ピンチヒッター
一柳 民恵
ウーン、私の中の私よ出ておいで!
ウーン、エイッ・エイッ・・・。
オッ出てきたか!実はな、私が夢中になっているものを知りたいんだが、何かあったかなッ。
「ない!」
オイえらく即答だな、ないか、困ったな。
何でもいいから一つ得意なものをもっていたら、そいつを手がかりに遊べるんだがな〜、ないかッ。
静岡に住んでる静ちゃん夫婦なら毎週のように出かけて、今回はスキーに行ったよ、あるいは北海道の富良野塾にいる息子の所へ行って来たよと、その旅の写真を、まめにメールで送ってくれるんじゃがな〜。
私はいつも出前出張で皆さんに楽しませてもらっているんで。
そう、そう、私って昔っからポケットサイズで大いに楽しめちゃうと云う特技があったではないか。神様はきっと全てミニチュア版で楽しむことの出来るように私の脳を創ってくださったのじゃろ。
私の隣にいる山男は、自分を大きく振り回さないとその感動が味わえないらしく、 (いや、もしかしたら、一緒に居ると息苦しくなっちゃうから出掛けちゃうのか?)
また、それはそれで、豪快でスリルがあって楽しいんじゃろうが、時にはとんでもないハプニングもついてきたな〜、それはそれかいな。
さて、私の場合、豪華なお料理も素晴らしい芸術も自然もスポーツ観戦も、みーんなテレビ画面の中で大いに満足しちゃうんです。
あまり、自分の居場所、行動を揺さ振りたくないんです。
ホラ、見て、聴いて、静かにしていると
体中にいろんなものが感じられて、もったいないでしょ!
でも、神様ご用の時は私に良くわかるように大きなお声で呼びかけてください、そしたら駆けつけますから。そして、お前はこれをしなさいとはっきり教えてください、ぼんやりしていますから、どうかお願いします。
(いちやなぎ たみえ)