設立趣意

近年地価の高騰が相変わらず進行し、住宅問題・都市問題の解決を更に困難なものとしています。また、住宅の質的不足や公共施設整備の立ち遅れも大きな社会問題となり、市街地再開発・都市整備・良質住宅に対するニーズが高まっています。一方これらを解決するための法制度の改善や事業手法の提案およびそれ等に関する調査研究も盛んに行われています。

この様な情勢の中で、都立大学出身者の中にも住宅・都市関連の分野で活躍するものが増えてきています。しかし、これまでは各人が調査研究・事業等それぞれ組織内で独自に実力を発揮して来たに止まり、お互いの力を活用し合うところまでには至っておりません。この分野では新しい情報の交換、経験の交流等がどの職種にしても必要とされるところです。

そこで、このたび同じ大学に学んだという絆を通じて、都市と住宅という共通の分野に携わる者同士連絡を密に取り、各種の事業をとおして研究・実務それぞれの持ち場で自己の能力を高め、この分野で社会的に貢献することを目的として「東京都立大学・都市と住宅を考える会」（略称「考える会」）を設立します。

(1980年12月）