今年の3月20日過ぎに、桂枝雀が自殺を試みて重体であることが報道された。 彼の破天荒な落語に、私は何度すくわれたことであろう。そんなことが思い出され、 芸に律儀な彼の苦しみも想像し、いたたまれない気持ちになった。彼の落語が、 何人かの人々(少なくとも私を)を絶望からすくってくれた事を彼は知っていたろうか? 丁度私は体調をくずしていたが、かなりひどい状況からなんとか学会の発表だけはできる程度まで 体力を回復し、東京へ向かう電車の中で彼の事を思うと涙が出て止まらなく なった。声は出さなかったが、止まらない涙の私を見てひとはどう思ったろうか? (私自身の体調が落ちていた事もあったろう。) 結局、枝雀は亡くなってしまった。 小米から変わった直後(LP時代)の芸風と比べても最近は大変deform が激しく、 しばらく買うことを止めていた。だが、やはり、 私は、現在入手可能なCDを買うことで、少しの供養をした。