古備前の土味を求めて
陶工 木村健一
備前焼は”釉薬”を使わず”焼き締め”る、土師器、須恵器の時代から現代に至るまで
岡山県備前市伊部周辺の窯で変わることなく焼かれ続けてきました。
焼き締めただけの、土の持つ豊かな表情と窯変の妙は各時代の特色を形作り
その魅力は多くの人の心をとらえ高く評価されてきました。
土の持つ表情は時代によって、又採掘場所の違いやつくりかたの違いなどで多少の変化は有るものの
その美しさ力強さは人を感動させる力を持っています。
古備前の土味を求めて
備前の窯元で仕事をしながら、いろいろ見て歩くうちに古備前に魅力を感じ始め
どうすればあの土味に近づけるのかと思い始めました。
窯、その材質と構造の違い。土つくり。窯道具、窯詰めの違い。作陶法。燃料。
等々いくつかの事柄に着目し、解決の糸口を見つけようと考えたのです。
その結果、土作りから窯焚きまで、できる限り昔のやり方に沿ってやってみようと考え
昭和63年現在地にまず穴窯を、平成7年登り窯を築きました。
窯は耐火煉瓦を使わず山土を固めて自作した"ランマ”を使い、
古老に聞いたり古い窯跡を探って得たことや資料などをもとに築き
焚いてみて不備なところ、改良すべき点を見つけ築きなおすと言うことを繰り返しています。
又、耐火煉瓦、耐火性の高い窯道具、土練機、電気ロクロ等々
現在当然のように使われているものでも昔は使われてなかったものや
やっていなかった方法をすて当時のやり方をさぐるという作業をくりかえしています。
穴窯の焼成
陶工 木村健一
兵庫県加古川市上荘町都台2丁目13ノ7
TEL,FAX 079−428−3136