/~
不注意から起きたことであったが、この一件で本当にいろいろな人に出会った。家内を慰
めてくれたインフォメーションの女性、日本人は大好きだと言ってFAXを只で貸してくれた
酒屋の旦那、忙しいのに車で送ってくれたPolice、いかめしい顔だが本当に親切に対応して
くれたGendarmie、ホテルの人、パリ高島屋の方、携帯電話を貸してくれた街で出会った若い
女性姉妹、その後出会って旅を共にした友人ご夫妻にはお金を借りることとなったなどなど。
本当に内容の濃い、思い出多い旅となった。
A 海外旅行保険
保険は安心料。1週間以上の海外旅行には加入していった方が良いと思う。怪我等をして
病院に掛かると巨額の医療費を要する時があると聞く。死亡したときよりも、当面のことを
思うと保険は掛けて出掛けた方が良いと思う。
事故は起きないに越したことはないが、私は実際にバッゲージが破損して保障して貰った
ことがある。保険会社に連絡すると、直ぐに簡単に手続きをすることができたし、支払って
貰えた。
【ヴェズレー、サン・マドレーヌ寺院】
(つづく)