今月の特集題  出発点に立つ喜び



出発点に立つ喜び
須賀 工
 6年間の東京神学大学での学びが、無事に終えられ、越谷教会の方々の祈りによる支えに本当に感謝しています。
 しかし、考えてみるならば、これからが始まりです。ようやくスタート地点に立ったところです。不安と恐れもあるが、やはり、無事に、今、伝道師への道の出発点に立つ事が出来る事は、本当の喜びでもあります。
 東京神学大学で、常に語られている事があります。それは、「常に出発点に立ち帰る事」。つまり、この道が、神によって、備えられた、その時を思い起こす事であります。言い換えるならば、神の導きと神の召しを思い起こしつつ歩む事、その事が大切である、と教えられてきました。思い起こしてみれば、不安と恐れに支配されていた大学一年。本当に、自分で大丈夫だろうか、本当にやりきる事が出来るだろうか、と悩み続けた6年間。しかし、その背後には、「祈り支えて」下さる、教会の兄弟姉妹の姿があったと言えます。自分は、一人ではなく、神が導いて下さると同時に、越谷教会の一人ひとりの支えがあった事を思い起こさずにはいられません。自分にとって、出発点に立つ喜びの中には、勿論、神による導きと憐れみもありますが、同時に、教会からの支えがあった事の喜びもあると思うのです。
 本当の意味で、越谷教会に恩返し、というものがあるのならば、それは、恐らく、自分が、常に出発点で与えられた支えを胸に留めつつ、伝道者として、立ち続ける事なのだと思います。
 キリスト者にとって、出発点に立つとは、恐らく、「神の憐れみ」、「イエス・キリストの救い」に立ち帰る事でしょう。もしくは、「洗礼の恵み」に立ち帰るとも言えるでしょう。それと同時に、その所まで、導くために用いられた教会の存在も欠く事は出来ないでしょう。つまり、キリスト者にとっても、そして、勿論、私自身にとっても、出発点に立つとは、教会を通して、示される神の救いと教会を通して与えられる愛に立つ事に他ならないのです。この事を思い起こすならば、私は、いくら喜んでも足りないほどであるでしょう。この喜びを胸に、今度は、新たな出発点に立って、歩みを始めようとしています。どんなに苦しくても、私には、立ち帰るべき、喜ばしい出発点がある。その事を思い、確信をもって歩みを始めたいと思います。何かが始まる前には、様々な緊張と恐れがあるでしょう。しかし、同時に希望もある。出発点に立つ事も同じでしょう。常に、与えられている希望に目を向けて、歩みたいと思います。
 本当に、今まで、支えて下さり、感謝します。これからも主が共にありますよう祈っています。    
(すか たくみ)


新たな第一歩
J.T
 私は、3月に大学を卒業し晴れて4月より社会人として新たな第一歩を踏み出します。先日、私は卒業者の発表と就職の報告をするため大学に行きました。立ち寄ったキャリアサポートセンターでは、今年卒業する4年生の就職内定率が非常に悪いと知らされ驚きました。

 就職難はニュースなどで報道されている以上に深刻です。なぜ新卒者に仕事がないのか改めて思い知らされました。私自身は内定を頂くことはできましたが、就職活動を通して沢山の会社を受験してきました。感じたことは、勉強は勉強した分、力がついたり結果として現れる部分がありますが、就職活動は自分自身が満足する力を発揮出来たとしても、簡単には結果に結び付かないということを何十回も目の当たりにして、心が折れそうになりました。

 内定を頂いた会社よりも更に、自分の力を発揮できる会社を求めて、就職活動を続けましたが結果が伴いませんでした。一つ内定を頂いていることで気持ちに余裕はありましたが、辛い結果ばかりで、20年ちょっと過ごしてきた中で、就職活動は私にとって一番苦労した出来事になりました。
 一番辛かったことは最終面接で5回も落とされたことです。最終面接に辿り着く会社はごくわずかで、最後で落とされると本当に悲しくなりました。
 就職まで時間が少なくなってくる中で、内定を頂いている会社に就職しようと決めたのは12月でした。内定を頂いた会社はアルバイト先の会社です。私としては、2年間程働いていて会社の中身を知っていることや2年間の実績などが認められて、内定を頂くことができたのではないかと思っています。その会社では1カ月に一度、内定者懇親会を開いて下さり、人事の方がしっかりと入社までサポートして下さいます。

 先日、入社前最後の懇親会があり人事の方から挨拶がありました。その中で印象に残っている言葉は、「今までは学生として親に守られてきた部分があったと思いますがこれからは社会人です。どんなことも一人で責任を負わないといけないのです」。私はこの言葉を聞いたときに、もう学生は終わりだなぁと思いました。社会は甘くはないと思いますが、1年間の就職活動で社会の側面をちょっとは経験できたと思います。この経験を活かして社会人になってからも落ち着いて頑張りたいと思います。
 
 今は、就職先は神様が私に与えてくれた会社だと思い、また辛い経験もしましたが、万事が益となることを信じて、この厳しい世の中で社会人として仕事が出来ることを喜び、日々前に歩んで行きたいと思います。
(J.T)

越谷教会月報みつばさ2010年4月号特集「出発点に立つ喜び」より


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