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皇室親衛官「ナーガールジュナ」

「獣華街」より
「ナーガールジュナ」
辰年2000年の年賀状です。
このイラストは帰省先の実家で作成。
そういう事でノートパソコンの液晶画面で彩色。
もう全然色が分かりませんでした。
帝国の新コスチュームをコレでやっと公開。
最近は漫画を描くことも考えて
白い服装が多いです。
だってラクなんだもん(笑)。

以下は某サイトに年賀イラストと一緒に送った
ショートストーリーです。
同人誌「獣華街壱丁目」をお持ちの方は
この鳥人が分かるんですけどねぇ…。


獣華街 新年行事編

 俺の名はナーガールジュナ。

 獣人軍事帝政国家チョーラ、通称「獣華街」の皇室親衛官だ。

 今日は毎年恒例、皇帝陛下の国民に向けて新年のご挨拶が行われる。

 俺達、皇室親衛官もいつものように陛下の警護を…のハズなのだが…。

「…何で俺達まで正装しなければならないんだ?」

 俺にとっては眠るとき以外に常に身につけている

 ゴツく黒い甲冑の方が「戦士としての正装」と思っている。

 ………はっ!しまった!!つい同席している奴の事を忘れてボヤいちまった…。

「なぁにワガママ言ってるのよ〜。

アンタなんてサイズが大きい以外に標準のモン着られるだけシアワセよ〜?」

 鏡に向かっていた同じく皇室親衛官、鳥人のガルダーラタが

  そのクチバシからオカマ言葉を発する。

 くぁ〜ッッ!!コイツのオカマ言葉を聞くとどうも癪に障る。

 …何故俺はこんなヤツに何一つ敵わないんだ?

 もうコレは相性が悪いとしか言いようがない!!

 この事実があるから尚更コイツにはハラが立つッ!!!!

 …まぁ実際コイツのどうやっても袖の通らない

 腕兼翼に合わせて特別に注文された正装に苦戦する姿を見ると少々気が晴れる。

 確かにコイツを見ると標準のモンが着られるだけマシかもしれないと思う。


「…百歩譲って正装は良しとする。

だが竿状武器の携帯禁止ってどういう事だ!?

帯刀は許可されてるけど俺は剣なんて持ってないぞ!?」

 そう!一番納得がいかないのがコレだ。

 俺は愛用のハルバード以外ナイフ一本持っちゃいない。

 素手でも十分自信はあるし、

 イザとなったら術法も使えば大抵の事なら切り抜けられると思ってる。

 なのだが……、甲冑も身につけていない、愛用のハルバードも未携帯。

 裸で戦場に放り出されたようで非っ常に気分が悪い。

「我慢なさいよ〜、アタシだって無手なんだから〜。

それに無粋でしょ〜?正装に竿状武器なんてスマートじゃないわよ〜?

折角のおニューの正装、初お披露目なんだから〜♪

もし何かあったら唯一武器持ってるドゥルガちゃんに任せればいいのよ〜。」

 そういう問題じゃないんだよ、この鳥頭!!(怒)

「ふ〜ん…まぁこんなモンね〜。アタシ用に努力したことは認めて上げるわ〜☆」

 不器用なデカイ手でネクタイを締めると鏡の前でくるりと回るガルダ。

 …誰もお前の事なんて見ちゃいねぇっての。

「ナーガも準備が終わってるなら行くわよ〜、ドゥルガちゃんきっとカンカンよ〜?」

 ヤベェっ!!この鳥頭に構っていて、すっかりあの虎女待たせてるの忘れてたッ!!

 まぁいい、責任はこの鳥ヤロウに押しつけてやれ。

 とりあえずコイツより先に部屋を出ておかないと…、

 急いでドアに向かう際、鏡に映る俺の姿が横目に入る。

「……………。」

 そうだな…、この正装もタマには悪くないな。

 タダでさえ寒い国の今の時期、この服はいつもの甲冑より暖かいのが心地良い。

 この鳥ヤロウに気付かれないように軽く失笑する。


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