キリスト教保育連盟夏期講習会に参加して

諏訪 幸子

 『ひかりかがやく―神の恵みの中で―』の主題の下、7月28日から30日の三日間、開催地が東京の為か参加者が千人を超える状況に圧倒されつつも、とても有意義な学びの時間を戴きました。キリスト教保育をリードしてこられた先生方の篤い思いに触れ、会に参加する大切さを感じます。
 一日目の講演では細谷亮太先生(聖路加国際病院小児科医)から語られた、命の尊さ、子ども達のその時その時がどんなに大事か、関わる人間も真摯に誠実に向き合う事がいかに重要か・・・、一言一言が、重く心に響きました。
 分科会では、私はゲド戦記を翻訳された清水真砂子氏の話を聴きました。印象深かった言葉を紹介します。「時代の波の中で市場の価値観に押されていると、本物に出会えない。世界はそんなもんじゃないと、届けてほしい」。「刺激が大事っていうけど、幼い子に次々与えるのはどうかしら?大人が退屈と思う事が、幼な子に必要なものだったりするのではないか」「もっと他愛のない喜びに浸る大事さがある」。「時間は流れるものではなく、降り積もるもの」等々。考えさせられる事が沢山ありました。
 三日目の講演では、津守真氏、森上史朗氏、大場幸夫氏から『保育における真と新』について対談形式で語られました。子どもの「今」「保育の在り方」を長年見つめてこられた先生方の、篤く深い洞察に満ちた思いをリアルに、あの場で聴けた事は本当に恵みだと思います。保育者として、自分の経験にあぐらをかく事なく「真」と「新」を見つめ、追い続けている先生方に、刺激をいっぱいもらった三日間でした。 

(すわ さちこ)

越谷教会月報みつばさ2010年9月号より