家族写真  

本間ふみ子

 築五十年になる家を整理することになり何十年もそのままになっていた家の中の物を処分することになりました。
 色々な物が残っていると思っていましたが私が図工の時間に苦手ながら一生懸命に描いた絵がとってあったり、何に使うのか知らないけれど、綺麗な絵の付いた空き缶がきちんと仕舞われていたり。母が長年つけていた家計簿や日記、アルバムも沢山出てきました。
それぞれが家族の顔を思い出させる物ばかりです、懐かしく、いつまでも残しておきたいと思いました。しかし、私が、今処分しなければならないのだと決心して焼却処分にしました。
 手元にのこしたのは、アルバムから抜き出した写真です、母に抱かれた私や家族四人で写した記念写真です。沢山は残せないけれど、この写真を見ていると、幸せな日々と両親の愛を感じることができて元気がでるのです。    

 (ほんま ふみこ)



越谷教会月報みつばさ2011年1月号「Tea time」より