あわびとは、ミミ貝科の巻貝の一種で、エゾ、マダカ、メガイ、クロ、トコブシ
などの種類に分類されています。
中国が発祥の地と言われ、始皇帝が健康の為、食しており当初中国では、あわびの読みを
「石決明」と呼び、目を明るくするという事からその呼び名が付けられたと印されております。

その中でエゾ鮑とは、北海道日本海側(渡島、檜山管内)に多く生息し、
全長約10cm前後と、他の鮑に比べやや小ぶりではありますが、
肉厚でやわらかく、適度の歯ごたえのあるのが特徴です。
最適水温12゜C位で1年間で約1cm程度しか成長致しません。
従って、人々に食されるまで、7〜8年の月日を要することになります。
又、エサとなっているのは、コンブ、ワカメなどの海草類が主で、みずからの
口で噛みくだき、そのエキスが食道を通り、鮑のキモへと運ばれていきます。
すなわち鮑のキモは海草のかたまり、言わばグリコーゲン貯蔵所と言うことになります。

次に鮑のオス、メスの見分け方なのですが、身の色で判断することはできません。
あくまでもキモの色で判別しなければなりません。オスは茶系、メスは緑系と
全く違った色なのですが、味の方は、双方共そんなに違いはありません。

又、あわびのタウリン含有量は豊富で貝類中一番で、妊娠中の母親があわびを食すと、
胎児の網膜形成や乳児の発育にも欠かせない存在です。
さらに老化防止(老眼、近視、夜盲症)などに効果があると言われております。

簡単に鮑についてご説明しましたが、ある程度、鮑に関する知識を持って
頂けましたでしょうか?

おいしいものをよりおいしく食すということは、まず、その食材を知ることが
大切なことだと思います。ぜひ一度御賞味下さい。