ライフワーク

根本 薫

 毎週土曜日、夕方になると私は電車を乗り継いで都心に向かいます。越谷から港区の高輪台まで片道約一時間半。私の目指す先は日本基督教団高輪教会です。
高校(敬和学園)や大学(明治学院)の同級生たちを中心としたLAMPという合唱団を結成して十一年目。合唱団メンバーに高輪教会の教会員がいたことから、ご厚意で毎週教会の一室を貸していただけることになり、以来十一年間、毎週同じメンバーが教会に集まって合唱を楽しむのです。毎週プチ同窓会を開いているようなもので、これが私の楽しみとなっています。
 讃美歌やゴスペルはもちろん、中世のラテン語によるミサ曲も多数練習します(「中世の〜」と曖昧な表現をしたのは、私が何度その曲たちの詳細な情報を説明されても毎回忘れてしまうためです)。
 練習の成果を発表する場として、十二月にクリスマスライブを開き、福祉施設のイベントライブに参加、さらにメンバーが結婚する時の結婚式で歌うなど様々あるので(私の結婚式でもLAMPが歌いました)、練習にもかなり熱が入ります。
 そんな練習と同じ、もしくはそれ以上盛り上がるのが、練習後の食事会です。
 メンバーの一人が高輪教会のそばに住んでいることから、いつのまにかその家が食事会場として定着してしまい、毎週そこで団欒のひと時を過ごすのです。
 まだあどけなさが残る高校時代からの友人も、今は三十代半ば。学生時代はダイエットや初恋の話題で盛り上がっていたのに、合唱団結成時には仕事の悩みが話題の中心となり、今は健康に関する話題が大人気です。みんな大人になったんだなぁと感じるのと同時に、本当に長い間、毎週集まっては色々な話をしてきたんだなぁと感慨深くなります。
 今年も十二月第一土曜日に、クリスマスライブを開きました。気心知れた仲間とクリスマスの喜びを歌います。
 来年も、その次の年も、この楽しい集いを続けたいね、と仲間たちと話し合う時、私も心から「そうだね」と答えています。

  (ねもと かおる)


越谷教会月報みつばさ2010年12月号「私・・・に夢中です」より